Q. 「仕事の質問をすると怒られてしまいます…」
出版社の営業アシスタントとして勤務していて、書類作成が主な業務です。営業がとってきた案件を資料にまとめるとき、当然営業と確認しなければならないところがたくさんあります。しかし質問されることを相手は嫌がり「なんでも質問しないと分からないの?」と怒ってきます。また、資料にもう少し情報を加えた方が良いと思ったのでそのことを伝えたら
「随分と生意気なこと言うのね。私がこれで良いと言っているんだから良いでしょ」と言われました。相手は私の少し歳上の女性で、営業成績はトップです。しかし自己中心的な所があり、私以外の営業アシスタントも同じ嫌な思いをしており、そのひとが原因で退職者も多いのが事実です。
また、私がいない所で「あの子は協調性がなくて向いていない」、「正直いなくても良いのに…」などと他の営業に言っていたようで、正直混乱しています。本当に協調性がないだけなのでしょうか? 営業の女性との関係に対して、私は今後どのように対処していったらよいのでしょうか。(まりな/出版社勤務/29歳)
A. 可能性はアリ!
ハラスメントに該当するといえます。
たしかにその方は、営業成績がトップで実力や実績はあるのでしょう。けれど年上の方であって、キャリアも上の人間が、他の営業に悪評を流す行為……それ自体は、ハラスメントに該当します。
パワハラは、一応の定義として「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」をいいます。まりなさんは出版社に勤務していて、他の営業アシスタントも同じような被害にあっているのであれば、職場環境を悪化させているのには間違いがありません。
また、業務上の注意などであればまだしも、協調性がない、というのはたぶんにその上司の主観的評価に大きく依存しているものですから、業務の適正な範囲内とは判断されないでしょう。
回答者:弁護士 齋藤 健博
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTube動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=gd8rwOXDKp0