平均交際期間は、約4年!?
国立社会保障・人口問題研究所の最新の調査によると、結婚に至った夫婦の平均交際期間は4.34年。1987年の同調査では、平均交際期間が2.54年であったことから考えると、30年前に比べて約2年も伸びていることになります。
ちなみに、結婚に至った夫婦がお相手に出会った平均年齢は、男性25.5歳、女性24.1歳で、平均初婚年齢は、男性 30.1歳 女性 28.7歳であったとの結果に。つまり、女性は、24歳で出会った男性と約4年間交際し28歳で結婚というのが平均的なゴールインと考えることが出来ます。
ただし、こちらはあくまで『平均値』、参考程度に留めておくべきであるというのが筆者の考えです。
短期間の交際で結婚すると、離婚しやすい?
米エモリー大学のAndrew Francis氏とHugo Mialon氏が3000人の夫婦を対象に行った研究によると、「離婚率と結婚前の交際期間は反比例の関係がある」と結論付けられています。
この発表によると、1~2年以上の交際を経て婚約したカップルは、交際期間1年未満で婚約したカップルと比べて、離婚する確率が20%低いそう。
さらに、3年以上の交際を経て婚約したカップルは、交際期間1年未満で婚約したカップルと比べて、離婚する確率が39%低いという驚くべき研究結果が出ています。
確率論で考えた場合、もしも離婚を避けたいと考えるのであれば、交際期間が長い方が安心できるという考え方も出来るかもしれませんね。
そもそも、恋愛には賞味期限があるのでは・・?
たとえ、交際期間が長い方が離婚率が減少すると考えられたとしても、逆に、交際が長引きすぎると、「長すぎた春」といった言葉に代表されるような、恋愛の賞味期限が切れてしまうと考える方もいるのではないでしょうか。
実際に、男女が恋に落ちると、「フェニルエチルアミン」や「ドーパミン」といった恋愛ホルモンが分泌されはじめ、これらのホルモンが分泌されるのは長くても約3年と言われています。
しかし、この期間を過ぎると関係性が維持できないのかと言えば、実は、そうではありません。
脳内物質には、エンドルフィンやセロトニンという愛情ホルモンがあります。エンドルフィンは、落ち着きや安らぎを感じるホルモンで、セロトニンは、幸福感や安定を感じる作用があります。これら2つの働きによって、恋は愛へと変わり、関係性を長く続けていけるのです。
ですから、たとえ、恋愛ホルモンの分泌が終わってしまったとしても、穏やかな愛情ホルモンに支えられて、二人の関係は末永く続けていくことが出来る。
大切なのは、交際期間の長さではなく、二人の間に信頼や思いやりがあるのか、絆が出来ているかということなのです。
故に、恋に賞味期限はありますが、愛には賞味期限は存在しないのです。
一概に交際期間が長くなったからといって、恋愛の賞味期限が切れるというわけではないのですね。
では、交際期間は長いほど良い!?
前述した通り、”①交際期間が長いほど離婚率は減少傾向がある、②たとえ交際期間が長引いてしまっても、愛情ホルモンの働きで関係性を維持できる”のであれば、交際期間は長ければ長いほど良いという考え方もできます。
しかしながら、その一方で、多様で多忙な現代社会を生きる私達が、結婚を後ろ倒しにすることによる現実的なリスクは少なくはありません。
晩婚により、結婚してすぐにご両親の介護問題が降りかかってきたというカップルもあれば、子供を望む場合においても年齢的な問題が出てきます。今や、6組に1組の夫婦が不妊(国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向調査(2015年)」より)に悩んでいるといわれ、妊娠確率は30歳を境に年々と低下していきますし、多くのデータでは、男性も35歳を境に精子の老化が始まると言われています。
結婚は現実であり、生活そのものです。決断を先延ばしにするリスクは、恋愛とは違って、より現実的な問題として現れやすいことでしょう。
交際期間にとらわれるのではなく、お二人の関係性や人生設計を考慮しながら、前向きな気持ちで「結婚」というステージを選択して頂けることを切に願っております。