少子高齢化のすすむ日本では、人手不足が深刻な問題に
少子高齢化の進む日本では、今後さらなる働き手不足が予想されています。そのため「60歳で定年退職」というこれまでの認識にも変化が。雇用期間の延命も検討されるようにされるようになりました。
もし65歳を過ぎても企業で働き続けることになったなら?
もちろん、今以上にもっと健康に意識を向けなければなりません。これまでも健康診断は法律上定められていましたが、企業はもっと働き手の健康に意識を向ける必要があるのです。
そこで企業がこれまで以上に意識するようになったのが「健康経営」というワード。病気の早期発見や、高齢でも働ける環境、生産力の向上を狙いにした二次予防となる取り組みです。今回は、健康経営を取り組んでいる会社の代表的な例をご紹介。働き方改革への注力度もわかるため、転職を考えている方や、今後取り組みを行なっていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
疲れづらさを考慮したオフィス設計
オフィスのデザインやレイアウトの変更、フリーアドレスの導入などが主な例です。
これまで日本では島型に連なったデスクに自分の定位置があるのが一派的でした。けれど、一般化されていた島型を崩し、自由に作業ができるようになったフリーアドレス制、コミュニケーションスペースなどがオフィス改革では積極的に取り入れられています。
これによって、これまで接することのなかった多部署の人ともコミュニケーションが活発に。情報共有やアイデア出しに活用されています。また、場所を変えて仕事ができることによって、気分転換がしやすくなりストレスの軽減にも期待が。オフィス内に観葉植物を取り入れて、会社の空気を変えようとする動きも活発になっています。
社員食堂で提供されるヘルシーメニュー
健康経営に注目するべきの一つが、社員食堂にもあります。健康を意識して作られた減塩・低カロリーメニューの提供をしている会社がその例です。
また、社員食堂がない会社では、”食”の福利厚生サービスを導入している会社も数多く見受けられるようになりました。コンビニやファーストフードを利用することの多くなった社会人が、より健康に目を向けて食を選択できるように配慮された取り組みは、とてもわかりやすい意識改革とも言えるはずです。
定期的に開催される運動キャンペーンやイベント
企業で定期的に開催される部活なども、健康経営を意識して取り入れている企業の特徴です。忙しさに追われて、運動する機会が減ってしまった社会人を、企業側が積極的に運動に誘導する。これによってコミュニケーションの活発化も期待されています。
また、メンタルヘルスに良い生活習慣の1番には運動が挙げられており、運動をすることによって抑うつやストレス発散に効果があるということもわかっています。これらの取り組みにより、企業イメージの向上や生産率の向上が期待されているのです。
従業員の健康意識を高める研修の導入
企業・自治体・健康保険組合などで、研修やセミナーを通してストレスやメンタルヘルス、コーピングについて学ぶ機会も増えました。ストレスの要因やストレス度合いのチェック診断などが定期的に準備されていることもあります。自分の考え方やストレスの対処法を知り、ワークを通して健康意識を高めようとする取り組みです。
福利厚生やその他
福利厚生として、法定外の仕組みや制度作りに注力している会社もあります。例えば、ライフサポートとしての育児関連休暇や、住宅補助など。それ以外にもユニークな福利厚生が会社によって設けられるようになりました。もちろん企業にとって、福利厚生を取り入れることは負担がかかることです。ですが、それによって従業員の離職率の低下を防ぐこともできます。従業員にとって、優先順位が高いものから導入されていることも多いので、どんな制度が導入されているかに着目しても面白いはずです。
健康経営に取り組むこと、それは企業と従業員の関係をよりよくすること
従業員の心と体の健康に投資して、経営として取り組むことによって、企業イメージや生産力の向上、そして離職率の低下に繋がる。これは企業と従業員の関係をよりよくするための変化です。
当たり前ですが、会社は健康になるために行く場所ではありません。けれど、今広がっている健康経営への取り組みを進める企業が「健康への配慮」を心がけていることは事実。このような取り組みは、今後企業には不可欠だとも言われています。ぜひ企業選びの際に意識してみてはいかがでしょうか?