副業するならどの仕事をする? 全国1万人に副業に関する意識を調査



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政府は「働き方改革実行計画」などを踏まえ、副業(・兼業)の普及・促進を図っていますが、どれだけの人が副業を行っており、多種多様な活動の中から何を選んでいるのでしょうか?

そこで、株式会社インテージリサーチは「副業に関する意識調査」を実施しました。全国の16~79歳の職に就く男女1万1217人を対象にしたインターネット調査で、副業への意識を伺いました。

副業で約1割がすでに副収入を得ている

「副業や副収入を得ることを意識した活動」の実施状況を聞いたところ、10.7%の人が副業により副収入を得ていると回答しています。その内訳は、「ある程度決まった額の副収入が得られる副業をしている」が4.1%、「収入は安定していないが、副収入が得られる副業をしている」が6.6%でした。

また、「副収入は得ていないが、副業を意識した活動をしている」人は3.3%、「副業は行っていないが、今後何かしてみたいと思っている」人は30.5%。これらの計33.8%が、「副業や副収入を得ることを意識した活動」に関心を持っている層だといえます。

女性はクリエイティブ系に関心がある

性別・年代により、実際に行っている副業の内容が異なる傾向にあることが今回の調査で明らかになりました。

男性の全年代で「株式や金融商品、仮想通貨等に投資」が10%を超え、特に30~49歳では12.9%と高くなっています。一方、女性は全年代で「アンケートモニターやポイントサイト、レビューへの参加」「ハンドメイド商品などを作ること」が高くなっています。これらの副業は、幅広い年代の人が取り組むことができる活動だと言えそうです。

副業や副収入を得る活動のうち、今後してみたいものとは

また、「今後してみたい副業」にも男女で傾向の差が見られました。男性の20~39歳では「株式や金融商品、仮想通貨等に投資」が2割を超え、特に高くなっています。さらに男性ならではの傾向として、50歳以上の年代で高くなっている「人に何かを教えたり、コンサルティングすること」が挙げられ、経験やスキルを生かす活動への関心の高さが明らかになりました。
一方、女性は全年代で、「アンケートモニターやポイントサイト、レビューへの参加」が最も高くなりました。そのほかの特徴として、10・20歳代で高い「記事を書くこと」があります。「ハンドメイド商品などを作ること」も含め、女性は創作的な活動への関心がうかがえます。

「将来の収入への不安」が副業の動機に

副業や副収入を得る活動を行う理由や、関心がある理由として、最も多く挙げられたのは「主業の収入だけでは物足りないため」の42.1%でした。
性別に見ると、男性は「将来的に収入を得られるようなスキルを得たり、本業として取り組みたいため」「ニュース等を見てビジネスチャンスがありそうだと思ったため」が女性よりも高く、「ビジネスや副収入として」意識した上で行う傾向がより強くなっているのに対し、女性は「気軽に行えること」が動機となっているようです。

就業先の規模別でも違いがある

就業の規模別で見てみると「将来の生活費等が不安なため」という回答が、「主業の収入だけでは物足りないため」に次いで高くなっていることです。この回答は従業員数1,000人以上の企業に勤める人で46.6%とより高い傾向にあり、大企業に勤める人であっても、将来の生活費などの経済的な不安を感じており、副業や副収入を得る活動を行う動機の一つとなっていることがうかがえます。

まとめ

今回の調査で分かったことは、男女や年代による意識の違いを踏まえた政策的支援を行うことが効果的だと考えられます。

また、副業を行う理由や動機の一つに、「将来の生活への不安」が勤務先の規模が大きい人ほど、この点を理由として挙げているので、どの企業で働いていたとしても、将来に対する不安を抱えています。こうした危機感や問題意識が今後、副業が拡大していく上でのキーワードの一つとなると予想されます。

副業が当たり前という時代になれば、いま以上に多様な価値観を持つ人たちが共に働くことになると考えられます。複数ある雇用・就労先との関わり方など、個人の働き方における「軸足」の置き方だけでなく、ワーク・ライフ・バランスに関する考え方なども異なるでしょう。社会全体で、こうした多様性を受け入れる措置が今後は必要になりそうです。