目的を見失わず、誠実に歩みを進める。平沢七瀬さんが心地よく仕事を進めるための5つのルール



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フリーランスで、依頼された企業のSNS運用代行やコンサルティング、コンテンツ制作等を行っている平沢七瀬さん。過去には鉄道会社に勤めていた経験もあることから、会社員でいることとフリーランスでいることの両面の弱み・強みを分析して仕事を行っていると言います。彼女がフリーランスになってから意識している5つのルールとは?

【その先】を考える

趣味で始めたインスタグラムのフォロワー数が増えたことによって、企業のプロモーション案件や運用代行の相談をもらうようになったという平沢さん。自分発信の情報に、共感してくれる人や好きになってくれる人、自分を選んで仕事を依頼してくれる人がいると気づいたことが彼女にとっては大きな転機となりました。

「関わる相手(企業、お仕事相手、フォロワー)のことや、この仕事の先に目指すものは何か? という先をいつも想像しながら、目の前の仕事を地道にコツコツ続けています。
学生の頃から、インターネットを使って人を呼び込むことがしたいという気持ちがあったので、大学を卒業したあとは施設の運営や移動手段も確保できる、鉄道会社に入社しました。もちろんジョブローテーションがあるので、配属場所が自分の希望に沿わない時もありましたが……企業と消費者をつなぐものに興味があるのはずっと変わっていません。それが最近ではSNSでできるようになったと気づいたのがとても大きかったです。自分発信の情報で、人の心や行動に影響を与えられると気づいたからです。それに気づいた時にフリーランスになる、という決意をしました」

【おかげさま】の気持ちを忘れない

「フリーランスになってから、いちばん意識していることです。仕事があることは当たり前じゃなくて、すべて誰かのおかげで成り立っているということを忘れない。

フリーランスになると、自分の実績や繋がりから、仕事が広がっていくことが多いです。私もそうして仕事ができていったので、ひとつひとつの仕事に、常に“おかげさまで”の気持ちを持って丁寧にお返しをしなければいけない。たとえば、(フォロワー数など)数字だけで人を判断をされるのが仕事なのであれば、同じフォロワー数の人に比べて私には何ができるか? を考える。他の人と比べてレスポンスを早くするとか、丁寧に仕事をこなすよねってところが、仕事相手を選ぶ基準に繋がってくると思っています。枠で決められた業務以外の範囲はおかげさまの気持ちでこなしていく。そんな心づもりでいます」

選ぶ勇気を持つ

フリーランスという働き方は、会社員とは大きく異なります。定期的に決まった収入があるわけではないため、もし自分に仕事がなくなってしまったらどうなるか? と考えてしまうことによって、精神的に不安定になってしまうケースも。平沢さんも、フリーランスになってから、仕事の受け方については深く考える機会があったそうです。けれど、フリーランスになったからこそ、付き合う人や仕事との向き合い方をこれまで以上に重視するようになったと言います。

「フリーランスになって、仕事や役割を、より自分で選択することが多くなりました。自分が考える企業の位置付けだったり、自分の役割だったり、発信する内容については、とにかく細かく打ち合わせを重ねるようにしています。合理的なことを優先させるときもあれば、フィーリングを大事にするときもある。いつも自分なりに考えて、自分の意志で選ぶことを怖がらないようにしています。依頼される立場にいると、YESとNOをハッキリ伝えるってすごく難しいように思えますが、それって実はとても大事なことですよね」

【好き】の気持ちに素直になる

「企業の依頼であっても、宣伝と広報の違いがわからなくなってしまっているパターンがあります。宣伝は英語にするとadvertisement、ある種少し大げさな表現をしてでも広げることです。それに対して広報はpublic relations。広報はステークホルダーとのコミュニケーションをとること。SNSを使ったお仕事の依頼は、とくにこれがごっちゃになっているケースが多いと思うんです。けれど、これらの違いをきちんと理解した上で仕事を進めなければ、目的も手段も定まりません。

私の場合は、自分が好きなものを発信していることによって、お仕事をいただくことがありますが、これは好きなものは素直に好きと表現しているからこそ。決して、宣伝活動をしているからではありません。だからこそ、広報として仕事をするためにまずは自分が好きなものに対して好きだと言えるようにならないといけないんです。

だからこそ好きなものは素直に、積極的に発信していきたい。世の中には可愛い人もすごい人もたくさんいます。そんな中から、私を見つけて好きになってくれる人には、きっと何か身近だと感じてもらえるようなものだったり、好きなものが共通だったりと、接点があるはずだから。自己発信が力になる時代だからこそ、発信することを恐れずに継続する。実はこれって、嫌われることを恐れてばかりいると難しいことなんですよね」

自分を大切にする

仕事に信念をもち、自分の足で立っている平沢さん。
仕事とプライベートをわけづらい環境だからこそ、オンとオフの使い方にも意識していることがあるのだとか。5つ目のルールは、自分を大切にすること。

「無理をしない。しっかり休むことを心がけています。自分が大切にしている気持ちや、自分なりのペースっていうものを守ってあげることです。土日が休みだと決まっているわけではないし、スマホひとつあればどこでも完結するお仕事をしているからこそ、オンとオフの切り替えを上手に作らなければなりません。最近のお気に入りは、ホテルでのアフタヌーンティー。カフェとは違って、席と席の間に距離があるので、雑音が気にならないのがお気に入りです。隣同士が近いと、どうしても他人の発言が気になってしまうので、あえてノイズが入りづらい環境を選んでリフレッシュします」

仕事関係者だけでなく、発信する情報、そしてそれが届くフォロワーにまで視野をいき届かせる仕事だからこそ、一人の時間に没頭する機会を意識的に作ることも大切なんだと平沢さんは言います。

「香りものが好きなので、気持ちを切り替える意味もこめて、香りのある生活をしたり、好きなアニメやディズニー、舞台を見るなどの世界に浸ることもあります。紅茶やお菓子が好きなのでおしゃれしてアフタヌーンティーもそう……自分が好きな世界観に浸る時間を持つことが私にとっての休息です。関わる人はたくさんいますが、ある意味フリーランスは自分との向き合い方もとても重要になる仕事。きちんと自分の機嫌をとってあげられるよう、オフも充実させていきたいです」