「次の転職を最後にしたい」人が、企業選びを間違えてしまう理由とは



Cinq読者の皆さま、おはようございます。
5月にこちらのコラム【「結婚と転職時期が重なった」「同一労働同一賃金の影響は?」】の章でご紹介していた、日本郵便事件(一次訴訟)…正社員と同じ仕事をしているのに「正社員と同じ手当が出ないのはおかしい」とし、日本郵便の非正社員たちが会社側に損害賠償を請求した訴訟のこと…の最高裁判決が、10月15日に出ました。

最高裁判所第1小法廷の山口厚裁判長は、日本郵便の手当や休暇のうち、
●扶養手当
●年末年始の勤務手当
●お盆と年末年始の休暇
●病気休暇
●祝日の賃金
上記について契約社員側の訴えを認め、不合理な格差があり違法だという判断を示した形です。

郵便事業に携わる非正規社員は約18万人。日本郵便は今後、待遇の見直しを行う予定とのことです。

この判決の2日前、10月13日に結審された、メトロコマース(東京メトロの売店販売を行う子会社)の非正規雇用者のボーナスと退職金をめぐる判決では、「ボーナスと退職金を出さないことは不合理な格差に当たらない」とする判断を示していて、今回の日本郵政の判決とは一見対照的な判決となっています。

正社員と非正規社員との労働が、本当に「同一労働」なのかを、個別に判断していくという意思表示なのかな、という感想を持ちました。同様の訴訟は今後も増えていくと思います。Cinq読者の皆さまも、ぜひ今後も注目していっていただければと思います。

「次の転職を最後にしたい」という人が企業選びを間違えてしまう理由

さて、今すぐに転職活動をしたいと思っている方、転職は全く考えていないけれど、将来転職しなくてはいけない事態に遭遇した時に慌てなくて良いようにしておきたい。とお考えの皆さまに向けて、人材紹介業界のウラ情報も交えてお伝えしているこのコラムですが、今回は、「最後の転職にしたいあなたへ」お伝えしたいことです。

転職相談に来られる方のほとんどが『次を最後の転職にしたい』と仰います。
当然のお気持ちだと思います。
転職活動なんて、面倒くさいし、ストレスも溜まるし、地味に交通費もかかる。そう何度もするべきものじゃないですからね。
また、「最後の転職にしたい」という発言の中には、「私は長く職場に定着しようとしている人材です」というアピールも含まれているようにも思います。

そのために、事前に企業の財務データを分析し、友人・知人に相談し、掲示板を覗き、ありとあらゆる下準備をして受験企業を吟味されます。

―最後の転職だから、今より給与水準の高く離職率が低い会社がいい。
―最後の転職だから、今より労働環境が整っている会社がいい。
―最後の転職だから、退職金の制度が整っているところじゃないと…。
―最後の転職だから、倒産の危険のない、今より企業規模の大きい会社が安心。
―最後の転職だから、今より良い上司の元で働きたい!

そうやって、今までのご自身の経験ではチャレンジしても難しいと思われる超大手有名企業だけを受け続け、(そして落ち続けて)転職活動自体を諦めてしまう方も多いです。

以前、「条件は、今より良い会社」なんていうキャッチフレーズで売っていた人材会社がありましたが、罪が深いなぁ……といつも思っていました。
転職者の皆さんが勘違いしてしまいますよね。

「今より良い会社」を選んだはずなのに「思っていた職場と違った」ということが起こる

運良く理想的な「今より良い会社」に入社が決まり『最後の転職』をしたはずだったのに、いざ入社してみたら、

「サービス残業が常態化していて、それをおかしいと言える雰囲気はない」
「評価が不透明で、昇給のチャンスが公平ではない」
「安定しているところが魅力だったのに、重要取引先が突然契約を打ち切りにしてきて、財務状況が急速に悪化した」
「社長が交代し、制度改革に乗り出した。退職金制度を廃止する方向で動いているようだ」

等々。そして、短期で転職活動を再開することになってしまう。
「入社してみたら、思っていた職場とは違ったんです」
そう仰る転職者にも、数多くお目にかかってきました。

転職の目的を間違えないで

いずれも、『最後の転職』に固執するあまり、転職の目的=「環境・条件の良い企業選び」になってしまっていたことが原因です。

転職は、「あくまでも自分のキャリアアップを主に考えるということ」。
この基本を思い出していただければと思います。

その企業で、自分が何を身につけられるのか?
その企業でどんな結果・実績を出していけるのか?
仮にその企業がなくなってしまったとしても、どこでもやっていけるスキルを身につけられそうか?

そんな視点で選んだ会社で、コツコツ実力をつけ、評価され続けていくことで、結果としてその会社が『最後の転職先』になったり、次への飛躍に繋がったりするものなのではないかと思います。

それでは、またお目にかかりましょう!