「夢を見るから、人生は輝く」 ウーマンダイアローグ#5



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今回のゲスト♡ 久保田佳奈さん

杉野服飾大学短期大学部服飾学科卒業
2007年、株式会社ストライプインターナショナルへ入社。earth music&ecology(アースミュージックアンドエコロジー)にて店舗責任者、スーパーバイザーを経験する。
2011年 東京本部へ異動 
2013年 Maison de FLEUR(メゾンドフルール)を立ち上げ、ブランドディレクション、商品企画、PR等を担当。
その他、コスメブランドSCENT OF Varo(セントオブヴァロ)やアイスクリームブランドBLOCK natural icecream(ブロックナチュラルアイスクリーム)を立ち上げるなど様々な分野の事業も手掛けている。

ファッション販売能力検定1級、ファッション色彩能力検定1級、カラーコーディネーター検定1級、オーガニックコスメ検定、アロマテラピー検定1級などの資格を取得。

インタビューする人♡ 渡辺彩季

京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級などの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#5 【メゾンドフルール/久保田 佳奈さん】

渡辺:私は主に同世代の女性向けにメディアで記事執筆をしているのですが、とにかくメゾンドフルールは読者にも大人気で! これまでにたくさんアイテムの紹介記事を書かせていただいて、本当にいつもお世話になっております。 

久保田:こちらこそ、いつも取り上げていただいてありがとうございます。

渡辺:今回はブランドの立ち上げから携わっている久保田さんの話をいろいろ伺えたらと思います。早速ですが、現在の仕事の内容を教えてください。

久保田:ライフスタイル雑貨ブランド、「メゾンドフルール」の商品企画とPRを兼任しています。全商品のデザイン、タイアップ、撮影、イベントの企画などもやっています。

渡辺:どんどん店舗が増えている人気ブランドですよね。一緒に同じ仕事をされている方は何人くらいいらっしゃるのですか?

久保田:今は全部1人でやっています。最近人数を増員することが決まったので、役割分担をしていく予定です。

渡辺:えーーーーー!(驚愕)

久保田:大変ではありますが、デザイナーになることが昔からの夢だったので……本当に毎日があっという間に感じます。

中学1年生の頃から、「20歳になったら」を考えていた

渡辺:いつからデザイナーになりたいと考えていたのですか?

久保田:中学校1年生からです。当時から物を作ることが大好きで、「将来はデザイナーになる」と決めていました。当時から、20歳までに自分がどういう人生を送るかを考えていました。

渡辺:すごいですね! 大学に入っても将来どうするかを決められない人がいっぱいいるのに……。

久保田:20歳までは、案外自分が思い描いたシナリオ通りに物事が進んだと思います。まず、中学生のときに服を作って、自分でこういうことをやりたいなと、大まかな道筋を決めました。ただ、高校時代は今しかできないことを大切にしたかったので「3年間おもいっきり青春しよう」と、学生らしいことを楽しみました。そして、短大時代は高校3年間しっかりと遊んだ分、覚悟を決めて服飾の勉強に専念しました。(笑)。

「1番の成績で卒業する」と決めた短大時代

久保田:短大に入学する前には「新卒採用でデザイナーになるには、どうしたらいいのか」と考えていました。その時に「この学校からは毎年何人の卒業生がデザイナーになっているのだろう」と調べたのですが、その数字には驚かされました。なんと、1人もデザイナーとして卒業された方がいない年もあって……!

渡辺:服飾科なのに!? それは衝撃の事実ですね。

久保田:仮に学校を1番の成績で卒業しても、デザイナーになれるかどうかはわからないという現実を知りました。だから、入学前に「私は必ずこの学校を1位で卒業する」と決めたんです!そして、「この2年間を単純に過ごすだけではデザイナーになれない」という危機感を持って、仕事に役立ちそうな資格をたくさん取得しました。

渡辺:時間のあるときに資格をとっておくことは大切ですよね。 私も大学をAO入試で受けたのですが、何かアピールできればと漢字検定二級と秘書検定二級を取ったのが懐かしいです。

久保田:資格のことを調べていく上で、テキスト代や受験料など……勉強ってすごくお金がかかるという現実も実感しました。短大へ入学をする前に、それを分かっていたことは大きかったですね。短大では一律の授業料を払ったら学び放題なので「授業をとればとるだけ、自分のためになる!」と、2年間週6ペースで通い詰めました。 

    さらには、隣にあった4年制の大学で興味のある授業やゼミにも参加しました。春休みも夏休みも……ひたすら勉強していましたね。

渡辺:私もそうでした! 当時自分が興味を持っていた社会系の分野は、卒業の基準に関係なく多めに単位を取っていましたね。久保田さんほどではありませんが……。

久保田:学べるだけ学んだ方が絶対いい。短大時代は、とにかく一生懸命勉強していましたよ!

販売員からデザイナーへ きっかけは“キャリアアクション制度”

久保田:短大で多くのことを学びましたが、それでもすぐにデザイナーになることはできませんでした。諦めきれず「デザイナーになるためにはどうしたらいいのだろう?」とずっと考え続けていましたね。

渡辺:社会人になってから、メゾンドフルールのデザイナーになるまでも大変だったのですね。

久保田:新卒の頃は、別の会社で働いていました。そのときは「将来的に独立して自分の会社を作りたい」と考えていたので、そのための知識を学べる会社に就職したいと思って。しかし、そこでいくつか失敗も経験して、やっぱりアパレルの経験を積もうと思い直して、今のストライプインターナショナルに転職を決めました。

渡辺:あれだけ学生時代に勉強してきた久保田さんでも、独立は厳しいと感じたのですね。デザイナーになることがいかに厳しいか、伝わってきます。

久保田:最初は販売員として店舗での経験を積みました。入社して4年半がたった時、会社で新しく“キャリアアクション制度”というのがが導入されたのです。本社本部で、必要な職種の希望者を募集し、それに対して自ら手を挙げる制度なのですが、当時アースミュージックアンドエコロジーの企画職という募集がかかったので、「待っていました!」とばかりに手を挙げました(笑)。この制度ができて第1回目の募集だったのですが、私は無事に受かることができて、本部勤務になりました。

渡辺:ちょうどそのタイミングで制度ができたのも、どこか運命的なものを感じますね。仮にその制度ができるのが5年遅かったら、また全然違う未来が待っていたでしょうね。

久保田:願ってもいないチャンスでした! 店舗で働いていた期間は「デザイナーになりたい」とは思いつつ……実際にどうしたらなれるのかが分からなかったからです。この先もずっと販売員をしていくのかな、という不安を抱きながら毎日働いていました。

渡辺:ずっとひたむきに頑張っていたから、神様が見てくださっていたのでしょうね!

久保田:そうだったら嬉しいですね(笑)。本部に異動してきた私は、当時アースで新たに注力しようとしていた靴下担当になりました。企画を進めるなかで「これはひとつのブランドにしたらいいのでは?」という流れになって、そこから生まれたのがメゾンドフルールです。

渡辺:今はアースブランドというイメージが全くないですね!

久保田:そうですね。デビューまでに社内で議論を重ねた結果、新ブランドとしてリリースした方がいいんじゃないかと話がまとまりました。そして、メゾンドフルール事業を任せてもらうことになって、念願のデザイナーという職に就くことができました。

ブランドの成長に欠かせなかった“雑誌の付録”と“Instagram”

渡辺:メゾンドフルールといえば、雑誌の付録が話題になったのが印象的です。私も実際にファッション誌を買いました! 大人かわいいネイビーのトートバッグは実用的でありがたかったです。

久保田:そうですね。やっぱり付録の反響は大きくて、ブランドの認知度がアップしたと実感しました。

渡辺:メゾンドフルールのターゲットは大学生くらいなのかなと思っていましたが、OLさんでもデイリーに使える落ち着いたネイビーカラーは大人の女性にぴったりですよね。カラーやデザイン次第で、誰が持っても違和感がない。幅広いお客様に支持されるきっかけのひとつだったのではないでしょうか?

久保田:本当に嬉しいですね! あと、ブランドの成長には、Instagram(インスタグラム)が大きく関係しています。ブランドデビューしたタイミングは、ちょうどインスタが流行りはじめた時期。積極的にメゾンドフルールのアイテムをアップしてくださる方が増えました。大きいリボンがついているアイテム特に人気です♡

    当初はPRに力を入れることができませんでしたが、お客様が自動的にインフルエンサーの役割をしてくださいました。

渡辺:インスタをきっかけにブランド名が広まったという感じですか?

久保田:そうです。意図的に「もっとインスタにアップしてもらえるにはどういうデザインにしたらいいのかな?」と考えて物作りをするようにもなりました。

夢を叶えたいなら強い意志が必要 「なりたい」ではなくて、「なる」

渡辺:将来デザイナーになりたい方やブランドを立ち上げたい方にアドバイスがあれば、教えてください。

久保田:強い意志を持つことですね! 私自身、絶対にデザイナーになれるという確証を学生時代はまったく持っていなかったし、今の会社に入社した11年前もそれは同じでした。……ただ「絶対になるんだ!」という気持ちだけは、中学校1年生の頃からずっと変わっていませんでした。

渡辺:「なりたい」……ではなくて「絶対になる!」

久保田:そうですね。「なりたい」ではなくて「なる!」。もちろん運もありましたが、意志の強さも関係していると思います。

渡辺:仮に運をつかんでも、勉強をきちんとしていなかったら、チャンスを棒に振ってしまうこともありますよね……。立ち上げてすぐに終了が決定するブランドもたくさんありますし、久保田さんが下積みをきちんとされていたから、今も多くの方に愛され続けているのでしょうね!

やりたいことをするために、やらなきゃいけないこともある

久保田:ブランドがデビューしてからの5年間は、走りっぱなしで本当にあっという間に感じました。

渡辺:長年の夢だったデザイナーになってからは、辛いと思うことはありましたか?

久保田:プレッシャーはすごくありましたが、今はそれを乗り越えました。でも、正直少し前までは、ずっと恐かったです。

渡辺:デザイナーであり続けるためには、数字や結果も見られますもんね。

久保田:お店がオープンする時間からクローズする時間まで、とにかく恐かったです。売れないと危機感を抱きますし、売れても“今後もっと売らなきゃいけない”というプレッシャーで……常に恐怖でした。

渡辺:たしかに。デザイナーになるのがゴールではありませんよね。むしろ夢が叶ったと同時に始まったという感じでしょうか。

久保田:常に危機感はありますが、今は5周年のイベントを成功させるまでは何があっても乗り切ります。やりたいことをするために、やらなきゃいけないこともある。これは、チャンスを与えてもらうために必要なことだと思います。実現したい夢がたくさんあるので、そのために頑張ります。

メゾンドフルール5周年に懸ける想い

久保田:今年メゾンドフルールが5周年を迎えるにあたり、2018年9月はアニバーサリーイベントを開催します。

渡辺:ますますブランドが盛り上がりますね!

久保田:やり遂げるまでは、弱音は一切吐きません。どうしたら喜んでくれるかな、どんなアイテムが欲しいかな、お客様を楽しませたい、びっくりさせたい……そういったことを考えながら日々準備を進めています。ぜひ5周年のメゾンドフルールに注目してもらいたいです!

渡辺:私もすごく楽しみです。

久保田:9月12日からは5周年アニバーサリーイベントを展開しています。限定ショッパーやボックスも製作しました。メゾンドフルールではあまりノベルティーフェアをやらないのですが……今回は特別にノベルティーもご用意しました。ぜひ今後のメゾンドフルールにも注目してほしいです!

メゾンドフルールの公式サイト

インタビューを終えて…

中学生から持っていた、デザイナーという夢を叶えた久保田さん。

誰だって“有言実行”をしたいけれど、努力を継続したり結果として形にしたりすることは本当に難しい……。諦める理由は常に傍にあるものです。久保田さんは常に先回りの計画と信念を貫く姿勢を持って、夢を手にしました。
ブランドの立ち上げからPRまでするということは、生半可な努力でできません。夢に見ていた仕事を手にした久保田さんは、多忙ながらもすごくキラキラされていて、オーラに満ち溢れていました。
「こんな風に夢を語ることができたら気持ちいいだろうな」とうらやましい気持ちでいっぱいになるほどに。

「夢を見るから、人生は輝く。」
私自身、下積みをしていて辛いと感じることが多くありますが、久保田さんのようにひたむきに頑張ってきたという人の話を聞くと自分がとてもちっぽけに感じます。
本気で大きな夢を叶えたいなら、「いつでもできる限りのことを100%以上やってきた」と即答できるくらいの人間にならなくちゃいけないですね。

これからもメゾンドフルールがたくさんの人に愛され続けるブランドでありますように。久保田さんの夢の続きにも注目していきたいです♡