残業をしなければ得をする?浮いた残業代の使い道とは



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残業代があるから生活ができていた

長時間労働の是正が大きな焦点となっている働き方改革。
多くの会社が、働く時間を制限するために、早く帰るように促す取り組みが進んでいます。上司から指摘して帰らせたり、21時を過ぎると自動的にパソコンが立ち上がらなくなる会社もあります。

しかし、それを不満に思う人も中にはいます。
「残業代があるから生活できていた」といった声もあるのです。賛否両論な状態の中、会社は強制的にストップをかけて、浮かせた残業代を一体どこへ使うのでしょう?

“残業代ありき”の生活を強いられている労働環境を変える仕組みを作った企業をご紹介します。

残業が少ない人ほど、得をする仕組み

浮いた残業代があるのにも関わらず、何もしない状態を続けることは、ただ会社の利益となるのみ。会社が決められた時間に自動消灯してしまうからと、外や家に仕事を持ち帰る社員も少なくはありません。

これでは、働き手が不満を持つのは当然。そこで、今から紹介する2つの企業は残業代を支援・還元するという形で取り組んでいます。

支援

「サントリーホールディングス」では、がんにかかったグループ社員に対し、健康保険が適用されない重粒子線治療などのがん先進医療の費用を支援する方針を発表しました。今は働く世代で3人に1人ががんを患っているようで、保険ではカバーされない部分を支援することで、会社にとって最も貴重な資源(社員)を残すことに繋げています。

国内企業では斬新な取り組みで注目を集めています。このような大手企業の動向は、今後もチェックしておくべきでしょう。

還元

広島を中心に展開するスーパーマーケット「FRESTA(フレスタ)」では、残業時間が少ない社員にはボーナスを増やす仕組みを導入しました。3ヵ月の期間で、残業を2時間以内におさめた場合には、なんと20万円もの上積みが。

残業しないほど、還元されるのであれば、社員自ら稼働時間内で工夫をするようになる。会社全体の生産性がアップするというメリットが生まれます。

このように、残業をしないことで誰かの支援が出来ている・自分へ還元されることができれば、組織と社員が一丸となって取り組むことができ、残業時間を減らすことができます。

時間は貴重であること認識し直す

残業代に頼らない働き方ができれば、子育てに時間をかけられたり、自分磨きとして習い事が始められたり、副業が始められる、などといったメリットはたくさんあります。しかし現状は、基本給が少ないことから、残業代に依存するしかないといった社員は多いもの。

時間はお金よりも貴重なもの。とはいえ、ある程度余裕がなければ厳しい話です。
多様な社員のニーズに応えつつ、会社の生産性も向上させるためには、「残業なんてしても良いことないんだよ」と理解してもらえるような施策を組織が根付かせること。これが今最も、必要な課題だと言えるでしょう。

今一度、浮いた残業代の使い道を考え直して欲しいものです。