【メンタルケア】怒りや不安さえも静める「アウトプットノート」の作り方



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最近なぜかイライラが止まらない。将来のことで不安がいっぱい。どうすればこの怒りや不安を解消できるだろう……
毎日見えない不安やストレスで、悩んでいませんか? 自分が今、どういう状況で、何を求めているのかがわからない。自分の心にどう向き合い、ケアしてあげるべきなのかがわからない。そんな方に、今回は筆者も実践した最強のアウトプットノートの作り方をお教えします。これで怒りや不安、自分の感情とも向き合える。ぜひ実践してみてくださいね。

なぜアウトプットが大事なのか

アウトプットとは、自分の持つ知識や情報などを、言葉や文章にして相手に伝えることをいいます。誰かに豆知識を話したり、TwitterなどのSNSに自分の考えを投稿するのがアウトプットです。この対義語はインプット。本を読んで知識を得るといった具合に、自分の中に入れていく動作のことをいいます。
今回、悩みを多く抱えている皆さんにお伝えしたいのが“アウトプットの重要性”です。

このアウトプットには記憶を定着させるなどの勉学方面の効果もあるのですが、実は「緊張や不安などを和らげる」効果もあります。 心理学者のバイロック教授が、アウトプットについてこのような実験をしました。

大学生の被験者20人に協力してもらい、数学のテストを2回やってもらいました。 1回目は「全力を尽くすように」と言い、2回目のテストの前には「成績が良いと賞金が出る」「成績が悪ければ連帯責任で他の生徒に迷惑をかける」などのプレッシャーを与えました。
そして2回目のテストの前に、半分の生徒に試験に対する不安を書き出してもらい、もう半分の生徒にはただ座ってもらうように指示。その結果、テスト前に座っていただけの生徒たちは2回目のプレッシャーを与えられたテストで、1回目のテストと比べて正解率が12%も低下しました。一方、試験前に不安を書き出した生徒たちは2回目のテストの方が成績が良く、1回目のテストに比べて 5%正解率が上昇するという結果になったのです。

つまり、不安や緊張を書き出すことによって、それらを和らげる効果があるということ。これがアウトプットの素晴らしい効果なのです。

アウトプットが苦手な現代人

さて、アウトプットの重要性を話しましたが、1つ問題があります。
それは「現代人にはアウトプットが苦手な人が多い」ということです。苦手というよりも、世間が許さない、という状況もあるかもしれません。
とにかく、今の私たちにはアウトプットする場が少ないのです。
SNSが栄えたこの現代。手法はたくさんあるのにも関わらず、「批判が怖い」「恥ずかしい」 などの理由から、自分の思いや考えをSNSで発信する人は多くないと思います。自信を持って発言したのに関わらず、思いもよらないところから批判が飛んできて、発言するのを辞めてしまった……という人も中には居るのかもしれません。

そして日本人は、社会で自分の考えをはっきりと口に出すのが苦手。周りに合わせて、とりあえず穏便に済ませようとする人が多いのが現状です。怒りを殺したり、不安を顔に出さず一生懸命働いたり。人の顔色を見るのがうまく、勤勉で真面目な性格がより自分の心に負担をかけているのではないでしょうか。

不安や怒りを解消させる2つの方法

その結果、自分が持つ不安や怒りという感情コントロールする術がわからない、どこで発散をすれば良いのかがわからず、モヤモヤとした悩みを持つことに。それもそのはず、自分の感情は、殺してコントロール出来るものではありません。無理なことを無理矢理続けていても、そのうちが限界が来ます。

不安や怒りを解消するのは「直接的な原因を取り除く」か「感情をコントロールする」かの2つしかありません。

「お金に不安があったけど、たまたま臨時収入が入ったから今月は乗り切れる」というのが前者。「アウトプットや瞑想などを用いる」のが後者です。
さすがに皆さんが持つ、悩みの直接的な原因を取り除くことは難しいので「アウトプットで感情をコントロールする方法」を伝授したいと思います。

秘術「アウトプットノート」

SNSをうまく使い、怒りや不満などをオープンに書き込めているのであれば、それはそれで良いかもしれません。けれど、世の中にはそれができない人もたくさん存在します。

そんな人にオススメしたいのが「アウトプットノート」です。日頃の怒りや、将来の不安などをノートに書き込んでいくのです。毎日5〜10個を目安に、もっと多くてもいいですし、少なくても構いません。

実はこのアウトプットノート、私自身も実践した過去があります。
少し暗い話になってしまうのですが、過去にパニック障害で自殺未遂を起こしました。未遂に終わったので、命は守られたわけですが、そこからが地獄でした。
不安だし、毎日のように死にたいという言葉が頭をよぎるのです。そんなときに、カウンセラーの方に教えてもらったのがこのアウトプット法です。
「ノートにひたすら不安を書けば、すーっと心が軽くなるよ」と言われ、藁をもすがる思いで書き始めました。

実際に使っていたノート

もしかしたら字が汚すぎて見えないかもしれませんが、これは当時抱えていた不安などを書いたものです。本当は見せるのが恥ずかしいというか、なんというか文章が暗いのでお見せするのが心苦しくもありますが、アウトプットノートの例として紹介します。

私はこれのおかげで一切精神薬を飲まずに、パニック障害を克服しました。自分の心の中にある不安や怒りをアウトプットすることで「具体的に何が不安なのか」「ではどうすればそれを克服できるか」ということを確認することが出来ます。
これは怒りでも同じ。「具体的にどういう態度に怒りを感じているか」「どうしてこんなに怒っているのか」、「では自分はどう対処すればいいのか」というのを客観的に分析することが出来ます。

これはやらないとわからない感覚なのですが、アウトプットノートの不思議なところは「書いたのは自分なのに、文字として自分の感情を見るとまるで別の誰かの感情のように思えてくる」ところです。客観的に不安や怒りに向き合うことができるのです。

終わりに

不安で押し潰されそう。すぐに怒ってしまう自分が嫌だ。

私はカウンセラーとしても活動しているので、こういった声をたくさん聞いてきました。 原因が自分にあると思い混んでいる方や、原因を取り除くしかないと悩んでいる人がたくさんいると思います。それは確かに間違っていません。けれど、お話してきたように「自分の感情をコントロールする」という方法もあるのです。 感情をアウトプットし、客観的に見て、自分がどう向き合えばいいのかを見つける。それには、あえて文字にするアウトプットノートが最適。

不安や怒りを押し殺すか、解き放つか。私の実体験があなたの役に立てれば幸いです。