「素敵な人との出会いって、人生を豊かにしてくれる」ウーマンダイアローグ #36



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今回のゲスト♡ 岩立友紀子さん

岩立友紀子(いわたてゆきこ)
農業専門婚活支援
(株)Raitai代表取締役
丸の内OLから脱サラし、農業の道へ。
農業研修、一人で新規就農を経て農家の嫁に。
「やりたいことをやって幸せな人生を!」をモットーに、女性の農業界進出を後押ししている。

インタビューする人♡ 渡辺彩季

渡辺彩季(わたなべさき)
京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級、温泉ソムリエなどの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#36 【(株)Raitai代表取締役/岩立友紀子さん】

渡辺:本日はよろしくお願いいたします。

岩立:よろしくお願いいたします。

渡辺:早速ですが、岩立さんの現在の仕事の内容を教えてください。

岩立:現在は3つの仕事をしています。農家専門の婚活サイトの運営、月に一度のペースで農家と出会える婚活イベントの開催、あとは結婚相談所の運営をしています。

渡辺:日本は未婚化や少子化が問題となっているので、婚活関連の仕事は需要が高まっていると思うのですが、農業専門は珍しいですよね。岩立さんが農業にフォーカスを当てた理由を教えてください。

岩立:私自身が農家の長男と結婚して良かったと感じているので、実体験を元に農家との結婚の良さを伝えていけたらいいなと思いました。「農家と結婚すると大変そう」というマイナスイメージを持っている方も多いのですが、実際にはメリットもたくさんあります。私はむしろメリットが大きいと思うので、推していきたいなと!

農家と結婚してよかったこと

渡辺:農家になると野菜や果物と向き合うわけですから「毎日農作物のお世話をしなければいけない=休みがなさそう」というイメージになるのですが、実際はきちんと休みを取れているのでしょうか?

岩立:ですよね。一般的にそういうイメージを持っていらっしゃる方が多いように感じます。でも、実は休みもしっかり取れるんですよ。野菜や果物には作る期間が決まっていますし、両親やバイトの人と一緒に作業していることも多いので。

渡辺:そうなんですね! たしかに複数人で協力して業務を回すことができたら、みんな交代で休めるからいいですね。

岩立:このような“農家との結婚”に関する誤解を解きたいです。実は、会社員の方との結婚とそんなに大きく変わりません。むしろ食べ物に困ることはないし、親族も近くにいるし……考え方によってはメリットのほうが多いくらいです。今まで視野に入れていなかった方も、ぜひ考えていただきたい。

渡辺:休み以外で農家との結婚前と結婚後でギャップを感じたことはありますか?

岩立:結婚する前は、二世帯同居や義理の両親が近くにいることに対して「気を遣いそう」「とにかく大変そう」という固定観念がありましたが、実際に始めてみるとそんなに悪いものではなかったです。何かあった時に助け合えるので安心できますし、デメリット以上にメリットが大きいですね。

渡辺:両親との関係性が良いことは、確かに大きいですね!

岩立:ある程度スケジュールの見通しがつくので、将来子どもが生まれた時のことも考えやすいです。頼れる場所が身近にあるという部分も、女性にとっては大きいかと思います。何かあった時にも親が預かって面倒を見てくれるという安心感がありますね。

渡辺:「もし自分が結婚、出産をしたら?」と考えている女性は多いと思います。私も、もし子どもができたら、両親は京都にいるので簡単に預けられないし「仮に自分がインフルエンザになってしまったら、どうするんだろう」と考えたこともあります。自分が辛い時も子育てを休みわけにはいきませんし、伝染しても大変なので、想像すると不安になることだらけです。

岩立:そうですよね。親元を離れた場所で結婚しながら働いて子育てまでされている方は、すごく大変だと思います。それに比べたら農家の嫁は、負担を減らせるのかなと。一概に“大変”と言っても種類がいろいろありますが、必ずしも農作業の手伝いをしなくてはいけないということもないので、普通の結婚と特に変わらないと思います。

渡辺:もし、台風などの災害が起こって農作物がうまく収穫できなかった場合は、どうなるのでしょうか? そういったトラブルを考えた時に農業はコンスタントに安定した収入を得ることが難しいのかなと思いました。

岩立:実は、そういうことも見通しています。もし地震や台風などの被害をどこかの地域が受けたとしたら、逆にその野菜や果物の希少価値が上がるので、極端な話をすると被災地以外は儲かります。なので、もし運悪く被害にあってしまっても、波があるから結局はトントンになるということが多いんです。あと、災害によるダメージを受けてしまったとしても、全滅ということはほとんどないですね。私も2019年の台風でハウスが潰れてしまいましたが、保険に入っているので直してもらえましたし、農家も個々に災害の対策をしています。

事前面談必須で信頼性を高めます

渡辺:きっかけは農家の嫁なったからということですが、婚活サイトを作る上で、ほかと差別化したポイントがあれば、教えてください。

岩立:私が運営している婚活サイトの登録者は、独身証明書の提出が必須です。既に結婚している人が独身のふりをして、出会いを求めにくるという話もよく耳にするので、純粋に結婚相手を探したいという人が安心してサービスを利用できるようにしています。

渡辺:独身証明書の提出が必須となれば、トラブルを避けることもできますし、信頼性が高まりますね。

岩立:さらに2020年からは事前面談を必須にしようとしています。独身証明書の提出だけでは、登録者がどんな方か分からないので、サイトの質を高めるためにも一度は必ず全員とお話しできればと考えています。直接話すことで、人柄や雰囲気も分かりますし、私が「この人とこの人が合いそう!」と推薦することもできます。実は今まで3組推薦したのですが、その3組とも見事に結婚まで進んだんですよね。

渡辺:3組が全て結婚!? 驚異の成婚率です。どういった部分で見抜くのですか?

岩立:まずはお互いの結婚に対する条件がマッチすることですね。子どもが欲しいかどうかなどです。条件をクリアした者同士で会っていただくとスムーズに話がまとまることが多いです。

農家の男性は、広い心で自然と向き合える

渡辺:岩立さんはこれまで、農家の男性に会う機会も多かったと思いますが、どういった方が多かったかなど共通する部分を教えてください。

岩立:農家の男性は素朴な人が多いです。都会に住んでいる人の多くは自然をコントロールできると考えているので、いざ災害が来た時に振り回されてしまうことが多いですよね。ですが、農家は常に自然と向き合っているので、もし災害が起きても「仕方ないね」と大きく構えていると言いますか……許容するんですよね。

渡辺:ありのままを受け入れられる強さって素敵ですよね。農家の方のその考えは素敵だと思います。都内だと買い占めが起きたり、電車が止まってしまい、パニックになることが多いですね。

岩立:農家は災害が起こることも想定していますし、常に畑に食べ物があるので、慌てて食べ物を買い占めることもありません。水もあるので、電気ガス水道がしばらく止まっても耐えられます。

渡辺:「備えあれば憂いなし」と言いますが、普段から当たり前に蓄えがあるのですね。先程、農家は災害に強いというお話がありましたが、心だけでなく実際にいろんな準備が常にできているのですね。

結婚と仕事の両立も可能

渡辺:岩立さん自身、結婚前と結婚後でどのような変化がありましたか?

岩立:結婚する前は私自身農家との結婚に対してネガティブなイメージを持っていましたが、実際に結婚してみると、さほど負担を感じることもありませんし、大事にしてもらっているのでとても幸せです。

 一概には言えませんが、首都圏の農家は地主が多いので、裕福だと感じます。アクセスがいい場所なら結婚後も都心部に出て働くことも可能ですし、現在都内の企業に勤めているOLさんも会社を辞めなくていいかもしれませんよ。

渡辺:結婚を機会に退職される女性が多いなかで、今までのキャリアを捨てなくて良いというのはかなり強いですね。地方から仕事をきっかけに上京してきた女性は、やはりバリバリ働きたいという気持ちが強いと思うんですよ。結婚生活と仕事を両立したい方にこそ、農家との婚活は合うかもしれませんね。

結婚をしてからキャリアを築く

渡辺:岩立さんにとって“結婚”とは?

岩立:「一生の味方ができた」というイメージです。今働かれている女性の中には、キャリアを第一優先にして、結婚を後回しにする方もいらっしゃると思うのですが、私は逆に考えた方が効率的だと考えています。結婚をしてからキャリアを築いたほうがいいんじゃないかなと。どういう人と結婚するのかという土台を考えたうえで仕事の方向性を決めると物事がスムーズに進みます。

渡辺:たしかに結婚を機に環境が変わる人もいますし、女性は出産や子育てを視野に入れる人も多いですものね。仕事をしているなら、転勤、産休、育休などを考えないといけないですし。

岩立:そうなんですよ。先に結婚をしてしまえばキャリアを奪われることがありませんが、キャリアを築いてから婚活すると決断が難しくなってしまいます。今まで頑張って築き上げてきたキャリアだからこそ捨てるのはもったいないですし、一大決心をする勇気が持てないのも当然だと思います。

渡辺:!!!!! そういう発想を持っていなかったので、興味深いです。私の周りも「30歳まではバリバリ働いて、結婚はそのあと考える」という友達も多いです。

岩立:私自身25歳の時に婚活イベントを通して旦那に出会い、27歳で結婚したのですが、キャリアを考えるのであれば、早めに結婚することをおすすめします! ライフスタイルをベースにおいて働き方を決めることで、同じ仕事を長く続けることができますよ。

今後の目標はマッチング率の向上とセミナー開講

渡辺:岩立さんの今後の目標を教えてください。

岩立:2020年から仕組みを変えて、マッチング率をさらに上げていきたいです。あとは、セミナー講師にも挑戦しようと思っています。結婚をしようと思えば相手はいくらでもいますが、マインドを変えないと…いう人に対してテコ入れをしていきたいです。私自身、婚活の仕事にすっかりハマってしまったので、展開するのが楽しいです。

渡辺:本人に直接「あなたのこの考えは直した方がいいよ」と伝えるのは、長年の友達であっても大変だと思うのですが、セミナーで初対面の方にアドバイスするんですよね? 私には結構ハードルが高いです。

岩立:たしかに一対一で面と向かっては、言いづらいと思います。しかしセミナーとしてなら「あなたに言っている」とダイレクトに伝えるのではなく、「一般的にこうですよ」というニュアンスで伝えられるので、全く受け取り方が違うんですよ。イメージ的には遠まわしに伝えて、本人に気付いてもらうといった感じですかね。自分から変わろうと行動すれば早いですが、環境や周りのせいにしているようであれば、婚活というフィールド以前の問題なので、根本から見直す必要があります。

渡辺:たしかに。結婚をしたことがないのに「自分は結婚には向いていないんだ」と諦めてしまったらもったいないですものね。セミナーを通して、結婚に対してポジティブに考えられる人が増えたらいいですね!

インタビューを終えて…

株式会社Raitai代表取締役の岩立友紀子さんと対談をさせていただきました。実際に農家の男性と結婚されていらっしゃる岩立さんの言葉は、とても説得力があります。私自身、農家の男性との結婚に対して誤解していた部分もたくさんあったので、実際のところを聞いてみないとわからないことがあるものなのだな、と改めて勉強になりました。
社会人になると「出会いがない」と感じる方も多いかもしれませんが、考え方次第で可能性はいくらでも増やすことができます。条件で相手を好きになっているという人こそ、自分の固定概念を疑ってみるのが得策かもしれません。

「素敵な人との出会いって、人生を豊かにしてくれる」

歌手の安室奈美恵さんの名言です。

岩立さんが全力で農家との結婚を推薦できるのは、旦那様との結婚生活が素晴らしいものだと胸を張って言えるからこそ。好きなことを仕事にしている方はたくさんますが、自身の結婚生活をベースに婚活関連の仕事をするという発想はとても面白いですよね。2020年はさらに新しい試みをされるとのことなので、今後の展開も楽しみです!