Q.「健康診断結果を、会社内で言いふらされています……」
健康診断結果を、会社内で言いふらされています。
どうやら健康診断結果の書類が無造作に置きっぱなしになっていたのが原因のようです。
私の会社は、管理部門以外は席が固定ではないフリーアドレス制です。なので、机の上に情報を置きっぱなしすると、色んな人の目に入ってしまうのです。
私は人よりぽっちゃりした体型なので、他人に知られたくないという気持ちが強く、管理部門の人にも「個人情報なのできちんと管理をしてください」と伝えていました。けれど、それを聞いた担当者は「ちょっと気にしすぎなんじゃない？」と笑ってごまかすだけ。後日ようやく書類を締まってくれましたが、数日間はそのままの状態でした。
案の定、会社の飲み会に行ったとき。出てきた肉料理を食べようとしたら同僚が笑いを含めながら「かなこちゃん〇〇kgもあるのに、お肉食べて大丈夫なの？ダイエットは？」と笑われました。大人数参加の飲み会だったので、私の体重を社内のたくさんの人に知られてしまったかと思うと、恥ずかしくて仕方ありません。もちろん痩せろと言われたらその通りなのですが、健康診断結果の結果が人の目に入る場所に置きっぱなしだったのも含め、個人情報の取り扱いには慎重になるべきだと思うのですがどうなのでしょうか？（コンサルティング会社勤務/かなこ/32歳）
A. 不法行為責任とセクハラ、どちらも該当します！
会社の個人情報保護は、古くは所持品検査にはじまり、電子メールのモニタリング・PCの私的利用、写真撮影や録音など、多くの問題を抱えています。中でも健康情報は、労働契約法５条に基づく労働者に対する安全配慮義務を追っていますから、採用後の検診受診義務が義務付けられている（労働安全衛生法に定めがあります）
以上、当然に個人情報保持を怠る場合には、法人側に不法行為責任が発生します。また、管理部門の方が管理を怠ったのであれば、不作為による責任追及も視野に入ります。
さらに、飲み会の場での発言はある意味ハラスメントが成立し得る局面ですから、セクハラ・パワハラが成立すると言えます。まずは、数日間放置された文書の管理責任をめぐって、問題提起することが根本の原因ともとらえられるのですから、これを問題提起してみるのは一つの手段ではにないでしょうか。
回答者：弁護士 齋藤 健博
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。ハラスメント問題や浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTube動画URL：https://www.youtube.com/watch?v=gd8rwOXDKp0
