黒字なのにリストラ?! 業績に関係なくリストラが起こる理由と回避法



Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
インフルエンザにかかってしまいました…。さして高熱ではなかったのですが、喉と体の節々の痛みがひどかったのと、前日に同じ部署の社員がインフルエンザにかかった報告をうけていたので、念のため病院へ行って発覚しました。
予防ワクチンをうけていると、発熱が低めに抑えられることがあるのだそうです。
普段の私であれば、あの程度の体調不良なら多少無理してでも出社していたと思います。そして、無意識にインフルエンザをまき散らしていた可能性も大。通勤電車内で、オフィスで、帰宅時に立ち寄るスーパーで……。そう考えるとちょっとぞっとしてしまいました。
折しも世間は武漢発の新型コロナウィルスによる肺炎の話題で持ち切り。人はつい「うつされる側=被害者」の気持ちで物事を見てしまいがちですが、自分がうつしてしまう側=加害者になり得るものだな、と反省した朝でした。

黒字リストラ、どうして起こる?

さて、今回のこのコラムのテーマは「黒字なのにリストラ?!」です。
一昨年あたり前からまた、大企業の人員削減のニュースをよく聞くようになりました。今までの「不景気のための人員削減」という状況とは違います。企業の業績自体は好調でも人員削減を行うタイプで、いわゆる黒字リストラと呼ばれるものです。

リストラによる退職者数は、6年ぶりに1万人を超えた

昨年のリストラによる退職者数は、6年ぶりに1万人を超えました。東京商工リサーチの調べによると、昨年1月~9月に希望退職や早期退職者を募集した上場企業は、27社。対象人員は1万342人。昨年全体では、リーマンショック後の2010年の1万2,232人を超える勢いだったとのことです。

過去のリストラとの大きな違いは、「企業の業績は好調なのにも関わらずリストラが断行されている」というところです。先述の27社のうち3分の1の会社の業績は好調に推移していました。業種も製薬メーカーや銀行、飲料メーカー、電機メーカー、IT企業と多岐にわたっています。

どんな理由で、業績好調にも関わらず大企業はリストラを断行するのでしょうか。
また、どのような層がターゲットになりやすいのでしょうか。

黒字リストラが起こる理由は?

主なリストラ理由を4つ挙げてみます。

在籍社員のいびつな年齢構成解消のため

とくに1986年から1991年のバブル期入社組の50~55歳の世代はターゲットです。この年代は突出して人数を多く採用していて、年齢構成ピラミッドを歪ませていることに加え、彼らの人件費が会社経営に重くのしかかっていることも多いのです。この層にメスを入れることによって、人員の適正化を図ろうとする企業は多いです。

新規事業参入等、企業の中長期戦略を見据えた際戦力とされない社員の放出のため

既存のビジネスから新規ビジネスにシフトする場合、能力的に追いついていけない人、新しい技術をキャッチアップする意欲がない人、これまでの自分の職務に強いこだわりを持ち過ぎて配置転換に消極的な人。これらもリストラターゲットになりやすいといえます。

AIやRPA技術の発展に伴う業務効率化

いわゆる「AIに代替されやすい仕事をしている人」です。
例えば銀行業務がIT化でスリム化された結果、今回のメガバンクの大型リストラにつながったといわれています。銀行業務が、いわゆる「AIが得意とする領域」に親和性が高かったからです。アドバイザリー・融資審査業務の代替等がその代表例です。

わざわざ店舗で振り込み手続きしなくても、インターネットバンキングで事足りている。日頃の買い物は電子マネーで決済している。「そういえば最近銀行の店舗には行っていないわ」と思い当たる人もいらっしゃるのではないでしょうか?
この現象は、もちろん銀行業だけに留まらず、幅広い領域に今後どんどん広まっていく傾向にあります。そして、その流れは誰にも止められません。

『高年齢者雇用安定法』の法改正を見据えたリストラ

あなたが今お勤めの会社の定年は何歳ですか?
日本政府は今、70歳までの就業を目指した『高年齢者雇用安定法』の法改正を行おうと検討中です。ある一定以上の規模の会社に努力義務を課す内容ですが、いずれ義務化されるようになるでしょう。何といっても「一億総活躍社会」です。

年金の支給時期を延長させたい政府の意図によるこの法案、一見「労働者の雇用安定につながり」、「年金受給時期まで安心して働ける職場づくり」に役立つように見えますが、企業側としては(70歳まで雇用するなど)予期していなかった重い人件費負担が課せられることになります。できれば避けたいのが大企業の本音でしょう。

結果、45~50歳前後の社員を対象とした「キャリア研修」が増えているのをご存知でしょうか。今後65歳、70歳まで働くことを見据えて、これまでの自分自身の経験を今後のキャリアにどう生かしていくか見つめなおしてみる研修。外部講師を招いて、人生後半戦についてじっくり考えてみよう。という趣旨の研修を行うのです。
その中には『セカンドキャリア支援制度』『キャリアチャレンジ応援制度』などという名称で外部での第二の人生を検討させるもの、「今なら退職金割増制度適用!」として退職を促すものも多いです。

ここまで読み進めてきた方なら、私たちは「大手企業に就職すれば安定」とは到底言いきれない、長年企業に貢献してきたビジネスマンでも企業からあっさり切り捨てられる時代に生きていることがお分かりになったと思います。

リストラターゲットにならないためにできることは?

もう一度、リストラの理由を眺めてみてください。
1つめの「在籍社員のいびつな年齢構成解消のため」、と4つめの「『高年齢者雇用安定法』の法改正を見据えたリストラ)」は、年齢によるものです。
時間は平等。人は誰でも年を重ねていきます。この世代になるまでに、できることを考えましょう。
AIに代替されにくいスキルを身に着けることを検討してみても良いかもしれません。

次回は「AIに代替されにくいスキル」について考察したいと思います。
既にいろいろな方が掲げているテーマですが、Cinqの読者の皆さんに特に身近に感じていただきたいと考えています。

それでは、またお会いしましょう。ごきげんよう!

キャリアアドバイザーA