「あなたの傷を知恵に変えなさい」 ウーマンダイアローグ#4

「あなたの傷を知恵に変えなさい」 ウーマンダイアローグ#4

こんにちは!ライターの渡辺彩季です。 この連載では、「多様な女性の働き方」をテーマに私とゲストで対談をさせていただきます。 今回のゲストは、今注目をあつめている“農業女子”の高橋美千子さん。農業の世界を根掘り葉掘り聞かせていただきました♡


今回のゲスト♡ 高橋美千子さん

神奈川県平塚市出身。
東京農業大学卒業。
2015年東京でのOL生活を終え、地元神奈川県平塚市へ戻り農家としてのキャリアをスタートさせる。
2018年現在、認定新規就農者としてベリーをはじめとしたフルーツの栽培に挑戦中。

インタビューする人♡ 渡辺彩季

京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級などの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#4 【農家/高橋美千子さん】

渡辺:第4回目のゲストは、農家の高橋美千子さん。 …実は、私たちは新卒のときに入った会社の同期なんです!こうやってまた一緒にお仕事ができるなんて、夢みたい♡

高橋:私もうれしいです!私たち「社会人になって最初に入ったのがあの会社でよかった」って本当にいつも言ってるよね!

渡辺:言ってる(笑)。あ。読者のみなさん!ちなみに私たちは新卒の頃、商社で営業をしていました!高橋さんも今は転職して別の仕事をされているんですよね…?

高橋:はい!実は、OLから農家に転身しました。うちの家は、おじいちゃんもお父さんも農業をやっていて…後を継げば、私で3代目です。

渡辺:3代目!?J Soul Brothers(ジェイ・ソウル・ブラザーズ)じゃないですか!

高橋:そうそう、3代目(笑)。 それぞれ違う作物を育てているのですが、農業という根本的な部分では一緒なのでいろいろ教えてもらっています。私は新規就農者として自分で1から立ち上げて、主に無農薬のベリーを育てています。ブルーベリー、ラズベリー…あとはちょっとめずらしいワインベリー。ほかには、ハーブにも挑戦しています!

旅先で忘れられないくらい美味しいブルーベリーに出会いました!

渡辺:野菜やフルーツってたくさんの種類がありますが…なぜ、ベリーを選んだのですか?

高橋:小学生の時に家族旅行で北海道に行ったのですが、そのときに食べたブルーベリーが衝撃的に美味しくて! 小さな頃はブルーベリーが今よりも浸透していなくて、あんまり売っていなかったんですよ。だから、すごく感動しました! そこから好きになったのがきっかけです。

渡辺:私もブルーベリーが大好き! クレープもパンケーキもメニューにブルーベリーがあったら、絶対選びますね(笑)。でも、たしかに小さな頃はジャムとか加工品が多くて…言われてみればフレッシュなものを食べる機会が少なかったですね。

高橋:彩季ちゃんは、普段からブルーベリーめっちゃ好きって言ってますよね(笑)。そういう声を聞くと作り甲斐があります! しかもブルーベリーは美味しいだけではなく、扱いやすくて女性1人でも始めやすい作物なんです。実も小ぶりだし、木もあまり大きくならないので。

渡辺:扱いやすいと言っても…やっぱり農家って忙しそうですよね。 1日のスケジュールを教えていただいてもよろしいでしょうか?

高橋:1日のタイムスケジュールは、季節やその日によって違います。…昨日でいうと、朝7時から畑に出て、まずは2時間植物の状態を見ました。それから水やり。比較的涼しい時間にそういったことを済ませるようにして、昼間の暑い時間は外に出ないようにしています。その間は室内でPCを使って事務作業をしたり、販促物を作ったり。そして、また少し涼しくなった夕方16時頃から畑に出ます。草刈りをして、また水やりをして夜19時半頃に家に戻ってきました。

渡辺:普通の会社員と比べると業務時間が長いですね。

高橋:それも日によって波があります。予定に合わせて前倒しで仕事を多めにやるときもあります。あとは、植物の成長に寄り添っていますね。

渡辺:仕事量やタイムスケジュールを管理するのは、フリーライターの私と似ているところがありますね。…あれ、もしかして高橋さんもフリーランス!?

高橋:はい、フリーランスです!完全にスケジュールは自分で組むし、畑作業のほかに経理や事務作業も全部1人でします!…もちろん営業も!!

渡辺:お!出た!元営業部(笑)!ちなみに今はどうやって営業していますか?

高橋:今は神奈川県や平塚市の方から案内をいただいて…。

渡辺:え?向こうから?

高橋:はい!地元で開催するお祭りやイベントに出店しませんか?ってお誘いを受けています。そこから展開していく形ですね。

渡辺:なんと!あの頃のようにテレアポはしないんですね…(少しさみしい)。

OLから農家へ転身! きっかけは?

渡辺:今までやっていた仕事と農家って全く職種が違うじゃないですか。一大決心だったと思うのですが、農家に転身したきっかけは何だったんですか?

高橋:元々実家が農家だったことが大きいと思います。幼い頃から自然や土に触れる機会も多かったし、自分のなかにもそういったDNAがあるのはたしかです。「親の後を継ぐかは分からないけど、いつか農業に携わりたい」と農業高校と農業大学に進学しました。

渡辺:親の仕事を間近で見ていたら、受ける影響も大きいんでしょうね!

高橋:はい。でも親を見ていたら、その背中が大きすぎて。「私には無理かもしれない」という不安から、20代の頃は逃げてしまいました。東京でOLをすることにも憧れていたので、一度はそういう経験もしたいと会社に就職する道を選んだんですよね。そして、新卒で商社に入ったときに彩季ちゃんに出会いました(笑)

渡辺:すごいタイミング!あのとき、あの会社で出会ったからこそ今回の対談も実現したし…ちょっとしたことで運命って変わるから、出会いって奇跡的なことだとあらためて感じますね!

高橋:本当に!遠回りしたからこそできた出会いや経験もたくさんありました。しかし、そのあとに転職した会社で頑張りすぎちゃって…体に無理をさせてしまいました。 今思うと仕事に夢中になりすぎていて他のことに気が回っていなかったのでしょうね。その時に衣食住の基本的な部分、特に食の大切さと向き合うようになって。「自分が身をもって経験したことを農業を通して伝えたい」と思うようになりました!

渡辺:衣食住ってかなり重要ですものね。体が資本だから、毎日の栄養のバランスを見直すだけでも健康状態がよくなりそう!でも、たしかに忙しくて食生活が乱れてしまっている人が多いのが現実ですよね…。

高橋:私も実際にそうでした(笑)。とにかく仕事に必死になりすぎて、管理が行き届いていなかったです…。 だからこそ、そういう人の手助けをしたい!私自身失敗を経験していますが、今は元気に仕事ができているので健康状態を取り戻すまでの過程をお話しすることもできます。農業を通して、疲れている人に元気や癒しを与えられる存在になりたいです!

横の繋がりが強い農業! 素敵な出会いがたくさんありました!

渡辺:農業って横のつながりが強いイメージがあるのですが、なにか団体などに所属していますか?

高橋:はい!私は今、4つ所属しています。1つは農水省の「農業女子プロジェクト」、2つめは神奈川県の「神奈川なでしこファーマーズ」、3つめは平塚市の「軽トラファーマーズ」、4つめは全国のブルーベリー生産者の団体で「ベリー会議」。

渡辺:そんなにたくさん!?でも同業の知り合いが増えたらたのしそうですね!

高橋:全国の農家の方とコミュニケーションをとって、いろいろ勉強させてもらってます。最近は農業も若い女性がたくさん増えていますよ。見た目もおしゃれでかわいくて…しかも心もきれいな人ばかり!普段一緒に働いているわけではないけど、同じベクトルを持っている仲間なのでモチベーションがすごく上がります!

渡辺:農業女子って話題ですよね!キラキラしているイメージが強くて、私も以前から気になっていました。

高橋:本当にすてきな人ばかりなんです!そういう環境のなかで勉強をさせてもらえるのはありがたいし、恵まれていると思います。年上の人は農業だけでなく人生の先輩でもあるから、仕事以外のこともいろいろ相談させてもらっています(笑)。

渡辺:もうプライベートの話もできる距離感なんですね♡ 集まりはどれくらいの頻度でありますか?

高橋:基本的に節目に集まるようにしています。一番多いのはベリー会議で、3ヵ月に1回は集会があります!農業新聞でコラムを書いている方や研究施設で働いている方も在籍しているので、生産者以外の方からも貴重なお話を聞くことができます。

渡辺:うらやましいです!ライターは同じメディアで執筆していても業種的にそんなに集まることがありません。定期的に情報交換の場があるって大きいですよね!

高橋:SNSから繋がった方もいます。ブログやホームページがとても魅力的でどうしてもお会いしたいブルーベリー農家の方がいて…。おもいきってアポをとって香川まで行ってきました!

渡辺:さすが元営業部!行動力がすごい!…アポ取りはお手の物ですね(笑)。

農家をやっていて思うこと…“幸せも苦労も紙一重”

渡辺:農業をやっていて一番大変だったことはなんですか?

高橋:大変だと感じることは多々ありますが、私は幸せと紙一重だと思っています。農業をしていると「なにが大変ですか?」と聞かれる機会が多いのですが、農業の大変な部分は楽しみでもあります! やっぱり自然相手の職業なので、毎日何が起こるかわからないし、天候に左右される部分も大きい。もうすぐ収穫って時に台風でダメになってしまったら、やりきれない気持ちになります。…だからこそ、無事に収穫できて「おいしいね」って笑顔で食べてもらえたらすごくうれしい! その喜びがあるから、みんな農業を続けているんじゃないかなって思います!

渡辺:“幸せも苦労も紙一重”…すてきな考え方ですね! 成長を見届けるというところは、なんだか子育てに似ているかもしれませんね。

高橋:そう。本当に私、農業をはじめて親心ってこういうことなんだろうなって感じるようになりました。 木の成長を見ているだけでもすごくあたたかい気持ちになれるんです!「よく伸びてくれたね」って。

渡辺:成長できるということは当たり前ではないし、本当に奇跡的ですよね。

高橋:そうですね。今年みたいに猛暑が続くと…正直、雨が降ってほしいって思います。例えば、こういった環境の変化に合わせて水を蓄えるための設備に投資するかとかも考えないといけません。厳しい状況のなかで、「いかにおいしいものを作るか」「環境に負けないようにはどうすればいいのか」と常に最善を尽くすようにしています。

今後の目標は、「摘み取り農園」をオープンさせること♡

渡辺:今後どのように仕事を展開させていきたいですか?

高橋:一番重要なのは、おいしいベリーを作ること! そして、ゆくゆくは摘み取り農園をオープンさせたいです。ネットが便利な時代だからこそ、お客様と直接ふれあうことが大切だと感じます。いつも仕事を頑張っている人たちに休日に自然と触れ合ってホッコリしてほしいので、気軽に参加できるイベントなども開催したいです!

渡辺:ブルーベリー狩り!? 行きたい!!!!!

高橋:私が農業をしている平塚は、まだブルーベリー農園が少ないんです。それもブルーベリーを作りはじめたきっかけのひとつでした。東京からも1時間で来れるので、都心からでも気軽に遊びに来れますよ!

渡辺:ブルーオーシャン戦略ですね! たしかに周りにブルーベリー狩りができる畑が少なかったら、希少価値がありますね。高橋さんが子供の頃に自分がブルーベリーを食べて感動したのと同じように、農園に遊びに来た子どもがブルーベリーと出会って…将来的に農園を始めるきっかけになるかもしれませんね♪

高橋:それは、うれしすぎて泣きます!!!!!

渡辺:「弟子入りしたい」って言ってくる人もいたりして(笑)!

高橋:将来本当にそういう日がきたらいいなぁ。 ブルーベリーは、日本でまだ浸透してないから広めていきたい! 食卓に当たり前に並んでいるフルーツになってほしい! これからSNSなどの便利なツールを利用して、どんどん発信も頑張っていきます! 農業やブルーベリーに興味を持ってくれる人を増やしたいです。

渡辺:出店やワークショップなど、イベントに参加する機会も増やしていきたいですか?

高橋:はい! 直接話すことでリアルな意見を聞くこともできますしね。…ちょっと、告知しちゃってもいいですか?(ニッコリ♡) 私が所属している農業団体「ベリー会議」が10月6日に青梅でガーデニングのワークショップを開催します。実際にその場で作ったものをお持ち帰りできる、とっても人気のイベントです。今は、それに向かって準備中をしています。 よかったら遊びに来てください♪

渡辺:しれっと営業しましたね…さすが(笑)。 ガーデニングのワークショップ! 秋のお出かけにぴったりじゃないですか。 みなさーん!10月6日は青梅に集合で♡

ベリー会議のイベント情報

ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーなどのベリー類を紹介してゆきます

https://berrykaigi.jimdo.com/

皆様のご家庭の「食卓にベリーを窓辺にベリーを!」 をキャッチフレーズにベリーの料理、ガーデニング、勉強会を開催している女子中心の会です。 真心こめてお伝えしていきます

高橋美千子さんのInstagram

Michiko Takahashi (@shonan.berryfarm) • Instagram photos and videos

https://www.instagram.com/shonan.berryfarm/

248 Followers, 196 Following, 89 Posts - See Instagram photos and videos from Michiko Takahashi (@shonan.berryfarm)

インタビューを終えて…

かつて同じ会社で同期として働いていた、高橋さん。
数年前に体調を崩していたなんて信じられないくらい! 今回の対談で元気な姿を見ることができて安心しました。

「あなたの傷を知恵に変えなさい。」
自分が身をもって経験した辛い過去が強みになることもあります。
今、あの頃の自分と同じ状況の人を救ってあげたい……そう思えるのは、心と体力に余裕があって健やかだからこそ。こんなにまっすぐ行動に移せる人はなかなかいないのではないしょうか?

また、一見孤独に感じる「農業」ですが、最近は団体も増えていて情報共有ができるようになっているとのこと。同業者とコミュニケーションが取れることでモチベーションアップにも繋がっているみたいですね。女性たちの「食」へ対するまっすぐな気持ちがさらなる大きなパワーになって、私たち消費者に届くとなると、とてもうれしいです!

おいしい食べ物を食べると、パワーチャージができる。
ブルーベリーを通して、高橋さんの想いが伝わりますように♡

この記事のライター

京都出身、東京在住。
ファッションや美容が大好きなおしゃれミーハーです♡

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