2018年度の実施予定が公表されている厚生労働省の「健康通知表」は、働き手の健康に会社がどう気を配るべきかを示す、新たな指標として話題になっているのをご存知でしたか?
「健康通知表」とは、従業員の健康に配慮するように、健康保険組合が持つ医療費などのデータを企業ごとに作成し、働き手の健康に会社がどう気を配るべきかをわかりやすく示すもの。働き方改革の推進のためには、企業側だけでなく、働く人、ひとりひとりが「持続可能な働き方」ができるように自身の健康についても考える必要があるといえるのではないでしょうか。
フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社は、「女性の働き方と健康(心とからだ)に関する調査」を2018年5月9日~5月16日に実施しました。
働くことが心とからだの健康につながっていると感じている人が9割
働くことと健康(心とからだ)のかかわりについては、「そう思う」が49.0%、「やや思う」が42.9%、「あまり思わない」が7.3%、「まったく思わない」が0.8%となり、「そう思う」と「やや思う」を合わせ、実に約9割以上の方が「働くことと健康とのつながりがある」と感じていることがわかりました。
実際に仕事に関するストレスにより体調不良を起こしてしまうケースはよく耳にすることが多く、ほどんどの人がつながりがあると感じているのでしょう。心とからだの、両方もが健康であることが私たちには必要なのです。
働くことが心とからだの健康につながっていると思いますか? という質問に「そう思う」、「やや思う」と回答した人に、実際に働く中でどのような時にそう感じたのかを聞いてみた結果です。
「会話をしているとき(コミュニケーション)」62.0%が最も多く、「家庭以外の自分の居場所・価値を見つけられたとき」57.4%、「感謝されたとき」47.5%、「自分の力・スキルを発揮できたとき」45.8%、「自分の成長(スキル習得など)を感じたとき」45.8%、「生活のリズムを保っているとき」43.9%と続きました。
具体的なコメントをみると、「仕事を通して、いくつになっても成長を感じます。(50代/三重県)」や、「ありがとうと感謝されると自分も感謝の気持ちが湧き、心が満たされときにそう感じます。(40代/東京都)」、「日々いい刺激を受けたり与えたり、外で働くのは脳にも身体にもいい事だと思っています。(40代/埼玉県)」、「仕事でやりがいを得ることで、行動力も出て生き生きします。(30代/埼玉県)」など、働くことから、自分の成長を感じ、心もからだも充実感を得ていることがわかりました。
働く女性は健康のために何をすればいいか
働く女性は健康のために心掛けていることは何か? という質問に対しは、「働く(毎日でなくとも何かしら仕事をする)」が55.1%と一番多い結果に。
それに次いで「生活のリズムを保つ」が49.7%、「食事に気をつける」が45.6%、「外出する」が41.1%、「コミュニケーション・会話の機会を増やす」が36.3%という回答に。
「働く(毎日でなくとも何かしら仕事をする)」が半数を超えるのは意外かもしれませんが、働くことが自身の心とからだの健康に関係していると感じていることがわかります。
できるだけ長く働き続けたい人が多数
健康のためにできるだけ長く働きたいかと答えた人は、「そう思う」が61.0%、「やや思う」が30.2%、「あまり思わない」が7.8%、「まったく思わない」が1.0%となり、「そう思う」と「やや思う」を合わせ、働いている女性の9割を超える人が「健康のために、できるだけ長く働いていたい」という結果になりました。
一般的には定年は65歳ですが、実際はどれだけ働きたいと思っているのでしょうか?
この質問にはなんと、「80歳超(働けるうちはいつまでも働きたい)」が28.9%と最も多く、「61歳~65歳まで」が26.2%、「66歳~70歳まで」が22.6%、「60歳まで」が17.8%と続きました。70歳を超えても働きたいと考える人は33.5%と3割超、65歳を超えても働きたいと考える人は56.1%と半数を超える結果になりました。働くことにやりがいを感じたり、充実感を感じている人が多いのでしょうか。
フリーランスな形態を理想とする人が半数に
理想とする働き方については、「フリーランス形態(年齢・時間・場所に制約がない働き))」が半数を超える51.6%、「パートタイムで働くアルバイト形態」が19.3%、「フルタイムで働く社員形態」が13.3%、「派遣社員等の派遣形態」が3.7%。
年齢や時間に制限がなく、自分自身でスケジュール管理ができるフリーランス形態で働きたいという人が半数を超え、働く女性に求められている働き方であるという実態がわかりました。
働くことで、生きがいや元気をもらったエピソードについてを自由記述で聞くと、「家族や友達以外の人と話す事によって、新しい情報を得ることができ、色んな人がいるなとわかるので面白いし為になります。(40代/滋賀県)」、「ひとつひとつの仕事をクリアしていくと、とても嬉しいし、家族以外の人と接していると元気ももらえます。(40代/埼玉県)」のように、働くことで新たな情報や出会いの機会を得ている人もみられます。
また、「働いたお金で、家族と食事や旅行に連れて行って喜んでもらえることに生きがいを感じます。(40代/長崎県)」のように、自身で働いて得たお金で家族とともに新たな生きがいを得ている人や「育休中、外に出ることがなく生活リズムも崩れ、人とも関わらなかったので訳もなくイライラしていたが、仕事に戻り、いろんな人と話すことで客観的に見ることができ、自分の存在を確認することができた。(30代/愛知県)」など、家族以外の人と接することで自身の存在価値を感じられたり、感謝されたりすることで喜びや充実感を得ていることがわかりました。
働くことが、心とからだに良い影響を与えていることも
ライフステージや環境の変化に応じて女性が継続的に働くことができる環境、そして政府・企業に求めることについては、「シニアも受け入れられる企業を増やすこと」や「託児所を作り、男性も育児に参加しやすくする」「フレックスタイムを導入する」といったほか、育児ワンオペ救済制度、家事代行サービス利用補助制度、地域の先輩ママの見守り制度などの、働くママのための救済制度を求める声や、まだまだ元気に働けるシニア世代が、自ら働きたくなる、協力しようと思うような体制・プラットフォーム作りをしてほしいといった、働く女性からたくさんの意見があがりました。
今回の調査から、働く意欲ある女性は、できるだけ長く働き続けられる環境と年齢・時間・場所の制約がない働き方を求めていることに加え、働くことで自身の心とからだの健康につながっていると感じていることがわかります。
これは、働くことが生活のためだけのものではなく、「生きがい」の一つになっているとも、いえるのではないでしょうか。