【転職の悩み相談】一次面接で毎回落ちる…人格否定されているようで落ち込む



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Cinq読者の皆さま、おはようございます!
コロナ禍の影響で様々な企業がダメージを強く受けていますが、いよいよ雇用維持にも影響が出てきました。厚生労働省の調べでは、コロナ禍関連の離職者は9月現在で6万人を超えたとのこと。今後もこの傾向は続くと考えられます。

書類先行は通るのに、一次面接で必ず落ちる…人格否定されているようで落ち込みます

今すぐに転職活動をしたいと思っている方、転職は全く考えていないけれど、将来転職しなくてはいけない事態に遭遇した時に慌てなくて良いようにしておきたい。とお考えの皆様に向けて、人材紹介業界のウラ情報も交えてお伝えしているこのコラムですが、今回は、「書類選考は通るのに、一次面接で必ず落ちてしまいます。人格否定されているみたいでめちゃめちゃ落ち込んでいます」というご相談にお答えしていきたいと思います。

今回、28歳Mさんからこんなご相談をいただきました。

「自社の業績不振から、はじめて転職活動を開始してみました。
数社に応募しましたが、書類選考は通過するものの、なぜか全て一次面接で不採用。理由を尋ねてみると『我が社の企業文化に合わない』『他の候補者との比較選考により』という返答です。
今までコミュニケーション力には自信がないわけではなかったのですが、書類上はOKで会ってみて不採用だなんて、自分のことを人格まで全否定されているように聞こえてしまって、完全に自信をなくしました。転職活動も休止状態です。今は転職すべきではないということでしょうか?
でも、自社の業績が悪いせいか、社内の雰囲気も良くなくて…」

スキル面では魅力があるのに、伝え方を間違がっている可能性が

Mさんこんにちは。ご相談ありがとうございます。
書類選考に通過するということは、スキル面には魅力があって、一度お目にかかってお話してみたい、と思わせるだけの経験を積んでいると判断できる内容だったということですね。それなのに、全ての会社の一次面接を通過できないというのは、改善すべき大きな問題が潜んでいる可能性があります。
Mさんがお気づきの通り、『企業文化に合わない』『他の候補者との比較』という回答は、具体性がない当たり障りのない体のいいお断りの常套句です。何度も何度もそんな理由で落とされていると自信を無くしてしまいますよね。
お気持ち、お察しします。

Mさんが基本的なコミュニケーションスキルに問題がなく、事前の準備(企業研究やそのポジションに企業が求めるスキルや経験の研究)もしっかりできているとして、何故一次面接に通過できないのか、理由を一緒に考えてみましょう。
もしかしたら、耳の痛いお話ばかりになってしまうかもしれませんが、ご自身の【自分事】と受け止めてみていただければと思います。

採用する側の目線に立ってみて! 面接で確認したいことはコレ

中途採用の面接において、企業側が知りたいことは以下の3点です。

A この候補者は、何ができるのか?(経験・実績の確認=過去の確認)
B この候補者は、何がしたいのか?(転職理由の確認=未来の確認)
C オファーしたら本当にこの会社に来てくれるだろうか?(志望動機の確認)

この3点について相互に齟齬がないか、矛盾がないか。面接官は主に4種類の質問をやり取りする中で確認しているのです。
1.自己紹介
2.転職理由
3.志望動機
4.質疑応答

Mさんの面接の様子を実際にお聞きしたわけではないので、正確な理由についてはわからないのですが、「もしかしたらこんな落とし穴に引っかかっているのかも」という想定でお伝えしてみます。Mさんご自身の面接のやりとりを思い出してみて、当てはまるものがないか振り返ってみてくださいね。

もしかしたらこんな落とし穴に引っかかっているのかも? 面接で陥りがちなNG行動

A:この候補者は何ができるのか?(経験・実績の確認=過去の確認)

これまでのスキル・知識・経験について書類を確認し、採用側が求めるものを持っている可能性があるのでは、と期待されたからこそ、書類選考はパスしています。しかし当日、肝心の【相手が求めるポイント】について確認をしてもらえていない可能性があります。面接の現場で「今回のポジションで求められる能力を備えている」「きちんと期待された成果を出している」をアピールできるように準備しましょう。
「コミュニケーション力に自信がある」という転職者の中には、「自分が言いたいことのみを滔々と話す方」がおられますが、先方が求めていない強みをいくら強調しても、面接官側は「求めているのはそういうことじゃないんだけど…」と鼻白んでいる可能性があります。

B:この候補者は何がしたいのか?(転職理由の確認=未来の確認)

Mさんは今回の転職理由を「自社の業績不振」と仰っていますが、それ以外の理由はありませんか?
いくつか志望する企業を絞り込んで書類選考に応募していると思うので、何か転職理由の「軸」をもとに企業を選定しているはず。その転職理由が、志望動機にもつながっているはずなのです。もしかすると、企業の希望要件と、現状お持ちのスキルとの間には多少乖離がある可能性があります。

乖離が大きい場合、Mさんは転職先企業ではおそらく即戦力にはなりません。にもかかわらず、なぜ面接に呼ばれているのか? そこをつかみきれていないのではないでしょうか。

Mさんが転職先に提供できるスキルや経験があるからこそ面接に呼ばれたはず。採用側もあなたに役立ってもらえる部分を見出しているはずで、その接点を明確にすることからはじめてみてはいかがでしょうか。例えば、「▲▲で応用できる経験は○○」と伝えたり、「最初は貢献できる▲▲のスキルを使って成果を出し、〇〇に貢献していけるようにしたい」等、今お考えのキャリアプランを話してみるのです。
また、「不足している▲▲のスキルについては、入社前までに自分でこんな社外研修を受講するつもりだ」等と熱意を伝えてみるのも良いでしょう。

キャリアが追い付いていない可能性があることを、ただやみくもに「やりたい」と言うだけでは、企業は採用したいと判断できません。応募先企業あるいは応募ポジションとご自身との間に少しでも接点を見い出していく姿勢、今後のキャリアプランをじっくり考えてみる姿勢が伝わることが大事なのです。

意欲を見せようとして「御社の教育研修体制が充実していることに惹かれました」とか、「御社にはどんなキャリアパスがありますか」等と質問して不採用になっている転職者はとても多いです。
ご自身のキャリアパスを会社に描いてもらうことを期待している転職者はNGです。何故なら、中途採用面接は【商取引】の場だからです。この商品(=Mさんご自身)はこういった価値をこのように御社に提供できますよ、と提案する場が面接なのですが、それを誤解されている方が思いのほか多いのでご注意ください。

なぜその会社、そのポジションに応募するのか? 過去に同類の経験のない転職者が企業と縁を結ぶためには、発想力や想像力が必要です。
例えば、「御社の商品やサービスをユーザーとして使っている。ほかのどの競合よりも●●が素晴らしい。そんなサービスを自分もこれまでの▲▲のスキルを使って提供したいと思う」というような、Mさんにしか発言できない独自の転職理由を伝えることができているでしょうか。
中途採用側は、多くの場合同業・同職種の経験者だけを求めているわけではありません。(同業・同職種の経験者だけを求めているなら、書類選考にそもそも通っていません)今、Mさんご自身が持っている武器=スキルでどう戦おうとしているか、もう一度具体的に考えを練り直してみてください。

C:オファーしたら本当にこの会社に来てくれるだろうか?(志望動機の確認)

ご自分の売り込みについては成功していても、もうひとつ失敗しやすい点があります。それは、勤務開始日や希望年収、他社の選考状況、現職を本当に辞めることができるのか、といった内容です。
勤務開始日の希望年収が大きく条件と乖離している場合、調整は難しいので不採用ジャッジになります。また、「実は第一志望が他にあるのでは?」「現職調整が難しそう」と感じさせてしまっても不採用判断になります。
「転職活動をするリスクを負うのだから今より●●万円くらい年収アップしなくては」と高すぎる年収を希望したり、時間稼ぎととられるような勤務開始日を希望してはいませんか? あるいは、実はあまり転職に意欲的でないととられかねない言動をしていないか、思い返してみましょう。

いかがでしょうか? 少しでも思い当たることがあれば、ぜひ改善していきましょう。

もし、これをお読みになって「より具体的に相談したい」とご希望される方がいらっしゃいましたら、Cinq編集部にお声掛けください。

それでは、またお目にかかりましょう!