転職は効果的?心理学観点からみた仕事を変えるプラス・マイナス



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なんのために転職するの?

「結婚したあと、今の会社を働き続けて平気なのかな」「産休後にきちんと復帰できるか不安…転職も視野に入れようかな」なんてことを考えているあなたに朗報です。今回は転職は効果的なのかどうか? を心理学観点からお話していきたいと思います。 転職に悩んでいるあなたにピッタリ。是非ご覧ください。

1.【転職をどう捉えるか】ポジティブな転職はうまくいかない?!

そもそもなんのために転職するのでしょう?
将来が不安、給料が安い、産休後も今と同じポジションで仕事ができるかわからない……。人それぞれ、色んな理由があるでしょう。

結論から伝えると、会社の環境や制度にマイナスな理由がたくさんあるなら 是非転職“すべき”です。今の会社に大きな不満があり、将来が不安。そんなあなたは今すぐ転職を考えてみても良いかもしれません。

逆に、「今の会社に不満があるから、転職して薔薇色の人生に変えるんだ!」という理想を強く抱いている人は止めておいた方がいいでしょう。こんなデータをご紹介します。

2002年にニューヨーク大学のエッティンゲン博士が83人の学生に行った調査です。この調査では”就活をするタイミングで、卒業したあとのキャリアをただポジティブにイメージしてもらい、2年後にどうなったのか”を調べました。
結果、就職に対してポジティブなイメージをした学生ほど、企業からの求人も少なく、就職しても給料が少なかったというものになりました。

つまり、「ポジティブに考えていると転職は失敗しやすい」のです。 何事もポジティブに考えた方が良いよ、と思っているポジティブシンキング信者には驚きの結果です。

理由は、“不安”が行動を促すから

では、なぜ転職するにあたって、ポジティブに考えることは危険なのか。
それは「ポジティブに考えていると準備を怠るから」なのです。

人間は“不安”があると行動を起こしやすくなります。
「あなたは今から無職です」という現状になったら、きっとあなたはがむしゃらに仕事を探すでしょう。だって生活費がないと、生きていけないのだから。
けれど、「趣味のために毎日3時間、別の仕事をしよう」と言われても、別に今以下の生活になるワケではありません。なのでほとんどの人は、別の仕事に継続的に力を注ぐなんてことはできないのです。

不安だから、たくさん準備して「失敗できない」という覚悟のもと転職先を探します。雇用形態や仕事内容、産休後のシステムなど、自分が気になる条件面についても必死に調べるでしょう。 その“不安だからこそ真剣に行動できる”、ネガティブシンキングが転職をうまくいかせるコツとも言えます。

2.【今の職場のネガティブをチェック】

「転職したけども、前の職場の方が良かった……」なんて悲しいことが起こらないように、 徹底的に調べるのは良い方法です。
けれど、ここで注意するべきなのが、給料や福利厚生、休暇の日数などで転職先を決めてしまうことです。もちろん転職となると、給与などの比較も必須ですが、調べる条件によっては後悔しやすくなる傾向にあります。

今の職場を客観視するときに追加しておきたいのが、“職場の雰囲気や働き手がどのくらい自由に仕事をしているか”です。これはとても重要なことです。なぜなら退職のきっかけとして理由に挙げられるのが、「給与の低さ」について「やりがい・達成感のなさ」、「企業の将来性」、「人間関係」などの環境にあるからです。(8,600名に聞いた「退職のきっかけ」調査/エン・ジャパンより)

職場の雰囲気

まずは今の職場の雰囲気をチェックしてみましょう。

「○○ちゃんって可愛い顔してるけど仕事は全然出来ないの。気が利かないし」「業績がずっと悪いからこれからどうなるか…」というようなネガティブワードが連発される職場の環境は良いとは言えません。この場合は転職した方が良いでしょう。人間はネガティブな情報を浴びれば浴びるほど、ネガティブになっていく傾向があります。

1で紹介したネガティブは「不安だから行動できるネガティブ」ですが、このように職場で浴びせられるネガティブワードは「ただただ、うんざりした気分にさせられるネガティブ」。
この2つのネガティブの質はまったく違います。

人間はネガティブな情報を浴びれば浴びるほどネガティブになるということを心理学で証明したものがあります。
「100人村実験」というもので、100人から200 人くらいの小さな仮想村を作り、住民にひたすらネガティブな情報を浴びせました。「この村は景気が悪いよ」「どうしようもないよ」 という感じに。その結果、住民たちは次第に買い物を控えるようになり、気分は沈み、村全体が暗い雰囲気に包まれました。そう、このようにネガティブワードや愚痴を連発するような職場に“明るい未来”は期待できないのです。

働き手がどれくらい自由に仕事をしているか

次に見ておきたいポイントが「働き手がどれくらい自由に仕事をしているか」です。 まったく自由に仕事をさせてもらえず、完全マニュアル通りに自由を認めないようなとこ ろで働いていても身体を壊すだけ。
そして自由に働いていた方が仕事の効率も良いのです。オーストラリアのメルボルン大学のコーカー博士が300人を対象に行った実験では、勤務時間の20%以下という条件でネットサーフィンをしていた人はしなかった人と比較して、生産性が9%も高くなりました。 すなわち、ある程度自分の裁量で仕事が出来た方がメンタルヘルスにも良いし、仕事の効率も良くなるということ。
そして、それが自己肯定感に変わり、仕事が楽しくなるという好循環が生まれます。給料や福利厚生などだけでなく、こういうポイントも見ておきたいところです。新しい職場で、もし今以上に自由で過ごしやすい環境が用意されているのであれば、前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。

「ネガティブ」に着目することで転職がうまくいく

いかがでしたか。転職しようか迷っているあなた。
“ネガティブシンキングから沸き起こる不安を元に行動し、徹底的に今の職場と転職先を比較”しましょう。
未来の自分を変えられるのは自分だけです。悩んでいるだけでは変わりません。今の職場が良いのか、それとも転職をして新しい環境で過ごすのか。アクションを起こすのもあなたです。