今回のゲスト♡ 大井比紗子さん
「日常がときめくサシェ」をコンセプトにしたサシェブランド「ボタニックサシェ」を2014年に立ち上げる。
2015年6月ウェブマガジンNEXTWEEKENDの動画、記事監修。
2017年にはインドネシア、ジャカルタでワークショップを開催。
2018年雑誌&ROSY×大塚製薬開催のイベントでワークショップを担当。
その他、メディアに活動を取り上げられたりと幅広く活躍。
インタビューする人♡ 渡辺彩季
京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級などの資格を取得。
ウーマンダイアローグ#7 【ボタニックサシェ オーナー/大井比紗子さん】
渡辺:早速ですが、大井さんの現在のお仕事の内容を教えてください。
大井:私は、新卒からテレビ通販の会社で正社員として、平⽇⽉曜⽇から⾦曜⽇まで働いています。そして、本業とは別に2014年10⽉から、ネットショップ作成サービス「BASE」で「ボタニックサシェ」というブランドを開設してサシェの販売をスタートしました。
渡辺:え!? 平日は普通にOLさんなんですね。
大井:そうなんですよ。夜に家で商品を作ったり、週末にワークショップを開いたりしています。
渡辺:すごい、毎日忙しくされているのですね。
大井:それが、すごく楽しいんですよ。これからもどんどん展開していきたいです。会社員の仕事ではできない経験や新しい出会いもたくさんありました。今日は、私が「ボタニックサシェ」の活動を通して感じたことをお話しできればと思います。
「ボタニックサシェ」をはじめたきっかけ
渡辺:ネットショップ「ボタニックサシェ」をオープンするまでの経緯を教えてください。
大井:イタリアを旅⾏していた時に「サンタ・マリア・ノヴェッラ」という世界最古の薬局を訪れて、はじめてボタニックサシェに出会いました。とってもかわいくて、素敵だなと思い、⾃分でも作ってみることにしたんです。
渡辺:私も学生時代の友達とキャンドル教室の体験で作ったことがあります。カラーや香りを自分で選んで作ることができるから楽しいですよね。サシェのどこにお花を置こうか……すごく迷ったのを覚えています(笑)。
大井:少し変えるだけでも仕上がりが違ってきますよね︕私は独学で始めたのですが、⾃宅で成分の配合など実験を重ねて、製作していました。
渡辺:最初は趣味で作り始めたのですか?
大井:そうです!
渡辺:なぜ、そこからブランドをオープンしようと思ったのですか? きっかけを教えてください。
大井:ある⽇、近所のアンティークショップを訪れたときです。私はランチョンマットを購⼊したのですが、そこのオーナーの⼥性が商品のストーリーを丁寧に説明してくださったんですよね。「どんな場所で作られたのか」「どんな⼈たちが作ったのか」「どんな⼈が買い付けてきたのか」。
これらを教えてくださったことで、私はそのランションマットの背景を知ることができました。もし、あのときオーナーさんから話を聞いていなかったら、「普通のかわいいランチョンマット」として特に意識をせずに使っていたと思います。しかし、いろんな人たちが携わって近所のアンティークショップまで来たことを知り、私は愛着を持つようになりました。今でもそのランチョンマットを使うたびにオーナーさんから聞いたストーリーを思い出すんですよ。
渡辺:たしかに何も知らずに使うのとは、気持ちが違ってきますものね。
大井:そう! それで「物にはストーリーがある」「大切にしてほしい」という気持ちを込めて、私もブランドをはじめてみようと思ったんです。
実はネットショップって簡単にオープンできるんです!
大井:まずはネットショップから始めてみようと思って、「BASE」というネットショップ作成サービスに登録しました。無料でオープンさせることができるので、気軽に使えますよ。
渡辺:ネットショップ作成サービス! 確かに流⾏っていますよね。
大井:登録も5分くらいでできるので、販売したい商品さえあればその⽇のうちにショップを⽴ち上げることができます。今はフリマアプリなど便利なものがたくさん出ているから、どこで販売をするかを最初迷いました。私の場合は⻑期的に、ブランドとして売っていきたいという想いがあったので、イメージに合った販売⽅法ができる「BASE」を選びました。
渡辺:たしかに「ボタニックサシェ」のネットショップのページは、すごくおしゃれでブランディングされていますよね!
大井:それに最近では、ライブ配信を⾒て、気に⼊った商品をそのまま購⼊できるサービスも⼈気じゃないですか︖「BASE」は、そのような最先端の販売⽅法も取り⼊れているので、魅⼒を感じています。
渡辺:ネットショップも売り⽅を⼯夫して、ブランドの差別化ができるようになってきましたよね︕
大井:さらに「いろんな方に知ってもらいたい」ということで、Instagramでも情報発信をするようになりました。Instagramにアカウントを開設したら「次はワークショップをやってみよう」と、ボタニックサシェを通じて、活動の幅を広げています。
渡辺:スピード感はどんな感じだったのでしょうか?
大井:約1ヵ⽉くらいで、ネットショップのオープンからInstagram開設、ワークショップ実施まで……サクサク展開していきました。すぐにワークショップの会場探しもしましたね。よさそうなカフェを⾒つけて、⾃分で「ボタニックサシェを作っている者ですが、ここでワークショップをやらせてください」と直接営業しに⾏きました。
ハンドメイドの魅力は大きく2つ
渡辺:ハンドメイドの魅力は、なんだと思いますか?
大井:自分のなかでは2つあると思っていて……1つは全く同じというものがないこと。例えばサシェだと、リボンや色、花など、全く同じというものがないんですよね。材料に使うお花ひとつにしても少しずつ形やサイズが違っていて、組み合わせ次第でサシェ全体のイメージも変わってきます。なので、機械で作るのとは違いますよね。量産型のものは、少しでも違うと見切り品になったり、はじかれてしまったりということがあります。しかし、ハンドメイドのものは個々に違うのが当たり前なので、どれもきちんと商品になります。たとえ、どこかが欠けていても、それがまたいい味を出してくれるんです。
渡辺:たしかに世界にひとつだけしかないものって、自分だけの特別感がありますよね。
大井:2つめは、商品だけでなく作り⼿にもファンができるというところ。例えば、似ているボタニックサシェを作っている⼈が2⼈いたら、⼈柄や雰囲気でどちらから購⼊するか決めると思うんですよね。先程のランチョンマットの話もそうですが、同じようなデザインを探せば、もしかしたら他のお店でも⼿に⼊るかもしれない……でも私は、いろんなストーリーを話してくれた、そのお店のオーナーさんから買いたかったんですよね。そういった感じで、作り⼿のファンになるというのも、ハンドメイドの魅⼒だと思います。
渡辺:それ、すごく分かります! 私もお買い物をしていて「この人から買いたいな」と思うことが多々あります。
大井:そうなんですよ。だから、私は「ボタニックサシェ」の販売を始めるにあたって、私生活でも悪さをしないように……ではないですけど(笑)。やっぱりお客様から「いいな」と思ってもらえるような人間になろうと意識をするようになりました。これは、今まで口外していなかったのですが、心の中で決めていたことです。
渡辺:すごく素敵。自分自身を磨くことで、さらにいいものを作れる……。今その話を聞いただけでも「大井さんの製作するボタニックサシェ」に興味が沸きました。
「ボタニックサシェ」の活動を通してインドネシアへ
渡辺:ネットショップをはじめて、2018年10月で4年目! 情報発信も続けられているということですが、反響はいかがでしょうか?
大井:嬉しいことに、とても反響をいただいています。「ボタニックサシェ」のブランドをしていて、新たな⼈と⼈との繋がりができました。それが、すごくたのしくて。普通の会社員だけをしていたら出会えなかった⼈もいるし、今回の対談記事の出演も「ボタニックサシェ」の活動をしていたからじゃないですか︖このような出会いがとても嬉しいんです。
渡辺:「ボタニックサシェ」の活動をすることで、世界が広がったのですね。
大井:⼀番印象に残っているでいうと、「ボタニックサシェ」の活動をはじめてから、2回インドネシアを訪れました。1回はワークショップの開催、1回はクリエイターの⼈で集まるパーティーに参加するという⽬的で。
渡辺:海外進出もされたのですね。ちなみに英語やインドネシア語は話せるのですか︖
大井:……それが、話せないんですよ(笑)。表情やジェスチャーなど、雰囲気でコミュニケーションを取っていました。
渡辺:言葉が通じなくても好きなものが一緒なら、すぐに仲良くなれそうですものね! それにしても……行動力があって素敵ですね。
大井:そうですね。フットワークは軽いです♪ 現地での写真やパーティーのお土産もInstagramにアップしましたよ。
渡辺:そういう実況や報告を⾒れたら、ファンの⽅も楽しいですね。同じようにハンドメイドのショップを⽴ち上げたいという⽅にとっても夢を与えてくれますよね︕
“ときめき”の多い人生って幸せ!
渡辺:ブランドのトップページに「日常にときめきを」と大きく書かれているのが印象的ですが、大井さんが日常でときめくのは、どんな瞬間なのでしょう?
大井:私はときめきのハードルが低いみたいで……ちょっとしたことで、すぐにときめくんです。例えば、今日の取材に来る途中でおいしそうなケーキ屋さんを見つけたんですよ。それだけで、「帰りに買って帰ろう!」ってときめきました(笑)。ほかには、飼っている犬と過ごす時間や友達と話しているときも。だから、あえて「これ!」というものは特にないです。
渡辺:私もそうかもしれません。この前、幼馴染と一緒にマカロンを食べただけで「かわいいね」「おいしいね」「幸せだね」って……子供みたいにはしゃいでいました(笑)。でも、「小さなことに対してもときめきを持てる」ということは大事だと思います。その方が人生幸せだと思うから、感動できる心があるのはいいですね。
大井:幸せを感じることが、多ければ多いだけいいですよね。人生のなかでたくさんの幸せを見つけることができるので、その方が実り多いと思います!
サシェを通して、HAPPYな気持ちをアウトプットしていきたい
大井:私は、これからも「ボタニックサシェ」の活動をずっと続けていけたらいいなと思っています。私自身、サシェの販売をはじめてから、これまでにはなかった充実感を感じ、広い心を持つことができました。例えば、サシェを作っている時間も楽しいし、部屋に飾ってふわっといい香りがすると癒されるんですよ。だから、「心にゆとりを持って生活するとHAPPYですよ」というアウトプットの方法のひとつが、私の場合は「ボタニックサシェ」なのかなと思っています。サシェの販売を通して、私の考えを伝えていきたいです。
これは持論なのですが、サシェを飾ると素敵な空間が生まれるじゃないですか? 散らかっている部屋にサシェを置きたいとは思わない……。そうすると、私は部屋から自然と物が減ったんですよね。断捨離をすると同時に、捨てたものに対する意識も一緒になくなるじゃないですか。だから、⼼の整理ができた気がします。
渡辺:深いですね。私も割とファッションに関してはミニマリストです。ここ数年は量を買わなくなりました。そのかわり、自分好みのとびきりかわいいと思うものだけをワードローブに取り入れるようにしています。物を整理したり、持ち物をシンプルにしたりすることで、思考も変わりました。
大井:本当に好きなものだけに囲まれた暮らしっていいですよね。「ボタニックサシェ」の購入をきっかけに、ライフスタイルやマインドの部分でも、なにか「気付き」を得てもらえたら作り⼿としては嬉しいです。
「ボタニックサシェ」オフィシャルサイト
「ボタニックサシェ」Instagram
インタビューを終えて…
新しいことにどんどんチャレンジをしていて、前向きな大井さん。
ネットショップにInstagram、そしてワークショップ……本当に手広く活動をされていますが、ただがむしゃらにやっているという感じではなく、ひとつひとつが丁寧でぬかりない。仕事に対してはもちろん、人となりもすごく温かいのです。
取材当日も私や編集部に「よかったら……」と「ボタニックサシェ」をプレゼントしてくださいました。
細かいところまで気遣いができる素敵な女性だからこそ、自然と人が集まってくるのでしょうね。
プライベートがまるで、仕事の中に自然と溶け込んでいるような、不思議な感覚を覚えます。
「足るを知る者は富む」
小さなことにもときめきを感じることができたり、感謝の気持ちを持つことは本当に大切。幸せは連鎖反応を起こすので、自分が楽しく過ごしていると同じような考えを持った人たちとの出会いを引き寄せてくれます。大井さん自身もおっしゃっていたように、自分の人格を磨き続けるということも幸せへのメソッドではないでしょうか?
急成長を遂げている「ボタニックサシェ」。今度の展開が、ますます楽しみです!