求人数が増えるタイミングはいつ? 転職活動を開始するのに良い時期は



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最適なタイミングで転職活動を開始するには?

Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
先日、知人から長野で採れたりんごをお裾分けされました。まずその大きさにびっくり!東京のスーパーではまずお見かけしないサイズです。ずっしりと重みがあり、切ってみると中心部に蜜がぎゅっとつまっていて、あまく、すっぱく、味が生き生きしてとても美味しいりんごでした。旬の味とはこういうものなのだなと実感した朝でした。

さて、転職相談を受けている中で多い質問のひとつに、「企業からの求人数が増えるタイミングはいつ頃なのでしょうか?」というものがあります。転職活動を有利に進めるため、少しでも求人数が多い時期に活動したいというお気持ちなのだと思います。

ごく一般的な企業の【中途採用の動き】

今回のテーマは「最適なタイミングで転職活動を開始するには」です。

結論から言うと、年間を通じて「企業からの求人が飛びぬけて多くなるタイミング」というのは「ない」とお考えいただくのが正解かと思います。

ごく一般的な企業の【中途採用の動き】をみてみましょう。

4月

新卒受入れの教育に注力するため、中途採用よりも人材教育にマンパワーを割く必要が。ただし、人事が採用と教育を完全分業制にしている会社はこの限りではありません。

5月~6月

新卒を各部署に配置してみて過不足調整を行う時期。いわゆる「5月病」による早期退職した新卒の代わりを第二新卒で補う動きも。

7月~8月

夏のボーナスを貰って辞める層を想定した補充の動き。また、来期の新卒採用に向けた計画もこの時期にはじまります。

9月

下期の中途採用計画を一旦見直す時期。上期の目標達成状況に応じてここで微調整します。また、来期以降の新規事業立ち上げに必要な人員数等がここで加えられる場合もあります。

10月~11月

一番人事が中途採用に注力できる時期。この時期に、「前職の夏のボーナスを貰ってから転職活動を開始した人たち」の採用がうまく進むかどうかで、年間採用計画の達成可否が見えてくる時期です。

12月

冬のボーナスを貰って辞める層を意識する時期ですが、年末年始休暇を挟むことから、若干スピード感はゆるまります。

1~3月

来期(4月入社層)と今期中の採用とを両方にらんだ動きが活発化します。4月入社ならば新卒社員と一緒に研修を行うことができること、年度切り替えに伴う退職者の人材補充が必要になることもあり、人事としても忙しい時期。

年間計画に組み込めないこと、例えば想定していない退職者が出たりすると上記のようなスケジュールで進まないこともあります。多少の変動・うねりはあるものの、その差は本当に微々たるものです。そもそも中途採用は【時期的なタイミング】より【社会全体の景況感】に左右される方が多いのです。あと2ヶ月待ったからと言って求人数が劇的に増える・減るという事は、ないと考えましょう。

活動を遅らせる事で、かえって今ある求人数が減るというリスクも考えられます。求人状況を踏まえて転職時期を決めてしまうのはお勧めしません。
転職活動は本当に不確定要素が多い活動です。一生懸命活動したからと言って「今より良い職場」に転職できるという確証のない活動です。出来るだけ成功率の高いタイミングに活動をはじめたい・より選択肢の多い時期に有利に事を運びたいという気持ちもわかりますが、時期を見定める事ばかり気にかけて、肝心の自分の状況を考えずに転職時期を決めるのは本末転倒なのです。

転職活動を開始する時期は?

そうは言っても、やみくもに転職活動をスタートするリスクは最小限に抑えたいですよね。
転職活動を開始する時期については、次のポイントを押さえることをおすすめします。
大切なのは以下の3点です。

1.現職の状況を見極める
2.転職市場の動向を見極める
3.ご自身の年齢…一番高く売れる【旬】を逃さない

細かく紹介していきましょう。

現職の状況を見極める

例えばITエンジニアの場合、担当しているプロジェクトのリリースのタイミングがもっとも転職しやすい時期ですし、保育園や学校等の教諭職等は、担当しているクラスの切り替わる年度末などに限られてくると思います。さらに、ボーナスを受け取ってから退職したいという方もいるかと思いますが、その場合は転職活動開始から決定までに要する期間を考慮しましょう。

●応募書類の準備(作成~修正):数日~1週間前後
●書類選考:数日~1週間前後
●面接(数回):3週間~1ヶ月前後
●内定受諾&退職準備期間:1ヶ月~2ヶ月前後

特殊な事例を除き、スムーズに事が運んだとしても、2か月から3か月は必要です。中には半年以上の長期戦を強いられている方もいらっしゃいます。

転職市場の動向を見極める

転職市場全体の動向は景況感によって影響を受けます。リーマンショック時、前月まで200ポジション以上の中途採用を行っていた外資系超大手IT企業が、たったの3ポジションまで採用活動を絞り込んだことがありました。しかも、事情をヒアリングに行ったところ「本当のところ中途採用はゼロだけど、ホームページ上【採用ゼロ】と掲載すると、会社の業績悪化が不安視されて、さらに状況が冷え込む悪循環が考えられるので、3ポジション残しているだけ」と説明されて愕然とした経験があります。

上記はかなり特殊な事例ですが、景況感以外にも中途採用事情は各社それぞれです。「重要なポジションで退職希望者が出た」「新規事業を立ち上げたいが社内にリソースがない」「事業が好調で増員したい」などです。こういったセンシティブな内部事情は個人では情報収集することはほぼ不可能ですから、人材紹介会社が持っている情報を上手に活用しましょう。

年齢…あなたの“旬”はいつですか?

インターネット上に溢れている求人票を眺めてみてください。20代後半~30代前半までのリーダークラスを想定したニーズが最も多いことがわかります。新人教育等を行う体力のある企業が減り、即戦力を求める傾向がさらに強まっているからです。
企業によっては、30代後半~40代前半までのシニア層のニーズもありますが、採用条件は大変ピンポイントなものになります。(そんな人、この世にいる?いたとしても、この会社に応募してくる??と思わず言いたくなるような条件を掲げる企業も…)

日本では(表向き)採用において年齢制限は禁止されています。雇用対策法第10条で「事業主は、労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」としているからです。また、日本の人口ピラミッド構成を考えると、従来の「20代後半~30代」に企業側も固執していられない時代がすぐそこまで来ていると考えられるため、今後はあまり年齢を気にせず転職に活路を見出す方も増えてくるかもしれません。
ただ、個人のキャリア形成に有利に物事を進めるための最適な転職の時期=旬はやはり存在すると思われます。あなたの職務経歴書を見直してみましょう。ストロングポイントはどこでしょうか? その経験を一番高額で買ってくれる求人票は見当たるでしょうか?
そこを見極めるのは、個人での判断は難しいかもしれません。

まとめ

転職活動に最適なタイミングは、求人数が多い時期を見定めることに注力するのではなく、自分の旬の時期を見定めてこそ見えてきます。その際、自分の力だけでなく、外部のサービス(人材紹介会社のリソース)をうまく活用することも検討してみましょう!

それでは、またお会いしましょう。ごきげんよう!

キャリアアドバイザーA