「自分にしかできない仕事」は理想論。誰にでもできる仕事にある価値について



「自分にしかできない仕事」を追及しすぎていない?

自分にしかできない仕事があれば自信と誇りを持って、仕事にやりがいをもてるのかも知れません。しかし、本当に「自分にしかできない仕事」って存在するのでしょうか?
超能力のような、特殊なスキルの持ち主だったらあり得るのかもしれませんが、それを仕事に活かしている人はほんの一部です。他にはない「サービスを作る」、「職業をつくる」ことはありますが、その人しかできないのか? と考えると、決してそんなことはありません。正直“やったもん勝ち”であるケースも多く、似たようなサービスが後からポンポンと生まれてきます。

それでも多くの人が「自分にしかできない仕事」を求め続けています。それはどうしてなのでしょうか?

「自分を認めてほしい」「将来への不安がなくなる」

自分にしかできない仕事を探す理由は人それぞれですが、一番は「自分の存在を認めてもらいたい」という承認欲求があるからではないでしょうか。確かに、自分にしかできない仕事であれば、周りから頼られることも多い上に、仕事がなくなる不安もありません。

ですが、本当にそれが「自分にしかできない仕事」であるのであれば、その分違う心配を抱えることにもなります。もし自分が倒れたりしたら? 体調不良で仕事ができない時間があったとしたら? 誰にその仕事を任せれば良いのでしょうか。
代わりがいないと休むことも、スキルアップすることもできなくなってしまいます。その間に、世間は著しく移り変わっていく…。どれだけそれが難しい仕事であっても、他の人が引継ぎをしたり、補うことができなければ仕事が回っていくことはありません。ひとりにできる仕事には限りがあるのです。

そのため「自分にしかできない仕事」を選ぶには相当な覚悟が必要です。たとえそれが「誰かに認めて欲しいから」という気持ちや「何かに挑戦したい」というぼんやりとした願望なのであれば、求めるべきではないのです。

誰にでもできる仕事でも、「あなたが良いの」と言われることが価値になる

大切なのは、誰にでもできる仕事であっても「あなたが良い」と思ってもらえるようになることです。仕事内容だけでなく、その人自身への価値だと認められること。この言葉を言ってもらえる人には、自分にしかできない「仕事」への評価ではなく、「信頼・共感・尊敬」が認められています。

そのため、あなたの普段の業務が「誰にでもできる仕事」であっても特に大きな問題はありません。もちろん「自分にしかできない仕事」を無理に探す必要もないのです。
誰にでもできる仕事は、分母が大きいぶん、需要は多いにあります。そこで「あなただから任せられる」という信頼を集めておくことが大切なのです。人を惹きつけるような魅力的なサービスや、技術を身につけることがなくても、信頼が稼げる人には仕事が集まるものです。

仕事に自分の存在意義を見い出すのではなく、あなたがこなす仕事に価値を見つけていくこと。「あなたが良い」という言葉をたくさん集めることで、AIにも置き換えられない仕事になっていくはずです。

自分「だから」できる仕事を目指して

誰にでもできる仕事であれ、価値を高めることはできます。挨拶やメールの返信などの些細なやりとりでも、一つずつ高めていくことで周囲の評価は変わっていくものです。作業は機械に置き換えられますが、コミュニケーションは置き換えることができません。人と人の繋がりが仕事を生み出すきっかけをつくるため、自分「だから」できることが強みに変わっていきます。

自分にしかできない仕事はなくても、自分だからできる仕事はある。それを目指して、日々の業務に取り組んでみてはいかがでしょうか。