【キャリアアドバイザーに聞いた】転職活動で必要な「企業を知る」基礎



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転職活動で必要なのは「自分を知ること」と「相手(企業)」を知ること

みなさま、おはようございます! キャリアアドバイザーAです。

Cinq読者の皆さんは、夏休みの計画はそろそろ立て終わった頃でしょうか?
夏のボーナスを当て込んでバカンスの予定を組んでいたものの、額面をみてショックを受け「転職しようかな……」と思い始めた方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。

派遣社員として働いていて、「出るならまだ良いほう。ボーナスなんて出ない!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

いずれにしても、「転職したい!」と思ったら、やらなければならないことは大きく分けて2つ。
それは「自分を知ること」と、「相手を知ること」。つまり、「自己分析」と「企業研究」です。

これまで、数回にわたって「自己分析」の方法についてお伝えしてきましたが、今回は、「企業研究の基礎の基礎」についてお伝えしていきたいと思います。

企業を「知る」ことによって、活用できるものは?

皆さん「企業研究」として思い浮かべるのはどんなことでしょうか?
企業のホームページを熟読すること?
Volkersが運営する「Openwork」(https://www.vorkers.com/ )や、エン・ジャパンが運営する「カイシャの評判」(https://en-hyouban.com/ ) こういったサイトで情報収集することでしょうか。

そもそも、何故転職するために【企業研究】が必要か、ご存知でしょうか?

「企業研究が必要な理由」。
それは、あなたが何故その企業に応募したいのか、その漠然とした気持ちを【志望動機】に変換するために情報収集するわけです。

「志望動機につながる企業情報を集める」、これが「企業研究」の目的になるということに気付いていただければと思います。

人材紹介会社を利用しているのであれば、その企業を提案してくれた、キャリアコンサルタントに話を聞くのも有用でしょう。
(※ただ、このコラムで繰り返しお伝えしていますが、人材紹介会社のキャリアコンサルタントはあなたにとって「良い会社」を紹介してくれるのではなく、キャリアコンサルタントにとって「入れやすい会社=良い会社」を紹介してくれていることを忘れないようにご注意を!)

本当に「使える」キャリアコンサルタントか、そうでないかを確認するのに一番良いのが「企業情報」についてちゃんと語ってくれる人かどうかだと思っていただいて良いと思います。

志望動機が明確になる情報収集とは

「企業研究」によって、自分の【志望動機】が明確になるような情報収集をすすめていきましょう。
ざっくりと、下記の5点を整理するのが効果的です。

●その企業の「主力商品」
●事業やサービス内容
●社員の人柄や企業文化
●経営者の人柄、能力
●経営姿勢、経営方針

このようなポイントで整理しながら情報収集していくと、自分が何故その企業を受けてみようと思ったのかが明確になっていきます。

ただし、この情報収集をする前の「自己分析」が甘いと、自分がどんなことに価値を見出していて、どんな仕事をしたいかが曖昧なまま企業研究をすすめることになってしまうので注意が必要です。

当たり前のことのようですが、これらの作業を仕事をしながら整理していくのは時間と根気が必要です。ひとりで行うのは正直とても大変。そのため、準備が不完全なまま企業面接の日を迎え、あえなく撃沈……という日々が続き、転職活動自体をやめてしまう人も出て来るのです。

そういう意味でも、人材紹介会社のキャリアコンサルタントにお世話になるというのは効果的かもしれませんね。

情報収集ができたら、具体的なエピソードを

情報収集ができたら、その情報に「具体的なエピソード」を盛り込むことができるのがベストです。
ある化粧品メーカーの美容部員のポジションに応募しようとした転職者が2人いました。
二人ともアパレル出身者ですが、Aさんはカジュアルウェア販売経験者。Bさんは高級婦人服の販売経験者です。
応募した化粧品メーカーは老舗で、おばあさん、お母さん、娘と三代続けて使っている、という根強いファンをもつような会社でした。
これまで対応してきた顧客層から考えると、Bさんの扱っている商品層に重なる部分が多いので、Bさんのほうが優位に思えました。

私は2人に同じアドバイスをしました。
「実際にお近くの店舗に行って、サンプルを貰って来てみてくださいね。」

Aさんは週末サンプルを貰いに行き、実際に店舗スタッフにアドバイスをしてもらいました。
Bさんは、時間的に余裕がなかったため店舗に足を運ぶことなく、面接の日を迎えました。

言うまでもなく、選考に通ったのはAさん。
Bさんは「弊社に対する明確な志望理由が感じられなかった」というフィードバックでした。
2人とも、机上の企業研究の部分まではそれほど差がなかったはずでしたが、実際に店舗に足を運んで美容部員と接し「自分ならどんな接客をしたいか」「これまでの自分の接客で足りないと感じたところをどう補おうと思ったか」まで具体的に話すことができたAさんに、人事が魅力を感じたのは無理もないことだと思いました。

どんなに忙しくても、本当に「行きたい」と思った会社の面接前には準備を万端にしたいと思うのが人の常ではないでしょうか。

そういう意味では、もしかしたらBさんは「自己分析」も「企業研究」もまだ曖昧な段階で、Aさんに比較したら「ここに入りたい!」という熱意が醸成される前に、面接の日を迎えてしまったのかもしれません。もっというと、その化粧品会社は、Bさんが「ここに入りたい!」と思う会社ではなかったのかもしれません。

今回、「企業研究の基礎の基礎」というテーマでお伝えしてきましたが、「自己分析」という土台のつくりが甘いと、その上に「企業研究」を重ねても難しいことはお伝えできたでしょうか。

また、どんなにネット上で「企業研究」を重ねても、その上にプラスα「自分の言葉・自分の実体験」を加えられなければ「採用」への一押しにはなりにくい。ということもご理解いただけていると嬉しいです。

それでは、またお目にかかりましょう!

キャリアアドバイザーA