Q. 定時後に退社したのに、みなし残業分働いていないと始末書を書くことに…
私の会社ではみなし残業が月に20時間あり、定時より1時間は基本仕事をすることになっています。先日、予定があったので定時から30分後に退社したのですが、数日後に人事から連絡があり、始末書を書くように言われました。あちらの言い分としては「20時間分の残業代を払っているのだからそれより少ないのは給与泥棒だ」と。
早めに帰る人は他にもいますが、始末書を書かされたという話はきいたことありません。みなし残業は早めに切り上げてはいけないのでしょうか?(a.y/25歳/WEBデザイナー)
A. トラブル回避のため、事前に伝えておくと◎
a.yさんは、WEBデザインを手がけているのですから、大企業などとは異なり、個人の自由な働き方や個人の自由な時間の使い方をしなければ、仕事の成果が上がらない環境にあるのではないでしょうか。実は法律の世界でも、みなし労働時間制を用いることができるのは、労働時間が厳密に把握できない場合に限定されているのです。
先日、予定があったので定時から30分後に退社しただけをもって、始末書を書かせるというのは、やりすぎでしょう。というのは、みなし労働時間制というのは、労働時間の把握ができない場合、所定労働時間働いたとみなすものであって、何時から何時までは労働をしなさいというものではないからです。a.yさんはある意味WEBデザインに関する能力を信頼されており、企画業務型裁量労働制に近い働き方をしていると思います。仮に多少早めに切り上げたとしても、その時間働いたとみなされるわけですから、始末書を書く程度に違法性をがあるわけではないでしょう。今後、始末書などの不名誉なことがないように、早めに切り上げる際には事前に話をしておくほうがトラブル回避のためには無難かもしれません。
回答者:弁護士 齋藤 健博
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
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