挨拶をしない人って……?
ビジネスマナーの基本中の基本である、挨拶。
そんな当たり前とも思えることができていない社会人が実は今、増えつつあります。
「挨拶は禁止」と決まっている会社であればもちろん不要ですが、同じ空間で同じ時間を過ごす職場と同僚。どうせなら気持ちよく挨拶を交わして過ごしたいものですよね。挨拶する・しない人の違いって一体なんなのでしょう? パターン別にチェックしていきましょう。
自分から挨拶ができる人
自分から積極的に人に声をかけるのが苦ではない調和タイプ。
学校や職場でも、パッと人を引き付ける能力があるムードメーカーのような人です。このような親しみやすい人がオフィスに1人いると、全体の雰囲気がパッと明るくなります。挨拶を通して、気持ちを入れ替え、清々しい気持ちで仕事に向かうことができます。
挨拶をされれば返せる人
日本人に多いのがこの「されたら返す」という消極的なタイプです。
自分から積極的に声かけはしないけれど、声をかけられれば返すといった受け身型。朝に弱い人は、ボーッっとしていることも多いので、つい自分から視野を狭めてしまいがち。声をかけられハッと気がつく人も居るでしょう。
自分に自信がなく控えめな性格が現代の日本を表しています。
人を選んで挨拶する人
普段からよく接している相手には自分からでも声をかけられるけれど、それ以外の人には声をかけることができない……こういった人見知りタイプも増えています。
「人を選んでしまう」という行為は、集団生活をする上でマイナスな印象を与える恐れもあることを知っておきましょう。挨拶は、全く面識のない人であっても許されるもの。今一度コミュニケーションを見直してみても良いかもしれません。
されても返さない人
人とのコミュニケーションを自ら断ってしまうタイプは、周囲から厄介な人だと思われている可能性大。人見知りからくるものなのか、ただ単に面倒くさがりなのか、自分が人と話す必要がないと思っているのか……。理由はそれぞれに違うと思いますが、基本的に「仕事はひとりきりでこなせるものではない」ということを知っておきましょう。独立して一人の会社に居るのではな問題はありませんが、組織に居るのであれば協調性を備えておくことも必要です。
挨拶ができない人の心理って……?
そもそも挨拶が必要ないものだと思っている
そもそも、人に挨拶をすることが「ムダ」だと思っている場合です。
挨拶をしたところで、何かが進むわけではない。挨拶などのコミュニケーションは自分の業務内には含まれていない。仕事と自分自身(プライベート)を区別しすぎている可能性が。プライドが高く一匹狼な性格の持ち主です。
「返ってこないかもしれない」といった不安
「声をかけても、レスポンスがなかったらどうしよう」という不安を持っている人も居ます。挨拶ひとつでそんな大げさな……なんて言いたくもなりますが、挨拶を「自分から声をかける行為」に置き換えてハードルを必要以上に高く見積もっている人に多いでしょう。
自分に自信がなく、挨拶をする前に「もし返ってこなかったら…」とネガティブな思考に陥りがちに。小さい成功体験を積み上げることが、自分の自信へと繋がるはずです。
「自分は人と違う」といった高すぎるプライド
人とコミュニケーションを断ってしまう人に多いのが理由がコレ。
「自分は人とはちょっと違う」といった自身過剰な思い込みです。年齢や性別、年収や見かけなどの情報を仕入れて、マウントをしてしまっているからこその行為です。このようなマウントは、自分のバイアス(偏った思考)が作り出してしまったもの。それに気づかないことには、そのプライドを崩す方法がありません。
プライドは、仕事の上で成り立つもの。仕事外で余計なプライドを持ち込んでしまっていることに果たして意味はあるのか? と考えた方が身のためになるはずです。
恥ずかしい
「挨拶をしたつもりが聞こえていない」、「恥ずかしくて大きな声を出すことができない」という場合もあります。自分から話しかけにいくという以前にまず声を出すこと自体に恥ずかしいという感情を持っている人です。
そんな人に知っておいてほしいのは「中途半端が一番恥ずかしいことだよ」ということ。せっかく挨拶をしていても、相手に聞こえていなければそれはなかったことと同じ。声のボリュームを上げて話す練習をすることです。
聞こえてない
相手から挨拶をされれば返すけど……。という受け身タイプが一番多い日本では、「聞こえていない」パターンが実はとても多いです。
移動中はイヤフォンをしているという人も、職場の人と顔を合わせる場では、耳を開けておきましょう。「聞こえていなかった」は挨拶をしない理由にはなりますが、声をかけたにも関わらずスルーされた、という事実は人を傷つけるきっかけにもなります。自分の不注意で、他人を傷つけることがないように意識しましょう。
人の好き嫌いがありすぎる
好き嫌いがありすぎて、挨拶をしない。
このパターンもよく耳にします。完全に挨拶をする人を選んでいる人です。組織では集団生活が基本なので、「好きな人とだけ付き合っていく」は成立しません。幼稚な考えを改め、会社全体の雰囲気を考慮し、挨拶くらいは行うようにしましょう。自分を小さく見せる行為は自分の評価を落とす原因にもなります。
なぜ挨拶できない人がヤバいのか?
さて、挨拶をする人・しない人のパターンと、できない人の理由について考えてきました。では。次は、どうして挨拶ができない人が「ヤバい」判定をされるのかを知っていきましょう。
学生時代の成績表にも必ず、コミュニケーションの部分を成績に表す項目がありましたよね。どうして、こういった小さなコミュニケーションが、評価の軸に加えれているのか。その理由はとても分かりやすいものなのです。
自分の機嫌が第一な自己中さん
人とのコミュニケーションが円滑にいかない人には、「自己中心的な人」というイメージがつきやすいものです。小さな頃から学校という場で集団生活を送ってきたはず。
その中では様々な人間模様が繰り広げられ、私たちは処世術というものを学んできました。人とうまくやり過ごす力を無意識に伸ばしながらも、個人の持つ個性を伸ばしてきたのです。「集団生活に溶け込むことができない」という人は、周囲を調和する力が欠けていると捉えられることがあるのです。職場では、チームを形成して業務の進行に当たります。その中で円滑なコミュニケーションがとれない=業務の妨げになると判断されてしまいます。
そもそも集団生活に向いてない
「集団生活に向いていない」という人は、それなりに存在します。
秀でた個性を持った職人やクリエイターなどの技術職を持っている方は、個人でも活躍できる場を探すのがうまいものです。
けれど、個人で力を発揮できないからといって会社で一匹狼になるのは違います。集団生活をする職場を選んだという事実があるのであれば、自分自身を客観視して開き直るのではなく、自分自身の「選択」と捉え協調性を身につける努力が必要です。どうしても周囲との調和をとるのが嫌な人は、まず自己分析からやり直すべきでしょう。
自分に自信がなさすぎる
自分に自信がないから、人に声をかけるのが億劫になる。
そんな人ももちろん多いことでしょう。とはいえ、職場では新しい出会いというものがつきもの。つい内側にこもりたくなる性格の持ち主も、外に視線を広げる努力は忘れないで。自信の無さとは、態度や外見にも表れるようになります。自分を無理に大きく見せる必要はありませんが、多少の演出があなたを盛り上げてくれることだってあります。自信がなさそうな人より、自信がある人に人はついていきたいと思うし、任せたいとも思います。自己プロデュース力をつけ、自分がどう見られたいか? そうなるためにはどうすれば良いか? を考えてみましょう。
仕事でコミュニケーションがとれない危険性
挨拶はビジネスの基本……ではなく社会性の問題にも当たります。
挨拶ができないことで、相手に不快感を与えているという事実に気づかないことが、すでにコミュニケーション能力の欠如です。
そんな基本を知らないことが、いつか大きな伝達ミスや抜けになることも……。仕事の基本である、人に伝える・聞く能力や欠けているということは、仕事で致命的なミスを引き起こします。機械で置き換えられる仕事が今後もどんどん増えていきます。その中で必要なことこそが、コミュニケーションと信頼関係。自分を苦しめることにならないよう、基本はしっかりと押さえていきましょう。
対処法
挨拶などの小さな積み重ねが私たちの信頼関係を築きます。信頼関係や、気遣いというものは人間社会にとって必ず必要になるもの。とはいえ、もちろん今後も挨拶のできない人と出会う場面はたくさんあることでしょう。今度はそんな挨拶のできない人に出会った時の対処法です。
名前を入れて挨拶する
普段そんなに直接的に人とコミュニケーションをとることがないからこそ、名前を呼ぶという行為が相手に安心感を与えます。誰に話しているのかがわかるように「〇〇さん、おはようございます」と声をかけることで、身近に接することのできる人という印象をつけましょう。お互いの名前を呼ぶ回数を増やすと、コミュニケーションはずっととりやすくなります。
割り切って付き合う
何度挨拶をしても返事が返ってこない人とは、完全に割り切って付き合う他ありません。とはいえコミュニケーションを断つという選択肢を自ら選ぶ必要もありません。相手の印象が悪くなるだけのことなので、あなたは変わらず声かけを継続して。「返事が返ってくるから挨拶をしているわけではない」と割り切りましょう。届く人にだけ届くものなのです。
「挨拶すること自体に価値がある」
誰とも話さない日が続くと、声を出すという行為が難しく思えることもあります。だからこそ、発声練習を兼ねて気持ちの良い声掛けを継続していきましょう。
当たり前をこなせない人が増えているからこそ、日常に溢れている小さな声かけをできる人に、人は集まるものなのです。そのコミュニケーションスキルは、歳を重ねるとマネジメントスキルに変わってきます。人に教えるという行為は組織にとって必要なものです。自分の協調性を活かせる環境を今のうちに作っていきましょう。