転職に反対の家族…嫁ブロックや内定辞退を避けるために事前に話すべきこと



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Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
この記事が掲載される頃には、さすがに梅雨も明けているでしょうか。
今まで以上におうち時間が増えた今年ですが、皆さまは“気分転換”をどのようにされていますか?
私の勤務先では、未だ「外食」や「同僚との会食」を自粛するよう通達されていて、デスクでのコンビニランチか自作のお弁当の日々。同僚と「自分の作ったもの以外で食事したい!」「お店のちゃんとしたから揚げが食べたい!」と話し合ったりしています。そこで先日のお休みに、ご近所のお店のエスニック料理をデリバリーしてみたのです。
ちょっと贅沢しちゃったかな、とは思うものの、自分では絶対に使いこなせない香辛料等をふんだんに使ったお料理で、お腹も心も思っていた以上に大満足でした。
自分のご機嫌をとることも、たまには必要ですよね。

さて、転職活動をする上で、少しでも有益な情報をと配信しているこちらのコラムですが、今日のテーマは「転職を家族に反対されないために」です。

家族に転職活動を止められる…「嫁ブロック」という言葉も

現職が忙しい中、時間を作って履歴書・職務経歴書を作り、転職サイトで採用情報を調べて、入念に面接対策を行い、複数回の面接を通過して、ようやく内定を獲得!!なのに、予想もしていなかった大きな壁が立ちはだかることがあります。「ご家族が反対する」ということです。

「大人の決断に家族がしゃしゃり出るなんて…」とか「いくら反対されたとしても、それでせっかくの内定を蹴ることなんてあるのかな?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、これは転職支援をしていると本当によくあることです。特に、転職者が一家の大黒柱だったりすると、その方が転職をすると働き方も年収も変わるなど、一家の生活に直接的にインパクトがありますので、反対される可能性が高くなります。
一時期、人材業界で「嫁ブロック」という言葉が流行ったくらいです。私も、せっかく転職者のご希望に叶う条件を引き出して内定をお伝えしたところ、「どうしても転職するというのなら離婚すると言って、嫁が家を出て行ってしまいました…」と打ち明けられ呆然としたことがありました。
せっかくの内定を、出来れば家族の反対にあって諦めるようなことにならないように、事前に手を打っておきたいところですね。

具体的な転職活動を始める前に、家族に話をしておく!

「余計な心配をさせるから、内緒で転職活動を進める」「内定が出てから家族には相談する」という方も多いですが、具体的に活動を開始する前に、今、転職を考えているということをご家族に話しておくことをお勧めします。
伝えるポイントは、1.どうして転職したいと思ったのか 2.転職して何をしたいのか 3.そのためにどういうところで働きたいと思っているか。等です。
ほとんどの場合、ご家族は転職市場や業界のこと、転職先として考えている企業のことに詳しくないでしょう。丁寧に説明しないと心配が先に立ってしまいます。特に、その転職によって家族の生活にどの様なインパクトがあるのかは正直にきちんと伝えておくべきです。

「多分、これを言ったら反対されるだろうな」ということがある時こそ、正直に伝えましょう。隠したところで、後々必ず直面するのですから、【反対されそうなことこそ活動の初期段階で伝える】ことがポイントです。

それでもご家族に反対されたときには

ご家族に黙って転職活動をしていたときはもちろんのこと、事前にきちんと話し合っていたとしても、最後の最後にご家族に反対されることもあります。そうなった場合、ご家族の意見通り内定を辞退してしまう、というケースがほとんどです。

「離婚する」と言われてしまうケース

一番よくあるケースは、前述したような「離婚する!(仕事を取るのか、家族を取るのか)」という議論になってしまうことです。ご本人は転職をしたがっているものの、「離婚する!」等と詰め寄られてしまうと、多くの方が家族を取りますと言わざるを得ません。

実際に転職をするとして、何が問題になり得るのかといったことを、具体的に確認していきましょう。
多くの場合は「経済面(年収が下がると生活が出来ない)」という問題ですが、本当に年収が下がると生活が出来ないのか、数字をきちんと出して確認してみると状況が変わってくることがあります。生活維持にいくら掛かっていて、いくらまで年収が下がると生活できないのかご家族と一緒に検証してみるのです。
私が面談時に必ず「この年収を下回ってしまったら、どんなに魅力的な仕事内容であっても請けることはできないな、という最低ラインはおいくらですか?」と確認するように心掛けているのは、この部分をきちんと転職者にもご家族にも考えて貰ってから、転職支援をスタートしたいから。という思いがあります。
事前にきちんと話し合いを持っていただいていれば、最低ラインはすぐに答えられるはずなのですが、すぐに答えられない転職者は案外多いものです。

仕事に対する価値観が違うパターン

また、次によくあるパターンとしては、「仕事」に対する価値観が異なることによって起きる反対意見です。
例えば、大企業に勤めていることがステイタスである、とか、女性が仕事でそこまで頑張る必要はない、とか、仕事にやり甲斐などは不要、お金だけしっかり稼げばよいなど、転職者ご本人とご家族の価値観が全く異なるケースです。

この場合、根本的な問題解決(=価値観を一致させる)は難しいです。自分の価値観をきちんと家族に伝え、相手の価値観も理解した上で、【価値観が違うことが家族にとって不利益をもたらすわけではない】ということを説明し、ご自分の選択に責任を持てるよう、転職後の姿で納得してもらうように努力すべきかと思います。

ご家族の幸せを最大にするために

自分の思いを捨てて家族の反対を受け入れるということも選択肢の一つではありますが、その場合、自分自身が心から仕事に納得して取り組むことができず、結果、やはり再度転職活動に踏み切る。という転職者を何度もお見かけしました。

自分の思いも叶えつつ、家族の思いも叶えられるような、そんな方法が無いかを、ご家族と共に時間をかけて話し合ってみて頂きたいなと思います。

それでは、またお会いしましょう。ごきげんよう!