ストレス解消のためには、ストレスを緩和する脳内物質を作ることが求められます。脳内物質はたんぱく質ですから、たんぱく質を摂取する必要があります。
また、うつ病には、食事療法がありますが、抑うつ気分、不安、意欲低下を抑える食品があります。これらの症状はストレス改善に役立つものです。
これらのことから、ストレス解消のために積極的に取り入れたい食品を紹介します。
脳内物質の原料摂取
ストレス改善に役立つオキシトシン、セロトニンなどの脳内物質は、チロシン、トリプトファンなどのアミノ酸から作られています。
チロシンは、ピーナッツ、大豆、チーズなどの乳製品、たらこなどから効率的に摂取できます。
また、トリプトファンは、大豆、カシューナッツ、肉類、カツオ、マグロ、チーズなどから摂取できます。
ストレス解消のために積極的に取り入れたい食品
鉄分
女性は鉄分が不足しがちになるのはご存知の通りです。
鉄が不足すると、自律神経の乱れや体調不良を引き起こし、イライラ、意欲低下などのストレス症状が出現します。
鉄の摂取を補う食物としては、レバー、赤身の肉、サンマ、カツオ、マグロ、大豆、野菜、海藻に多く含まれています。
亜鉛
亜鉛は、精神的にもっとも頻繁に影響を及ぼします。オキシトシンやセロトニンなどの脳内物質などをつくるために亜鉛は欠かせません。
現代の食事では、インスタント食品、白パン、砂糖などを摂取する機会と摂取量がふえています。これらの食品は、高度に精製されるプロセスで、自然の亜鉛が取り除かれてしまいますので、亜鉛不足になりがちなのです。
亜鉛が不足すると、イライラ、集中困難、抑うつ気分などの症状も出現します。
亜鉛は牡蛎、ナッツ類、穀物の種子に含まれます。
GABA
GABAには、気持ちを落ち着かせる「抗ストレス作用」があります。
GABAは、興奮系の脳内物質の分泌を抑え、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせ、リラックス状態をもたらす作用があるのです。
トマト、なす、アスパラガス、かぼちゃ、きゅうり、メロン、みかんなどに含まれます。
タウリン
タウリンは、興奮やイライラを抑えてくれます。タウリンは必須アミノ酸ではありませんが、体内では必要としている量の10%も作ることができないため、食物から摂取する必要があります。
タウリンは、シジミ、イカ、カキ、マグロなどの魚介類に多く含まれます。
メチオニン
必須アミノ酸の1つであるメチオニンには、気分を高める効果があるといわれています。
メチオニンは脳内でのセロトニンレベルが高めることが確認されています。
メチオニンを含む食品としては、カツオ節、シラス干し、すじこ、マグロ、凍り豆腐、ごま、脱脂粉乳があります。
葉酸
国立精神・神経医療研究センターの研究では、うつ病の人の多くが、血液中の葉酸値が低いという結果が出ました。
葉酸は脳内物質などの合成に関わるビタミンの一種で、葉酸不足がうつ病発症のリスクになることは以前から指摘されています。
葉酸はアスパラガス、ブロッコリー、ほうれん草、白菜などの葉物野菜、納豆などに多く含まれています。
テアニン
緑茶も積極的に飲むとストレス解消の効果があります。緑茶を週に4杯以上飲む人は、3杯以下の人よりうつ病の人が少ないという調査報告があります。
テアニンは、緑茶のほか、葉物野菜、納豆、魚、お茶に含まれています。
ビタミンB群
ビタミンB群は、脳や神経の調子を整える作用があり、うつ病やストレスの改善効果があります。なお ビタミンB群が不足した場合には、不安神経症(不安感にかられやすい病気)の発症リスクが高まることが知られています。
マグネシウム
うつ病で自殺企図あるいは自殺未遂経験のある患者では脳脊髄液中のマグネシウム量が低いこと、抗うつ薬は脳内マグネシウム量を増やす作用があること、糖尿性うつ病患者へのマグネシウム投与で成果をあげていることなどから、マグネシウムはうつ病に有益であるとする報告があります。
マグネシウムを含む食品としては、葉野菜、ナッツなどがあります。
ビタミンC
ストレスを受けると、体内では細胞を傷つける様々な物質が生成されることが分かっています。「ビタミンC」には、細胞が破壊されることを防ぐ作用があります。
ビタミンCは、レモンなどの柑橘類 や イチゴに豊富に含まれています。
カカオ成分
砂糖の添加を減らし、カカオ成分の割合を高めたダークチョコレートがお勧めです。
カカオには 抗酸化作用や美肌効果、ストレス解消、心疾患リスクの軽減といった効果があります。
オメガ3系脂肪酸
現代人に不足していると言われる「オメガ3系脂肪酸」ですが、脳の働きを高める作用があり、ストレス解消に効果的です。
オメガ3系脂肪酸は、イワシ、サバなどの青魚、アブラナ(キャノーラ)、ダイズ油、エゴマ油などに含まれています。
イラスト:ぶちねこなみさんによるイラストACからのイラスト
終わりに
食べること自体、ストレスの改善に役立ちます。
ですが、ストレスが蓄積すると、太ることがあります。これを「ストレス太り」と呼びます。逆に、食事制限ダイエットも度が過ぎると、栄養不足からのストレスが蓄積するので注意が必要です。
食事は適切な量とバランスをとることがもっとも大切。
ぜひこれらの食品をとることを日頃から意識してみてくださいね。