失礼がないように意識しすぎて……
相手を敬うときに使う敬語ですが、多く使えば良いというわけではありません。丁寧な敬語を使う事を意識しすぎてしまい、「二重敬語」になっていませんか? まわりくどくて相手に伝わりにくいことや、失礼になる場合もあります。敬意を表す事はとても大切ですが、かえって逆効果になっては意味がありません。
他にも間違った言いまわしなど、日常的に使われているけれど、実はNGな敬語は数多くあります。今回はよく使うけれど間違いやすい敬語をご紹介します。
気を付けたいビジネス用語
二重敬語
〇→何時にお戻りになりますか?
「お~になる」の尊敬語に尊敬の助動詞の「~れる」がついていて二重敬語です。
〇→拝見してもよろしいでしょうか?
「拝見する」は「見る」の謙譲語で、「いただく」は「もらう」謙譲語。×は謙譲語を重ねた2重敬語になります。
「~のほう」
〇→書類をご覧ください
「〜のほう」がなくても通じる内容につけてしまうことが多いと思います。
「~のほう」は方角や複数の選択肢がある状態で使用したり、ぼかすときに使うのであればOKですが、上記の例文でもわかるように、指すものが1つしかない時に使用したり、ぼかす必要がないときはNGです。使っている方は省く事を意識してみてください。
「~のかたちになります」
〇→30分ほどお待ちいただきます
丁寧に伝えようとつい「かたち」を使いたくなってしまいますよね。しかし、「かたち」は形状や外形を指す言葉で、形状がないものに使うのは間違っています。シンプルな言い回しの方が印象も良くなるので、使わないようにしましょう。
他にもある!間違い言葉
〇→ゴルフもお好きですか?
〇→とんでもないことでございます
上記の言葉も間違いやすい言葉ですので、ご注意を。
容認されている二重敬語もある
◇お召し上がりになります
◇ご案内申し上げます
上のものに関しては、3つとも「尊敬語の重複」「謙譲語の重複」であり二重敬語。しかしこれらは習慣として定着しているので、問題のない表現です。
容認されることもあるので、必ずしも二重敬語がいけないとは言えませんが、上記3つ以外は極力使わないようにしましょう。
自信がなくても笑顔で
敬語になれていないうちは、敬語を上手く使うことは難しいですが、笑顔で伝えれば敬意があることを相手も理解してくれるでしょう。はじめのうちは上司や先輩が使用している言葉を真似て覚えていきましょう。
細かい言い回しや、容認されるのもあるので敬語は奥深く難しいですが、きちんと使いこなしている人には好印象を持ちます。
「みんなが使っているしそのままでいいのでは?」と思わず、中には気にする人もいるということを忘れずに。正しい敬語を使っていきましょう。