「夢の準備はいつはじめてもいい」|#つくるを選ぶ 【起業家 咲嬉(さき)】

「夢の準備はいつはじめてもいい」|#つくるを選ぶ 【起業家 咲嬉(さき)】

15歳から芸能界という世界で活躍してきた咲嬉さん(旧:瀬戸早妃)が、会社を設立し、アパレル・セレクトショップ「mon trésor」を立ち上げました。コンセプトは“身につけることによって人生がより華やかに、心が前向きになれるお洋服”。その着想とブランドに込めた思いを聞きました。


その日の予定に合わせた「おめかし」を楽しみたい

咲嬉(さ き)

宮城県仙台市出身。瀬戸早妃の名義にて、2003年に講談社「ミス週刊少年マガジン」を受賞。主なドラマ代表作は、「水戸黄門」「花より男子 シリーズ」「花咲舞が黙ってない!」「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」「リーガルV」等。その他に、映画や舞台などの多方面でも活躍。2018年8月に株式会社プリエーヴを設立。代表取締役社長として、レディース・アパレルの通信販売、セレクトショップ『mon trèsor (モントレゾール)』を運営。女優・女性起業家として幅広く活動している。

咲嬉さんは、女優というイメージが強いのですが、アパレル・セレクトショップを立ち上げたのにはどういった経緯があったのでしょうか?

芸能のお仕事は、学生である15歳の頃からさせていただいておりました。テレビでも、舞台でも、オファーを頂くこともありましたが、オーディションを受けることも沢山あり、空いた時間にはレッスンに通う。自分発信で仕事をゼロから作り出すわけではなく、常に「選ばれる」側であった自覚があります。もちろんオーディションに落ちることもたくさん。お仕事が決まるまでの時間は、全て勉強やレッスンなどの自分磨きに費やしていました。

けれど、年齢と共に「本当にこのままでいいのか?」という疑問を持って苦しんだ時期もありました。一度きりの人生なのに、お仕事が決まるまでの時間を、このまま終わらせていいのだろうか? モヤモヤした気持ちを、どうにかしたいと考えていた時に、自発的に何か生み出していきたいと思うようになり、お洋服の世界に興味を持ちました。

私は20歳の頃から、いわゆる“舞台オタク”。
自分自身が舞台に立つことももちろんあるのですが、21歳の時にはニューヨークへ留学をし、本場のブロードウェイミュージカルへ現地で何度も足を運び、様々な作品を観劇してきました。今でも宝塚歌劇団をはじめとし、歌舞伎など、ジャンルを問わずさまざまな舞台を観に行きます。

観劇に行くときは、舞台の演目に合わせたファッションや小物を意識して選びます。例えば舞台設定がフランスであれば、トリコロールカラーの小物やお洋服など……。シーンとファッションを組み合わせてその日のお洋服を選ぶのが密かな楽しみでした。そういった自分自身の「体験」から、毎日がよりハッピーになれる「おめかし」をセレクトしたいと考えるようになりました。

アパレル・セレクトショップをつくるという構想はいつごろからあったのでしょうか?

真剣に考え始めたのは、4〜5年前からです。
会社として登記したのは昨年(2018年)の8月だったのですが、その1年半ほど前は、個人事業主としてECショップを運営していました。これまでに経営学を学んだこともなかったので、独学でやっていくのであればとにかく勉強が必要だと。ビジネス書を読み漁って、ビジネスマン向けのセミナーやイベントに行ったり、その業界の専門家に相談したり。物流の仕組みや、お客様とのやりとり、梱包方法や発送料金など、わからないことをひとつひとつ解決するように学びと実践をひたすら繰り返していました。リサーチ期間は2〜3年ありました。

個人事業主から法人化へ決めたのには、きっかけがあったのでしょうか?

今後を見据えて、法人化にすることを決めました。今は各分野によってで、お手伝いをしてくれている方々と一緒に仕事をしているのですが、今後は会社として、雇用を生み出していきたいとも考えています。また、女優業の片手間や趣味の延長でファッションに関わっていくのではなく、仕事として一本の柱を建てたい、と本気度を表すための起業でもありました。

ショップ名である「mon trésor」の由来やコンセプトを教えてください

mon trésor HP

mon trésor(モントレゾール)の「mon」はフランス語の冠詞で、英語でいう「The」という意味を含んでいます。そしてそのあとの「trésor」は英語の「Treasure(宝物)」からインスパイアされました。商品が届いた時に、宝箱を開くときのような“ときめき”を感じて欲しいという気持ちを込めています。
日本国内や、世界中から良いなと思ったものを輸入している、「セレクトショップ」なのですが、いつかはオリジナルのアイテムやプライベートブランドをつくることも目標にしています。

コンセプトは“身につけることによって人生がより華やかに、心が前向きになれるお洋服”です。ただ着るだけじゃなく、mon trésorのお洋服を身につけることによって、楽しみや目標、夢のお手伝いができるようなファッションの力を感じていただければと考えています。
デートを控えている日や、憧れの人と会うとき、落ち込んでいるときも、ファッションの力を借りて、心が満ちていく。そういった「気持ち」に作用するアイテムとして、デザイン性や素材にこだわったものを取り揃えています。

ECサイトでの販売を決めたのは、理由があるのでしょうか?

社会貢献にもなっている企業やお仕事は、自分にとってはとても憧れであり、どこか遠いイメージでした。しかし、インターネットでお洋服を販売できる、店舗を持たずに営業ができるというチャレンジのしやすさはとても大きかったと思います。
大人と呼ばれる年齢になってからも、どこか一般的な「社会人」としてのあり方に距離感を感じていたのですが、芸能界という枠から出た時に「自分になにができるか?」を考えても、それまでは想像ができなかった社会との距離を近づけてくれたのが、インターネットでした。

芸能生活での経験を、今の会社にも活かされていると思うことはありますか? 印象的なエピソードがあったら教えてください

17年間の芸能生活で学んだことが、すべて今に繋がっている実感があります。大好きなミュージカルを原語で学んだり楽しみたいという思いから、ニューヨークでの留学時には必死で英語を習得しました。現在、海外との取引(現地訪問、および国際電話やメール)を全て英語で行なっているのですが、そんなことが出来るようになったのも、過去の経験のお陰だと思っています。
また、メディアの力やSNSの力が大きいことも自覚しています。味方になればとても強い反面、コメント欄に書き込まれた文字を見て落ち込むことも幾度となくありました。人とのコミュニケーションに慎重になりすぎてしまったり、気持ちが揺らぐこともありましたが、私自身のことは地球規模で考えればちっぽけなことだと、以前よりは気持ちを切り替えることも上手になったのではないかと思います。

端的に捉えられることもあるインターネット上でのコミュニケーション、とても難しいですよね。

そうですね。けれど、インターネット上でも、人間ドラマがあると実感した出来事もあります。

ECサイトを立ち上げる前に、インターネットサイトを使ってハンドメイドのアイテムなどを販売していました。ハンドメイドに必要な資材調達から始まり、製作や出品作業、そして販売や梱包など、販売元からお客様へどのようにして商品が届くのかという基本的な物流を学び、お客様から頂いた評価からも多くを学びました。
中には、梱包はしっかりとしたハズなのに、届いた時には形が崩れていた、というような予期せぬアクシデントが起きたケースもありました。
誠意をもって謝罪し対応させて頂いたところ、なんとその方から後日感謝のお手紙が届きました。思いがけないお気持ちに大感動し、インターネット上でも、誠意や感謝はしっかりと伝わるものなのだと改めて実感しました。

「夢を叶えるための準備」があるから、経歴にこだわらなくなった

咲嬉さんは、5月15日に「瀬戸早妃」から改名されていますよね。これには理由があったのでしょうか?

実は、芸能界を始めてから幾度となく「画数が良くないから、名前を変えたほうがいい」と言われていました。新元号に変わるということもあり、心機一転、以前から気になっていた姓名判断を受けてみようと思ったのが理由です。
これまでは、「瀬戸早妃」という名義で芸能のお仕事をしてきたので、名前を変更することで、実績を消してしまうのではないか、という気持ちになっていました。けれど今は、株式会社プリエーヴの代表という柱が一つできたので、芸能「瀬戸早妃」という経歴だけにこだわり続けなくても良いのでは、と改名することに決めました。

ちなみに、株式会社プリエーヴという社名の由来はどこからだったのでしょう?

「プリエ」はバレエにおいて、欠かせない動作です。両脚を外旋させ、膝を曲げ伸ばす動きをそう呼ぶのですが、ターンをする前の準備にもプリエは必要になります。そして、「レーヴ」はフランス語で「夢」を差します。夢を叶えるための前準備、夢のお手伝いをするためにという意味を込めて、「プリエーヴ」という造語を作りました。

「夢を叶える前の準備」が社名だなんて、素敵ですね。改名のあと、結婚発表がありましたが、環境の変化によって変わったことはありますか?

真面目な表情から一転、「ありがとうございます!」と、とっても嬉しそうにはにかむ咲嬉さんの表情に、編集部一同ときめきが止まりませんでした…!

これまで芸能界では「自分ファースト」な考えで生きてきたと思っています。逆に、自分ファーストでなければここまでやってこれなかった、とも。

けれど、今後は仕事でもプライベートでも、最後まで諦めず「相手ファースト」で人と向き合っていきたいです。お互いに「相手を思いやる精神」でいることが大切ですよね。

咲嬉さんにとっての「夢」は一体なんでしょうか?

私にとっての夢は、穏やかで幸せな毎日です。そしてそれは自分だけではなく、みんなが笑顔でいることが、本当の幸せだと思っています。プリエーヴや女優業を通して、そんな幸せの輪が広がるように、何事にも全力で取り組んでいきます。

舞台出演情報

【ママの恋人】

今回取材に応じてくださった咲嬉さんの舞台情報が届きました!

ミュージカル座公演「ママの恋人」

出演:咲嬉(主演)

宮島里奈・番場愛理 他


2019年8月7日(水)~8月12日(月)
※全8回公演

会場:中目黒キンケロ・シアター



チケット料金(全席指定・税込)6000円

(チケット発売は6月下旬を予定)


脚本:ハマナカトオル/演出:会川彩子/音楽:久田菜美

演出助手:福田奈実/制作:金澤まみ

プロデューサー:竹本敏彰・中本吉成/エグゼクティブ・プロデューサー:ハマナカトオル

企画・製作・主催:ミュージカル座

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Cinq(サンク)-よくばり女子のはたらきかた-

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