ワークライフバランスって?
日本人は真面目で勤勉な性格が特徴ですが、それがゆえに「働きすぎ」が問題となり、ワーカーホリック(仕事中毒)状態の人が増加したり、プライベートを犠牲にしてしまうことで起こってしまった過労死問題などが話題になりました。そこで重要視されたのが『ワークライフバランス』です。キャリアを築く上では、生活と仕事のバランスが大事だということを示す言葉です。
『ワークライフバランス』といわれると、まるで生活と仕事が天秤にかけられているかのように、“ふたつのバランスを均等に保たなければいけない”と、思ってはいませんか? 実は、理想的なワークバランスは人によって違うものなのです。今回はその例をチェックしていきましょう。
女性は特に『キャリア志向』が分かれる
女性は男性と比べて、結婚・妊娠・出産などのライフイベントがあることから、今後のキャリアについて考える機会が多い生き物です。だからこそ、仕事に対する姿勢にも多様性があります。キャリアに対してどう考えて取り組んでいるのか、ここではよく大きく4つのタイプに分けてご紹介します。
仕事に充実を感じている『バリキャリ』タイプ
仕事を充実させることに重点を置くタイプの女性です。
働くことに意欲的で、また自分のキャリアに対してのプライドや自信も持っています。仕事を優先することが多く、家庭とのバランスにはやや悩みがちにある傾向も。何事も「自分から動く」という積極性がある分、完璧を目指しすぎるがゆえの苦悩もあります。
役割をしっかりと分けたい『ゆるキャリ』タイプ
働きながらもプライベートに充実を重要視する『ゆるキャリ』派。女性には最も多く当てはまるタイプです。仕事をキッチリこなすため、重宝される人材ではありますが、キャリアが長くなるにつれて責任が増えることに不安や不満を抱えやすくなります。家庭をしっかりとサポートしたいという理想のライフスタイルを持っている方に多いです。
調和しながら進めていく『調和』タイプ
人に認められることにやりがいを感じるタイプは、生活と仕事のバランスを均衡を保つことを理想とします。気遣いや気配りができるコミュニケーション対応力が高いことから、周囲からの評価もしっかりと受け、信頼されることも多いです。けれど、周囲の意見を聞く機会が多いからこそ、過度な心配をしたり、他人に迷惑をかけてしまうからと自ら退職を選ぶケースも。
理想を突き詰める『キャリアチェンジ』タイプ
仕事はもちろんのことプライベートに対しても、自分の中での充実指標を決めている人は、「今の職場が理想とする職場環境ではない」と判断したときに、転職や独立を考えるのが早いキャリアチェンジ型。決断力があって意欲も十分、それなりの経験も持っているけれど、行動してみないとわからないという不安も持ち合わせています。
「仕事:生活=5:5」が理想なワケじゃない
人の性格が違っているのと同じように、仕事に対する姿勢にも様々な違いがあることがわかるでしょうか? 姿勢が違うことで、理想とする『ワークライフバランス』も、当然に違ってくるものなのです。
「仕事と生活のバランス」といっても、このように仕事をどう捉えているかによって理想は変わっていきます。結婚後も変わらずバリバリ働いていきたい女性もいれば、仕事はほどほどにプライベートを充実させたいと思っている人も。仕事と生活のバランスが5:5であることが、理想のワークライフバランスだということではないのです。
「うまく両立ができない」という人はぜひ、自分がどのタイプで仕事をどう捉えているのか分析してみると良いでしょう。きっと自分にあったバランスが見つかるはずです。
また、「キャリア」という言葉は仕事や労働だけではなく、「人生そのもの」を意味する言葉です。人生はこの先も長く続くものだからこそ、やりがいや生きがいが重要な要素になっていくということです。
「全てを完璧に」や「均等に」といった目標を掲げるのではなく、自分が理想とする姿から、ワークライフバランスを考えていきましょう。仕事もプライベートもキャリアの中に含まれているものだと割り、自分で維持できるバランスを担保することが大切なのです。