#metoo運動が全世界で話題になり、セクハラやパワハラなどのハラスメント問題について考える機会が多くなりました。ハラスメントの被害を声に出すことが以前よりも
一方でセクハラ被害者の多くは泣き寝入りをしているというデータもあり、深刻なセクハラ被害では声を上げにくい現状は根強いといえます。本企画では、セクハラ被害のの現状と、それに対する適切な対応について、セクハラや浮気・不倫などの解決に定評のある弁護士「齋藤 健博」が解説いたします。
Q.上司が私のSNSをチェックしてきます……
私はプライベートでよくSNSを利用しているのですが、ある日会社の上司が、私の鍵付きアカウントにフォロー申請をしてきました。確か2に身バレするような名前やプロフィール画像を設定していた自分にも原因はあると思うのですが、個人的には会社の人とSNS上で交流はしたくないな、と思っています。
気づいていないフリをするのが一番なのかな? と思い、許可をせずフォロー申請をそのままにしていたら、上司が職場で「なんで承認してくれないの?」と迫ってきました。上手く言い訳ができなかったので、その場でなくなく承認はしたのですが、職場と関係ない愚痴をSNSに投稿しているのに関わらず「これって俺のこと?」と都度聞いてきたり「俺、いつも”いいね”を押して上げてるのに俺の投稿には返してくれないんだね」と言われるようになりました。プライベートは自由に過ごしたいのに、いつも上司に監視をされているようで嫌な気分になってしまいますし、これを拒否すると評価にも影響するのではないかと不安になっています。この場合、どのように対処するのが正解なのでしょうか? ハラスメントには該当しないかもしれないですが、対処法を教えて欲しいです。(かえで/情報通信業 事務/24歳)
A. ハラスメントを超え、プライバシー権の侵害が!
プライベートの領域に対する介入は、当然ハラスメントが成立します。
というのは、上司という立場の方が、そもそも個人の判断である領域であるはずの「誰を承認する」、「誰を承認しない」の判断に立ち入ることは、私的領域への不当な介入であると判断されます。そもそもSNSで個人を特定できる形で書き込みなどをしているものでもない状況で、執拗に私的領域に介入する行為はハラスメントを超え、プライバシー権の侵害ともいえます。対処法としては、毅然とする対応が考えられますが、ハラスメント相談窓口などを活用し、ハラスメントのみならずプライバシー権侵害の被害に遭っていることを相談するのは一つの手段です。
回答者:弁護士 齋藤 健博
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTube動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=gd8rwOXDKp0