7年の一人暮らし経験を経て学んだ生活することの基盤と考え方|MY WORK ヒント#66



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生活する基盤を作る経験

今回は、少し角度を変えて「一人暮らし経験」から学んだことをお話したいと思います。私は、大学卒業後から約7年間一人暮らしを経験しました。その間、3回の引っ越しをしており、そのうち一回は地元の愛知県から東京都に上京。その間、同棲経験はなく結婚を決めるまでは一人暮らしを崩さないというマイルールの元過ごしてきました。

一人暮らしをしようと思った理由は色々ありますが、最終的に振り返ってみて今思うことは、本当にいろんなことを気づかせてくれた、学ばせてもらえたと心から思っています。もちろん、これらの経験はこの連載のメインテーマである「女性の働き方」にも繋がります。

そこで今回は、「一人暮らし経験」から得た考えをご紹介します。

180度変わった、家族の見方

まず一番大きかったことは、父親への接し方が大きく変わったことです。どちらかと言うと私は父親とよく遊ぶ幼少期だったので、感謝や尊敬と言う言葉よりは、いろんなことを教えてくれる存在。

ごく普通の会社員の父親は、地方の田舎ではあるけれど、一軒家を建て自分の土地を持ち、車を所有し、毎日朝早くから出勤し夜遅くに帰る日々を繰り返しながら4人家族を支えてくれました。

この凄みに気づいたのは、恥ずかしながら大学を卒業後の初めて一人暮らしをした時でした。今までは電気を付けっ放し、シャワーを長時間流すなども何も考えていなかった私ですが、物件を借りて家賃を支払い、住宅の保険、光熱費、食費などの「家計のやりくり」に直面した時に、自分の甘さに気づいたのです。

また、実家には自分が買ってこなくてもトイレットペーパーが設置され、冷蔵庫を開ければいつも何か食べ物が入っている、洗面所にタオルを置いておけば洗っておいてある生活も、当然ながら一人暮らしでは自分が用意しなければ何もありません。

実家のスーパーや薬局は歩いて行ける距離にはなく、いつも仕事から帰ってきた父親が母親を車に乗せて買い物に行っていた日々や、自分の時間より家族を支えることに注力していた父親の見方は本当に180度変わりました。

一人で越えなければいけない壁

もちろん、「絶対一人暮らしをしないといけない」とは思いません。実家暮らしの方も、同棲している方も、ルームシェアをしている方もそれぞれの生き方を尊敬します。

しかし、特に自分がフリーランスだったこともあり、生活の基盤を作る裏側を知るには「一人暮らし経験」が大きな影響がありました。物件を決めるにしても、フリーランスだと審査が通りにくく、「個人事業主さんは、この物件は難しいですね…」と、内覧をさせてもらうまでたどり着けずに電話でお断りをもらうことも。「一生懸命頑張って働いているのに、なぜ認めてもらえないの?」「雇用形態の違い?」「信用を得るにはどうしたら良いの?」など、自分の身分や立場で悔しい想いをすることは、強さを作る基盤になったと今でも思います。

また、体調管理をするために自炊を取り入れることも学びの場でした。実家暮らしの時は、体調を崩したらおかゆを作ってくれたり薬局で薬を買ってくれたりする母親がいましたが、一人暮らしではそうもいきません。風邪薬を買いに行くのも、病院に行くのも、飲み物を買いに行くのも、体調が悪い自分が動かなければ解決できません。長らく休んでいるわけにもいかない!と、気を引き締めることも時として必要なのです。

仕事とは少しズレた話題かもしれませんが、「男性依存」を防ぐにも役立つと思います。彼氏がいないと拠り所がない、本当は別れたいけれど同棲を解消することができない、一人で物件周りの契約をしたことがない……と悩む女性も少なくありません。それらの根本的な理由は、「一人で生きることへの不安」からきていることが多いです。

“いつも誰かがそばにいる”と言う感覚から、まずは一人で立ってみる。これがメンタルを強くする一歩だと思います。

“ありがたさ”を浮き彫りにさせてくれる

もし、実家を離れたことがなくて、今の自分の足りない部分が知りたい、もう一踏ん張りしてみたいと感じるならば「一人暮らし」をぜひ経験してみてはいかがでしょうか。

おそらく、恋愛でパートナーに対しての考え方や、両親へのありがたみ、お金を稼ぐことへの尊さ、社会の立場を与えてくれる喜び……など、さまざまなことに感謝することができると思います。