大型イベントを回す、敏腕経営者
「仕事ができる人=何でも一人でこなせる人」だと思い込んでいた私は、次から次に自分で仕事を増やして時間に追われて慌ただしい日々を過ごしていた時期がありました。きっと、仕事がこなせないのは自分の技量不足だろう、自分の勉強が足りないから、もっと器用に何でもこなせるようにならないといけない!と、首を絞めるのは他の誰でもなく私自身だったのです。
そんな時に、お世話になっている敏腕経営者に言われたこと——。
「harakoちゃん、一人で何でもできるから仕事ができるわけじゃないよ。人にうまく仕事を振り分けたり、気持ちよく段取りをしてもらうようにモチベーションを与えたりすることの方が大事だと思う」と教えていただいたことがありました。その方は、大型のイベントを月に何度も開催しているのですが、一回の集客に多い時では数百人の動員をかける本当に素晴らしい仕事ぶりでした。
その大勢のお客さんをさばくのは、もちろん一人では不可能です。様子を見ていても、会社で雇用している社員から、当日の助っ人アルバイト、業務委託であろうフリーランスのデザイナーやパフォーマーまで多くの人たちと円滑にコミュニケーションを取りながらイベントを回しているのでした。
人を信頼することでチームワークが組める
上記の『MY WORK ヒント#27』にも少し書きましたが、「自分一人の時間には限りがある」ということを理解するのが大切だと思います。
仕事を頑張りたい!と熱意が高まれば高まるほど、自分がやらないと……!と良くも悪くも“我”が出て空回りになってしまうのが注意点ですが、その敏腕経営者曰く「人に仕事が振り分けることが苦手な人は、人を信用していない証拠だよ。自分ができない部分を、相手に補ってもらうことで、チームワークができる。もちろん、仕事をお願いする時には相手が頑張ろうと思えるように託す必要があるけれど、役割を持つことで人は責任感を持つ。私一人では、絶対にこの仕事を回すことはできないんだ」と教えていただきました。
フリーランスで仕事をしていると、どうしても一人で仕事をしている感覚が強く、隅々まで気になってしまう癖があったのですが、あえてそれを周りの人にお願いすること。そして、相手を信頼すること。これが、私にとって心のゆとりに繋がったのです。
#MYWORKヒント のワークショップで…。
実は、私が講師を務めたライティング講座もそのゆとりの一つでした。「文章を学びたい人向けに、講座を開いてみませんか?」とお話をいただいたのですが、ひと昔前の私だったら会場手配や参加者のやりとり、当日のスケジュールまで頭がいっぱいになっていたと思います(笑)。
アレもコレも自分で手をつけて時間に追われていたに違いないのですが、ふと先ほどのアドバイスを思い出して、段取りやスケジュール、会場手配、参加者とのやりとりなどを編集部の皆さんに気持ちよく託しました。おかげで、当日配布する資料作りと話す内容を考えることに力を入れることができて、自分が集中すべき点を見失わずにすんだのです。
「手を抜く」「楽をする」のではなく、「人に委ねて自分の仕事にフォーカスする」こと。“良い意味”で、力を抜くことが結果的に仕事効率に繋がると思います。ぜひ、意識してみてくださいね♪