「探していたのは“使命”」#つくるを選ぶ【アロマ講師 齋藤れいこ】

「探していたのは“使命”」#つくるを選ぶ【アロマ講師 齋藤れいこ】

アロマスクールの開講、そして企業向けのアロマケア講師を務めるなど、幅広い活躍を見せる齋藤れいこさん。彼女がアロマを始めたきっかけから、今のキャリアを築くまで、そして仕事をする上で大切にしていることについてインタビューしました。まるで物語を聞いているかのような経験談には驚くばかり。


「なんとなく」の心地よさを作るのがアロマの力

齋藤れいこ
認定アロマスクールや企業メンタルヘルスアロマケア講師を務める。アロマテラピースクールを主催する傍ら、初心者向けアロマ1DAYレッスンやアロマサークル、アロマコラムの執筆なども手がける。

早速ですが、現在のお仕事について教えてください

社団法人日本アロマ環境協会から認定を受けた、アロマスクールの代表をしております。アロマセラピーの知識やノウハウを活かしてメンタルヘルスケアを伝えたり、企業への社員研修や福利厚生の一環としてのセラピーを行ったり、会社様が主催するお客様向けのアロマセミナーを行うのが主なお仕事内容です。講座の企画から開催まで、まるっとご依頼をいただくことが多いです。また、アロマセラピーで起業をしたい人向けのセミナーも行なっております。

企業との取り組みも多いのですね。

長くお付き合いがあるのは、生命保険会社さまですね。採用イベントなどを行われている会社さまが多いので、イベント開催時にお声がけいただきます。また、住宅メーカーさまから、展示場でのアロマレッスンを依頼されることもあります。

展示場ですか? なんだか意外なお仕事ですね。

そうなんです。というのも、展示会場にあるお家というのは、耐震性に優れていたり収納が豊富であったり、どのお家も素敵なものばかりです。けれど大きな買い物だからこそ、大事なのが“直感”です。「なんとなくここが良い」、と感じていただく。奥様の一言が決め手になったというケースもたくさんあります。
どのお家も素敵ですが、購入の一歩に繋がるのは、滞在時間を伸ばすこと。性能が素晴らしいのはわかった上で、五感で住まいを感じていただく。その五感を満足させるものとして、アロマが活用されることが多いのです。
介護施設では、認知症の方向けにアロマセラピーを行うこともあります。嗅覚を鍛えることで、脳にあるモヤっとしたものをハッキリさせてあげることができるんです。アロマというと、日本では女性が好きなものだというイメージをもたれることが多いのですが、フランスやドイツなんかでは、アロマは医療だと考えられているんですよ。私のお友達の中には、大学に通うために、留学した人も居るくらいです。

日本と海外ではアロマの認識に大きな違いがあるのですね。ちなみに企業セミナーや、福利厚生ではどんなことを伝えているのでしょう?

私は、素質論という人間関係のコミュニケーションツールとアロマを誘導させたセミナーも行なっています。アロマはメンタルケアに活用されますが、企業にいくとやはり人間関係で悩みを抱えている方がとても多い。そこで大きなカギになるのが素質論です。
心理学は解決方法かもしれないけれど、素質論は価値観です。それをクリアにすることによって、人はそれぞれの価値観を知り、納得することができます。
アロマセラピーは、ストレスケアやコーピング、アンガーマネジメントや認知行動療法などに掛け合わせて活用ができるので、講座の方向性に合わせた内容を企画・考案しています。

素質論とは…
心的傾向性を生年月日で統計化した人間関係論。人事コンサルティング・マーケティング・カウンセリングなどに用いられることが多い

幼少期のころに、今の自分をつくるきっかけがある

販促イベントもあれば、メンタルケアとしても取り入れられる。アロマセラピーの仕事は奥が深いですね。齋藤さんがアロマの世界に足を踏み入れるにはきっかけがあったのでしょうか。

もともと、香りが好きだったんだと思います。今やっている仕事のきっかけが幼少期にあるというお話もよく聞きますよね。私の場合はどうなんだろう? と幼少期のころを振り返ってみますと、小学校の頃にお隣に住んでいるおじさんが、建設会社に勤めていて、遠い国で現場監督をしている人でした。海外に行ったら半年は帰ってこないようなおじさんでしたが、日本に帰ってくるたびに、私の両親にお土産をくださるんですね。ある日もらったのが、小さな瓶に入った良い匂いのする液体で、その上にはかわいい造花がセットになっていました。良い香りがする小瓶とお花の組み合わせがとてもキラキラして見えて、それに「すごい!」と感激した記憶があります。もしかしたらそんなことも今の自分に繋がっているのかもしれません。

素敵なエピソードですね。

みなさんもそうかもしれないですよ。幼少期のころに自分の発信したことが喜んでもらえたとか、作文で賞をとったとか。日常茶飯事にあるちょっとしたことが今を作るきっかけになっているかもしれません。

齋藤さんは、子育てに専念されているころに本確定にアロマを学び始めたんですよね。

妊娠している時からずっと「仕事をしたい」という気持ちがありました。私の母も人の3倍くらい働くような人だったのですが、自分も家庭に入ったら、とにかく暇をもてあますようになっちゃって。これも不思議な話なのですが、産まれる! という瞬間に分娩台の上で「このままいくと、私つまらない人生になっちゃう」と思ってしまったのです。もちろん子どもをしっかり育てなくちゃという気持ちもありましたが、なぜか焦燥感みたいなものもあって。
子どもを育てていると、なおさら人と合う時間が減って「このままじゃいけない」という気持ちが強くなりました。近くにある神社に行っては、神様に「私に天命を与えてください」とお祈りしていましたね。

なんだかすごいお話ですね…産まれる瞬間にもそんな気持ちがあったなんて。そのあとにアロマと出会う、と。

その頃は千葉に住んでいたのですが、ある時にガラス張りの素敵なお店を見つけました。そのポスターには「香りには、薬みたいな作用があるんだって」というようなテキストが書かれていて、思わず「香りには心と体に何か良い作用があるの?」と、立ち止まってしまいました。そうしたら、鉄のドアがゴンと空いて、中にいた中国人のおばさんが手招きしてきたんです。
それをきっかけに3時間も話し込んでしまい、帰る頃にはお店にあったアロマの受験申込書も握りしめていました。主婦がアロマの資格をとるなんて……しかもそれがなかなか高額な金額だったので、どうしようかなと悩んだのですが、母が家に遊びにきたタイミングでその話をしたら「やりなさい」と、なぜかその時持っていたお金を私にバンッと出してプレゼントしてくれたんです。なぜそんな高額なお金をもっていたのかもわかりませんが、本当にドラマのような出来事でした。
そのままアロマの勉強を本格的にはじめ、無事に資格を取得。ママ友達にアロマのことを伝えていたら「もっと話を聞きたい人がいる」というお声もいただくようになったので、講師としての資格も取ろうと決めました。千葉から渋谷まで通って、アロマについて学びました。

発信を続けていたら、応援者が現れるようになった

子育てとスクール、かなり多忙だったんじゃないでしょうか。

大変だったことを思うと、キリがないなと思うんです。資格を取ってスクールを開講しても、はじめからお客様がいるわけではありません。けれど、「アロマを教えて欲しい」と声をかけてくれた知り合いのママさんが、ある時、不動産屋さんを紹介してくださって、お店のカウンターでアロマ講座をすることが決まりました。それが私の初めての仕事です。やめようかなと思うタイミングがやってくると、そのたびに応援者のような人が現れました。辞めるタイミングは何度もありましたが、そのたびにそれぞれの登場人物がいます。

応援者が居たから、続けることができたということですね。

そうなんです。私は「何かを見つけなくちゃ」を叶えるまでに3年かかりました。けれど、これが見つかったってことなんだろうなと思います。ある意味、アンテナを張っていたのかもしれません。これはビジネスでもいえることですが、こうなりたい、ああなりたいって思うことがあると、自然とアンテナが立ってくるんですよね。いつも見過ごしていることもキャッチできるように自分になる。あとは人にたくさん話していたのが大きかったと思います。

それでも、続けるって勇気がいることですよね。

勇気がいることだと思います。けれど私は導かれたような感覚ももっています。それこそ、スクールを開いたばかりの頃は認定教室というような小さな教室はあったものの、専門家を教えるためのはスクールは少なくて…。法人格でないといけないとか、認定がないとだめだとか。今よりずっとハードルが高かったように感じます。
けれど、教えてくださっていた中国人の先生がなかなかのビジネスウーマンで。その人が認定したという表記ができるような、権利を売っていたんですね。なので、先生の名前を看板に使ったアロマスクールがいくつかありました。
けれど、私が起業して1年たった頃に、震災が起こったんです。
その中国人の先生が震災をきっかけに「日本に住んでいられない」と仕事を整理し始めて、中国に帰ることを決めました。先生の看板を使ってお仕事していた人たちも、みんなそれを機に教室を閉める形に…。けれど私は、そこで「やるしかない」って気持ちが大きかったんです。震災でやめるなんて、やめて欲しい。そういった悔しさが勝っていました。その時に、認定許可を自分でとって、自分の足で立つことを決意しました。
みなさんが教室を閉じていく中で私だけが続けられたのは、アロマセラピーが人のためになるってことを誰よりも信じて、確信していたからだと思います。

教室開業の支援もしているのはそういった経緯もあるからなのでしょうか。

アロマセラピーを学んで資格を取得しても、それを収入にしていける人っていうのは、ごくわずかです。じゃあどうしたらいいの? というはじめの一歩を伝えていきたいと思っています。私も最初はどうすればいいのかわかりませんでした。一人ぼっちでやっている分、回り道も多かったと思います。なので、これからはこうして始められるんだよって、教える人が必要だなって。人を呼ばなければ収益にならないし、収益にならなければ事業は継続できません。そのエッセンスをキュッとまとめたコンサルティングというお仕事もしています。

「好きなこと」を「ビジネス」にするなら、バランス感覚を保つこと

収益化できる人とできない人の違いはどこにあると思いますか?

好きで始められる人が多いので、収益にこだわる方は少ないです。けれど、資格をとるにはお金だけじゃなく時間やエネルギーが必要。他のセミナーや教室に参加して、レッスンの組み方も学ぶ必要があります。だから私の場合は“お友達価格”というのは控えようと決めていました。それを始めると、抜け出すのが難しいだけでなく、自分の仕事も中途半端になってしまうような気がしてしまいませんか? しっかりと届ける分、しっかりと習いに来て欲しい、と思っていました。

趣味や付き合いで終わらせずに、対等な関係ではじめることが大切ですね。

これは、どんなお仕事でも同じだと思います。それに、アロマ教室は子どもを持ったママさんがはじめるプチ起業にはとてもぴったりな職業でもあるんですよ。基本的には企業様の依頼も午前中の稼働が多いですし、子どもを学校に送り届けた後に、2レッスンして、16時には仕事が終わる。自宅をサロンにしている人も多いので、朝起きてお掃除をして、レッスンが終われば食事の準備をして父親や子どもに笑顔で「おかえりなさい」が言えます。素敵なママじゃないですか?
なので、働いているというだけで「両立が大変そう」とか、「どうしてそんなに悩むのに、仕事を続けるの?」って言われることもあります。だけど「ご飯じゃなくて、趣味なの」って、言える範囲でお仕事ができるんです。

仕事と家庭のどちらもの部分を生かした活動ができるのは強みですね。

バランスがとりやすいんじゃないかなと思います。私の場合は、プライベートと仕事に垣根がないので、夜も料理をしながら、次に話す講座の内容を考えたりします。

あえて仕事の苦労を挙げるとすると、本業が五感を扱うものなので、目に見えないものを文字にしたり言葉にして伝えるということが難しいですね。知らない人にアロマを教えて、活用してもらって、生産性を上げていく。目に見えないものを“ある”ものとして語り合うので、ある意味、アロマの講座って異常な空間に見えるはずなんです。なので、その感覚をロジカルに落とし込み、資料化していくのが大切。感覚を、文章に落とし込むことのできる言葉選びが上手なパートナーがいてくれたら、強いんだろうなぁと思います。今後の私の課題でもありますね。

感覚と、ロジカルは対極にあるものですものね。最後に斎藤さんが、アロマ講師をしていくにあたって、一番大切なことはなんだと思いますか?

講座の特色上“おもてなし”の心を持ち続けることだと思います。
教室にお客様がくるときも、企業にお邪魔して講座を行うときも。人が運んで来てくれるお仕事なので、どんな時でも感謝の気持ちを忘れずに、癒しや五感といったパワーで人をおもてなしをする意識を持つことです。レッスンだからって固くなりすぎない。まずは知ってもらって、人に香りの効果を実感してもらうことです。
これが私ができる社会貢献であり、使命だと思っています。家族にはアロマバカ、なんて呼ばれちゃいますけどね(笑)

この記事のライター

Cinq(サンク)-よくばり女子のはたらきかた-

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