おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
すっかり寒くなりましたね。寒いとつい動くのが億劫になりませんか?
着るものも生地が厚くなり、あまり体の線を拾わないため、気付くとどうしても体が重くなりがち…。そこで、朝30分だけ早起きして、一駅分歩くようにしてみました。
もともと夜型なので、正直慣れるまで少しつらかったです。が、朝、ピリッと引き締まった空気の中で、枯れ葉に霜の降りているのをみたり、出社後に取り掛かる仕事を頭の中でシミュレーションしてみたり、自分の気持ちや体調と対話してみたり。日によっては駅まで時間が足りず、少し走ってみたり(!)の25分間です。
ここ2か月で1.5キロ減!特に食事の制限をすることなく落とすことができました。最近体が重いな、と思っている方に、とってもおすすめです。
20代と30代以降の転職活動の違いって?
さて、今回のテーマですが「20代と30代以降の転職活動の違い」について考察してみたいと思います。
一般的に、20代と30代以降の転職には大きな違いがあるとされていますが、具体的にどんなところが違うかイメージしてみたことありますか?
20代で転職する場合、スキルや経験が多少不足していてもこれからのポテンシャルを考えての採用もあり得ますが、30代以降の転職ではポテンシャル採用はほとんどありません。あるのは
1.実績
2.即戦力性
3.専門性
4.マネジメントスキル
の評価による採用です。
特に、人材紹介会社を介しての転職ではこれら4つがどのくらい評価されるものかどうかがカギになります。さらに30代も後半になれば、求められるマネジメントスキルもより高いものになります。
人材紹介会社経由の転職だと、採用のハードルが上がるカラクリはご存知でしょうか。
例えば32歳年収600万円の営業マネージャー候補を採用するとします。たいていの人材紹介会社の成功報酬は年収の30~35パーセントです。採用企業が支払う金額は下記の計算になります。
【企業が人材紹介を使って行う採用単価(年収が600万円の方の場合)】
年収600万円×成功報酬30~35%=180~210万円
自分が今保有しているスキルや経験を、採用企業が約200万円を支払ってでも欲しいと判断してもらえるものなのかどうか、第三者視点で考えてみましょう。
もちろん20代の転職でも、人材紹介会社経由では成功報酬額は30代と同様に年収の30~35%かかりますが、年収も30代に比較して抑え目なことが多いため、企業が採用に支払う金額も抑えることができます。また、新卒から社会人2~3年目の採用の場合、固定額(1名採用につき50~90万円で交渉されることが多い)で採用する契約を結んでいる企業も。
30代を1名採用する金額で20代を複数名採用することができたりするわけです。
採用企業が30代以降の中途採用に慎重になる理由がわかる気がしませんか?
30代のキャリア転職で大切なこと
30代以降の方が転職をする際に大切なポイントを挙げていきましょう。
専門スキルと実績の有無
繰り返しになりますが、30代以降の転職には、専門的なスキルと実績が求められます。
アピールできるスキルや実績がない場合は、転職を考える前に「自分は●●のプロフェッショナルである」と言えるだけの力を身につけるように日々の業務に向き合ってみたほうが良さそうです。
さらに、「●●のプロフェッショナルである自分がこの会社に転職してきた場合、▲▲なメリットがある」とアピールできるよう準備をすすめたいものです。
マネジメント能力の有無
30代後半になるとスキルや実績だけでなく、ある程度のマネジメント能力が求められます。
「部下や後輩の面倒をみていました」という抽象的なものではなく、具体的にどのように管理し、どういったサポートを実施したか、その結果チームや部門でどのような実績を出せたか具体的に話せることが重要です。数値で語れるとさらに良いでしょう。
転職の目的は明確か
40代を見据えたとき自分がどうなっていたいかに加え、会社に対して何を提供できるか、という視点で転職の「軸」を作っていくことがとても大切です。
「現在の職場や業務に対する不満があり、それを理由にキャリアチェンジなどを考えている」と判断されてしまうと、なかなか転職活動はうまくすすまなくなります。
もう一度、これまでのキャリアや将来的なビジョンを明確にするところから始めましょう。
転職前に再度検討すべきことは
30代以降の転職こそ、漠然と「転職したい」と考えるのではなく、「なぜ転職したいのか」をはっきりさせることが重要になります。
なぜなら、20代と違い30代以降は「自分のことだけ考えた転職ができなくなる時期」だからです。
(1) これから起こりうるライフイベントを考える
「結婚」、「妊娠」、「出産」、「育児」などプライベートでもさまざまな変化がある時期だからこそ、30代で転職する際はキャリアプランに加えて今後起こりうるこれらのライフイベントを考えましょう。
パートナーがいる場合、転職活動を始める前に二人でよく相談しましょう。
せっかく志望企業から内定が出たあとで、「嫁がどうしてもイエスと言わないので、残念ですが入社を見送ります」という事例に複数回遭遇しました。
「もうすぐ娘が結婚する。●●会社の●●部部長という肩書で結婚式に出てほしいといわれた。転職先の▲▲社では出席者は誰も知らないから恥ずかしいといわれた」
こんな理由で転職を諦めたシニアもいました。年収が現職より30%もアップする条件提示で、新規事業の立ち上げに参画するという希望をかなえられる転職でしたが、ご家族の強い反対で諦めることになったのです。
「採用前に余計な心配をかけるより、採用が決まったら家族はそこから説得すればよいと思っていた」という方も多いですし、ご家族やパートナーと日頃から自分自身の仕事に対する価値観を話しておくことを嫌う男性もいますが、私は最初の面談から「転職活動をしていることをきちんとご家族に話しておいてほしい」とお伝えするようにしています。
(2) 第三者に相談する
ここまでお読みになった読者の中には、「人材紹介会社経由で転職する場合、採用にお金がかかってハードルが上がるなら、自己応募したほうが有利かも」と思われた方も多いと思いますが、実際、一人で悩んでいても解決しない問題はあります。
転職活動で行き詰まりを感じて悩んでいるのなら、利害関係の絡まない第三者に、相談してみるのも一つの手です。
前提条件を知らない第三者に自分の置かれている状況を相談するとき、人は自分が抱えている問題や自身の気持ちを論理的に説明しようと努力するものです。明確なキャリアビジョンが描けている場合は別ですが、何となく「転職したい」と決めてしまっている場合、ところどころ再考の余地や論理のほころびが見えてきます。
第三者にご自分の経歴や“日頃の思い”を話すことで、自然と考えが整理され、今後のキャリア構築を前向きに考えるきっかけになったと仰る方もいます。「自分が発した言葉に自分が一番驚いた。こんなことを考えていたのか、考えを言語化することって大事だなと思いました」とすっきりして帰られる方もいます。
市場価値を確認すること
その【第三者】が人材紹介会社のキャリアコンサルタントである場合、転職市場での自分自身のリアルな“市場価値”を確認することができることも大きなメリットです。
今回は、20代と30代以降の転職活動の違いについて考えてみましたが、もし今のあなたの悩みにこたえるヒントが隠れていたらうれしいです。
それでは、またお会いしましょう!
キャリアアドバイザーA