新入社員の「10人に1人」は1年以内に辞めてしまう
多くの会社では4月になると新入社員を迎えます。
そんな大きな変化から、4月はもっとも活気に溢れている時期といっても過言ではないでしょう。これまでは「後輩」として親しまれてきた人たちも、後輩を迎えるにあたって、ワクワクに加えてちょっとした緊張感を感じたはず。
けれど、2015年の厚生労働省の調査を見てみると、新入社員の「10人に1人」は1年以内に辞めてしまう悲しい結果がでています。以前から新入社員は「3年で3割が辞める」といわれていますが、それよりももっと短い結果に辞めてしまう人が増えているのです。実際に、筆者の大学の同級生の数名も、入社半年で退職を選びました。
なぜ辞めてしまうのか……。
理由はそれぞれでしょうが、先輩の私たちに何かできることはないのでしょうか? 今回は新入社員にありがちな悩みと解決策についてご紹介します。
先輩・上司との見えない壁がある
新入社員が抱える悩みの一つに「人間関係」があります。学生時代とは違い、職場にはいろいろな年代・考え方の人がいます。特に、これまでアルバイト経験がなく入社した人は人間関係に悩みやすい傾向があり、たとえ先輩・上司が近い関係で接していたとしても、新入社員は遠い存在のように感じてしまいます。
また、うまく人間関係をつくっている同期をみてみても、悩むは次第に増えている様子。やがて会社で「自分の居場所」がなくなり、疎外感を感じるようになるのだとか。社内に精神的フォローをしてくれる人がいないと思いこんでしまっているため、上司や同期ではなく、友人に相談する回数が増えていきます。
この時はまさに「隣の芝は青い」状態。
うまくいっているようにみえる、同世代の友人と自分を比較してさらに落ち込んでしまいます。同年代の友人に相談することによって「それは辛いね。転職したら?」と転職をすすめられることもあり、辞めてしまうことが多いといわれています。
先輩・上司にできることは率先して声かけをするということです。
先輩や上司が受け身の態勢でいると、新入社員は歩み寄ることができません。これまではわからないことがあったらすぐに聞くのが当たり前だったかも知れません。しかし、入社してそれほど経っていない新入社員からすると、質問をすることのハードルが高く感じてしまいます。
なので「あなたを気にしていますよ」とわかるようにしてあげることが大切。関心を持って聞いてあげることで安心して相談できる場ができ、適切なフォローを行えるようになります。
仕事がうまくいかない悩み
興味や憧れがあって入社したものの、実際に仕事し始めると思うように上手くいかず「私はこの仕事が向いていない」と感じるように。先輩社員を見よう見まねでやっているつもりでも、電話対応のように全く同じ内容では上手くいかないケースがあります。
もちろん新入社員も「どうすれば良いのか」を考えますが、経験が少ないこともあり自分だけで解決することは難しく課題は山積みに。
しかも仕事が出来ていないという自覚だけはあるので、自分が質問をすれば先輩社員等に「さらに迷惑をかけてしまう」と考え、自分から質問できない状況に陥ってしまっている新入社員も少なくないのです。
先輩・上司としてできることは、具体的な改善点を新入社員のやり方に合わせて基づいてわかりやすく指導することです。そして上手くできたならば積極的に褒めることも忘れずに。入社してばかりの社員に自信をつけることで、どんどんと意欲が出てステップアップするように成長していきます。経験がない分、たくさん吸収して大きく成長できるのが新入社員の良い所なのです。
まとめ
2つの悩みに共通していえることは率先して新入社員に関わることが大切だということです。
繰り返しになりますが、上司・先輩と新入社員には見えない壁が存在しています。まずは社会人として活躍する上司・先輩が率先して壁を乗り越え、右も左もわからない新入社員たちに手を差し伸べてあげること。
今、みなさんの周りにも悩みを抱えたままの社員がいるかも知れません。よく観察し、言いにくそうであればこっそり聞いてあげるなどをして、時間を取ってあげてくださいね。