「マウスを持つ手に、上司の手のひらが重なってきて…」 #これってハラスメントですか?!



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Q. マウスを持つ手に、上司の手のひらが重なってきて…

先月、部署異動で営業から人事部に配属され、1日中デスクにいることも多くなりました。私の上司が40代の子持ち男性なのですが、彼から仕事を教えてもらっています。

パソコンの中に入っているデータについて教えてもらう時に横に座わってくるのですが、距離が近くてかなりの確率で膝やつま先が当たります。マズいと思って避けるのですが、それでも追いかけるように当たってきます。他にもマウスを動かしていた時に「これは、こうして…」と言ってマウスに手を重ねて動かされました。

もともと人との距離感が近い人なのかなと思ったのですが、他の女性社員にはこのような行動は見られません。わからないことがあったらなるべく別の人に聞く様にしているのですが、仕事の性質上、どうしても上司に聞かないといけないこともあります。
これはどこからセクハラに当たるでしょうか? また、今後もしこのような行為がひどくなってきたとすれば、どのように証拠を残したり、対策を取れば良いのでしょうか? (なつみさん/33歳/人事)

A. セクハラに該当します!

セクハラに該当すると考えられます。セクハラは、古典的には、労働者の意思に反する、性的な言動・身体的接触などをいうものと定義されますが、おおむね対価型と環境型に分類できます。対価型とは、拒絶することによって不利益が生じることを言います。環境型というのは、拒絶することによって周囲の就労環境が害されることをいうものです。

>どこからセクハラに当たるでしょうか?
本件の場合には、マウスの動き、特定の女性であるなつみさんに対してだけ同様の動きをしていること、また、実際につま先や膝をあててくるなどの接触行為は、あからさまになつみさんに対してピンポイントでアプローチをしてきていることを意味します。そうすると、これらはセクハラの定義に該当していると言わざるを得ません。

>そのような対策・証拠をとればいいのでしょうか
まずは拒絶の意思表示をすることからはじめましょう。これらは、口頭であるといったいわないの問題になってしまうので、できればlineやメール、音声などの証拠に残る方法を採用すべきでしょう。また、嫌だと感じたことを日記にまとめておくだけでも、時系列と合わせて有効な証拠になります。

そのうえで、雇用主側は、男女雇用機会均等法11条により、セクハラを防止するための義務を負う立場にあるので、雇用主が設置している窓口に相談する、上司に相談する、それでも終わらないのであれば、本人や使用者に対しての慰謝料請求は視野に入るでしょう。

回答者:弁護士 齋藤 健博

自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTube動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=gd8rwOXDKp0