#自分らしくはたらく 【遊びプロデューサー「内田あゆみ」】



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「遊びを仕事にできたらどんなにいいか…。」
こんな風に考えたことがある。今回は「遊びを仕事に」を実践している、まるで夢のような職業『遊びプロデューサー』という肩書きを持つ、謎の多い彼女にインタビューを決行。ベールに包まれたその仕事について詳しく話を聞いた。

遊びを仕事にってどんな感覚…?!

遊びプロデューサーって一体どんな仕事?

遊びのリアル体験投稿メディア『PLAYLIFE』という会社で働いています。遊びプロデューサーの内田あゆみです。遊びプロデューサーとは、簡単に言うとデートや女子会など、全ての遊びをプロデュースする仕事です。もちろんテーマは幅広いんですが、最近は地方の観光地など、まだ人にあまり知られていないようなマイナーな場所を見つけて、そのスポットの魅力や楽しみ方を発信しています。

【PLAYLIFE】
日本全国150名以上の遊びのプロと呼ばれる「プランナー」と、月間300万人の⼀般の遊び好きユーザーが⽇常の「遊び⽅」を共有している遊びノウハウプラットフォーム
https://play-life.jp/

毎月どれくらい遊びに行くの?

回るスポットは月によって違うんですけど、だいたい1ヶ月に30〜40ヶ所くらいですね。

1日1スポット以上! 普段のお仕事はどんな感じなの?

撮影以外は曜日でスケジュールを分けることが多いですね。撮影が入っていない週だとすると、月曜日がSNSの更新をメインに、火曜から木曜日は営業や企画づくり、金曜日はリモートワークデーと決まっているので、外に出て情報収集や勉強をしてるって感じです。

「遊びプロデューサー」という肩書きはどこから?

私が入社したのは、去年(2017年)の春だったんですけど、その頃はPLAY LIFEの社員が、社長とエンジニアの2人しか居なかったので、私が3人目の社員になったんです。その時いきなり社長に「お前は遊びプロデューサーだ!」って言われたのが始まりでしたね(笑)。

大学2年生の頃からプランナーやインターンとして入っていて、記事制作は行っていたんですけど…。大学卒業後は1番初めにご縁があったインターネット広告代理店の会社に入社しました。
クリエイティブ職だったので、自分が作ったモノが世の中に出ることにやりがいを感じていたのですが、どこかでこのままで良いのかと疑問を抱くようになりました。
そのうち「私が好きなことってなんだっけ?」って考えるようになり、幼少期の頃からPCが大好きで、小・中学生の頃にオリジナルのHPを作ったり、ブログやSNSを始めたり…と。
そして将来のことも考えた時に「昔住んでた海外で働きたい!」「インバウンドやアウトバウンドのお仕事がしたい!」とも強く思うようになり、PLAYLIFEの社長に半年くらいかけて説得をして入社しました。

すごい熱量! 実際にやってみてどう?

正直、遊びを仕事にするのも大変なことはたくさんあります!(笑)
やっぱり情報収集が一番難しいかもしれない。時間や移動の管理はなんだかんだ上手くいくけど、やっぱり『最新』とか『誰でも楽しめる』とか、良い情報のネタ集めって難しいですよね…。
インターネットを通じても、情報ってたくさん溢れてるので、良いものとか、最新の情報を発信し続けるって、かなりの稼働率が必要になる。だけど、誰かに最新のスポットを取られるのは正直悔しいし…。

穴場スポットとかに関しては、本や雑誌からも探しますけど、いちばん使ってる情報源はリアルな口コミですね。
最近できた気になるカフェとか、のんびりできる場所とか。割と六本木のOLとかに聞いたりするとポンポンって出てくる。実際に行った感想をもとに記事化するのが間違いないですね。こういう人はこういう場所に行くんだっていうリサーチにもなります。

情報を届けるためには、誰に、どう伝えるかが大切

実体験メディアだからこそ、リアルが大事ってことですよね。じゃあ自分が情報を伝える時は?

自分の友達の中から「この子に伝えよう!」っていうターゲットを決めて毎回文章を考えてます。ターゲットはやっぱりスポットごとに違うし、クライアントさんから指定されることもあります。年齢によって行く場所も違うからこそ、伝えたい人に合わせた伝え方を意識するように。

もし自分の周りに居ない場合には妄想で(笑)。時にはなりきることも必要かなって。私は小説を読むのが好きなんですけど、登場人物にどんどん感情移入していくので、そういうところも利用しています。

なるほど、伝え方って大事ですよね。じゃあ月曜日のSNS運用については、どんな発信をしているの?

SNSは結構分けていますね。
Twitterは3つ運用しています。ひとつはPLAY LIFEの公式アカウントで、すでにサイトを見てくれている人向けに新しいコンテンツとか、オススメの記事を発信するもの。もうひとつは、私のプライベートを含んだ、自分のファンの方に向けた発信。最後のひとつはB(ビジネス)向けで、成功した事例などを発信したり、情報収集するためのアカウントとして使っています。

Twitterアカウント

バリバリのIT女子…ですね! その使い分けの意味は?

前は個人アカウントで、全部をごちゃ混ぜに発信していたんですけど、フォロワーさんが実際に、自分の何が見たいのか、何を知りたいって思ってるのかが気になって、アンケートをとってみたんです。
「私のどんな発信が見たいですか?」って。プライベートのこと、仕事について、ウェブマーケティングなど。そうしたら、返答がかなり分散されていることに気がつきました。だからこそごちゃごちゃにするんじゃなく、伝えたい内容ごとに、発信する場所を変えないといけないな、って。実際にアカウントを分けてからは、見る目も変わったのか、仕事向けの連絡がDM(ダイレクトメッセージ)から届くようにもなりました。フォロワーさんからおススメのスポットを教えてもらえたり。届く情報の質も変わったように感じます。

ファンづくりのためには、誰かのためになる情報も取り入れること

なるほど。配信する情報を分けることで、コミュニケーションの質が変わるんですね。プライベートのこともたくさん配信していますが、ファンづくりのために気をつけていることってありますか?

私のプライベートのアカウントのフォロワーさんは男性がめちゃくちゃ多いんです。若くて活動的な女子を応援したい! みたいな人ももちろん多いと思うんですけど…。「デートの参考にオススメの場所を教えてください」って直接質問を受けることも多いですね。

それはデート向けのスポットをたくさん記事にしてきたっていうのもあるんですが、それだけじゃなくて女性としての意見を入れたテクニックみたいなものも文章の中に混ぜていたからだと思うんです。

場所に合わせた会話術だったり、そのスポットならではの巡り方(抜け道とか)、楽しむコツとか色々なんですけど。デート慣れしていない人や、初めて行く場所でも楽しめるように、記事にするっていうのは、インターンの頃からこだわってきました。だからこそ質問をいただくことが多くなったんだと思います。私が「○○県に行きます!」って言った時に、オススメのスポットを気軽に教えてくれる人も居ますね。やっぱり一番身近な感じがするんでしょうね。

インターネット上だからこそ、親近感って大切ですね。「遊びを仕事に」はもちろん仕事にもプライベート入れ込んでいるわけですが、その境界線って一体どこになるんですか?

そこが結構難しいところですね…。撮影も全部自分たちでやってるので、仕事とプライベートの境目は正直わかりづらいかもしれません。

だけど、一番大きいのは記事にするかしないか、かな。記事にするとなると、誰に伝えるかを考えて、「じゃあここも行こう!」「あ、やっぱりあそこも!」って行き先も変わりますし。記事にする時の書き方も何となく意識しますからね。Google Mapにいっぱいピンを立てて、ルートを考えたり(笑)

遊びは、行動範囲に関係なく見つけられる

なるほど…! 情報を届けたい相手やスポットの選び方、ルートまで考え始めたら仕事になるわけですね。じゃあ、完全のプライベートはどうしているの?

週に1日は自宅でのんびりする時間を作ります。遊ぶことはもちろん大好きですけど、1日家で映画を観たり、ネットサーフィンを永遠とし続けることも好きです。インドアの時間もあるからこそ、遊びを楽しめるって思ってます。

休日出かけるとしたら、最近は家の近くを散策するくらいですね。例えば自宅から2駅先の場所をノープランでぶらぶらしてみるとか。意外と発見が多かったりして、気分転換になりますね。

確かに、近場こそ意外と知らないお店や発見があるかもしれないですね。じゃあ遊び疲れをした時はどうやって過ごす?

今日疲れたなーとか、ちょっと落ち込んだ時とかは、自分の好きなことにめちゃくちゃ集中します。私、めちゃくちゃアイドルオタクなんですよ(笑)
アイドルって、挫折とかも経験しながら輝いていくストーリーがすごく見えるじゃないですか。ただキラキラしてるだけじゃなくて、足跡を見ているのも好きなんです。応援したい気持ちになると同時に「私も頑張ろう!」ってなる。あとは映画や読書かな。好きなものがハッキリしてるから、自分を持ち上げる術も持ってます。これって大事ですよね。

自分の機嫌を自分でとるって、女性には特に大事な気がしますね。では自分で何かをやりたい、今の自分を変えたいと悩んでいる人にアドバイスするとしたら?

転職を決意した時に、改めて大事だと思ったのはやっぱり自己分析ですね。何が楽しかったのか、何が好きなのか、なにで成功したのか。改めて振り返って考えてみて欲しいです。

私の場合はそれが、発信することでした。
幼少期から海外で育って、日本のテレビはNHKくらい。インターネット環境も整っていない環境だったので、遊ぶスポットは全て自分の足で歩いて探していました。それを人に伝えて「ありがとう!」と言われたり、話題になったり、そういった経験が今に全部繋がってきています。
今の環境では、人に伝える手段もたくさんあるので、これからもっとインバウンドはもちろんアウトバウンドを強めていきたいですね。日本で蓄えた遊びの経験を、世界でもたくさん発信したり、世界の魅力をもっと知っていきたいです。

ありがとうございました

終わりに

その場で感じた気持ちや魅力を自分なりの言葉で生きたまま発信を続けること。
彼女のストレートな性格と探究心が、訪れる地の魅力をさらに輝かせている。インターネットが発達している時代だからこそ、リアルの追求も決して忘れない。

いつからかよく耳にするようになった「好きを仕事に」という言葉。
これに多少の違和感を感じる人はきっと多かれ少なかれいるはず。けれど、どんな仕事であっても、着実なひとつひとつの努力の積み重ねがあるからこそ、こうした職業に結びついているに違いないのだ。

好きという感情の全てを仕事に費やさなくてもいい。
楽しいと感じるエッセンスを、仕事の中に見つけていくことが、私たちに今必要なことなのだ。(Cinq編集部)