「進むべき道を進めば、賢くなるわ」ウーマンダイアローグ #29



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今回のゲスト♡ 根本一凛さん

根本一凛(ねもといちりん)

共立女子短期大学卒業後、白百合女子大3年次に編入学。
大学在学中に小学館『プチセブン』の編集、ライターをアルバイトで経験。

大学卒業後某ヒット商品を販売する香水の会社に就職。
その後、マークスタイラーをはじめ、アパレル会社数社のPRを経て、大手商事が手がける金融会社に広報として勤める。

フリーPRとして活動。盲導犬募金の普及、中国アパレルの日本進出の一端を担う。
携帯アプリの会社で広報の仕事をして、33歳で結婚。

36歳で出産。子どもが2歳になった頃、本格的にライターをはじめる。
現在は、3つの媒体で記名記事ライター、また化粧品会社の専属コピーライターとして活躍中。

インタビューする人♡ 渡辺彩季

渡辺彩季(わたなべさき)
京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級、温泉ソムリエなどの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#29 【フリーライター/根本一凛さん】

渡辺:本日はよろしくお願いいたします。

根本:よろしくお願いいたします。いつも渡辺さんのTwitterを拝見しておりまして、この『ウーマンダイアローグ』に出演してみたかったので、アプローチさせていただきました。

渡辺:嬉しいラブコールをありがとうございます! 対談の連載を知ってくださったうえに出てみたいなんて……ライター冥利に尽きますね。私といくつか同じ媒体で記事執筆をされていらっしゃるので、一凛さんのことは以前から存じ上げております。

根本:ありがとうございます。現在はファッションとライフスタイルを主軸にWEB媒体に掲載する記事を執筆しています。毎月コンスタントに発注依頼をいただいている媒体が4つ、ほかにカタログのコピーライティングや企業のブログ更新などの仕事もしています。

渡辺:主婦業や育児と両立しながら、ライターとしてもバリバリお仕事をされていらっしゃるのですね。今日は、ライターになったきっかけから仕事術まで、いろいろ教えていただきたいと思います!

大学在学中にファッション誌『プチセブン』でライターデビュー

渡辺:一凛さんがライターの仕事をはじめられたのは、いつ頃でしょうか?

根本:大学生の頃に原宿を歩いていた時、小学館の『プチセブン』というファッション誌の編集部に声を掛けられてスナップの撮影に参加させていただきました。私は以前からライターの仕事に興味を持っていたので、ここぞとばかりに編集部の方に「ライターを募集していませんか?」と尋ねたところ……ちょうど探されていて! そのまま一緒に仕事をさせていただけることになったんです。

渡辺:スナップと言いますと、読者モデルみたいな感じですよね? まさか声を掛けた大学生が編集部で働きたいと言ってくれるなんて! 編集部の方もびっくりされたのではないでしょうか?

根本:見事にお互いの需要と供給がマッチしましたね(笑)

渡辺:ライターを志望されていたとのことですが、一凛さんは学生の頃から文章を書くことが好きだったのですか?

根本:文章を書くことも好きでしたし、国語も得意でした。編集部側も人手が足りていなかったので、とんとん拍子に事が進み、すぐに記事を書かせていただきました。それから1年以上は『プチセブン』の編集部でライターの仕事をしていましたよ。

渡辺:『プチセブン』は世代が違う私でも分かります! とても人気のある、知名度の高いファッション誌ですよね! その製作に携われたなんでうらやましい限りです。学んだことがたくさんあったのではないでしょうか?

根本:そうですね。得たものは多かったです。基礎から学んだわけではありませんが、大きな出版社は構成部などもありますし、ライターをはじめたばかりの私がオリジナルで記事を書いても形になっていましたね。ライターの仕事をする前からファッション誌を読むことが趣味だったので、イメージを掴みやすかったです。執筆以外にもスナップの撮影など、幅広く製作に携わらせていただきました。

出産後に再びライターの仕事をはじめました

根本:大学卒業後は香水やアパレルの会社でPRの仕事をしていたのですが、出産を機に一度専業主婦になった期間もありました。

渡辺:そこから、またライターとして仕事をはじめたのですね!

根本:再びライターという職業を選んだ理由は、まず自分が文章を書くことが大好きということ。あとは元々PRの仕事をしていたときに毎日たくさんの人に会って刺激を受けていたので、専業主婦をしていると社会から隔離されたような気持ちになったんですよ。それまでは外でバリバリ働いていたので、家に1人でいるとやはり違和感がありましたね。

渡辺:私も燃え尽き症候群になりやすいので、心中お察しします。

根本:自分は妻や母でいると同時に仕事人でもいたいんですよね。家事や子育てと並行して仕事ができるように在宅ライターという道を選びました。

執筆する媒体選びで失敗しないポイント

渡辺:現在4つの媒体に毎月記事を納品されているとのことですが、執筆する媒体をどのように選んでいらっしゃいますか?

根本:私は記事単価で選ぶようにしています。

渡辺:記事単価! ライターの求人を見ると金額をハッキリ明記していない会社もあるし、編集部の判断で決めるという場合もありますが、一凛さんが見極めるポイントを教えてください。

根本:契約する前に今後どういった基準で記事単価がアップするかを明確にしておくことが大切です。大体の編集部は応募した段階で「何かご質問があれば、おっしゃってください」と一言添えられるので、その時に聞いておくようにしています。たとえば「編集部の判断で」という曖昧な言い方であれば、賃上げはないのかなと考えますね。PV数、読者からのコメント数、SNSの拡散数など分かりやすい基準があれば、こちらとしても信頼できます。条件をきちんと教えてくださるというのはポイントになります。

渡辺:言葉ではなかなか表現しづらいですが、感覚は大事ですよね。最初から編集部とトーンが合わなかったら、その後ずっと一緒に仕事をしていくのが大変ですし。お互いにストレスになるのであれば、早いうちに断っておいた方が両者にとっていいと思います。

根本:現在ライターの需要も増えていますし、志願者も多いので、仕事を取るために記事単価が安すぎる場合でも引き受ける人もたくさんいると聞きます。とにかく実績を作りたくて記名記事を執筆したい人も多いと思いますが、ライターの仕事で生計を立てるなら記事単価を意識して仕事を選ぶことはマストです。

 個人的には、あまりにも記事単価が低い仕事に関しては無理に受けなくてもいいと思います。クラウトソーシングなどで文字単価が1円以下の案件もたくさん出ているようですが、探せばいくらでももっと条件のいいものが見つかるはずです。

子育てと仕事を両立するコツは、朝時間を有効に使うこと!

渡辺:子育てだけでも本当に大変だと思うのですが、一凛さんは育児と家事と仕事を上手く両立されていらっしゃいますよね。何か工夫していることがあれば、教えてください。

根本:朝の時間を上手く使うことです! 早朝から仕事をするということは、就寝時間もその分早くなります。なので、規則正しい生活をして睡眠時間をきちんととれれば、脳が活性化して効率よく仕事ができます。以前は日常の隙間時間に仕事をしていたのですが、その時よりもスムーズに執筆できるようになりました。

渡辺:朝に作業や勉強をすると捗ると言いますよね! 私もOLをしながら資格試験に挑戦した時は、毎日早く寝て、早朝から勉強をしていました。

根本:朝の時間は宅急便もこないし訪問者もいないので、誰にも邪魔されずに仕事に集中することができます。そういった意味でもおすすめですね。

渡辺:いつも何時に起床しているのですか?

根本:遅くても22時に就寝して、朝4時に起きています。ちなみに旦那も同じくらいの時間に一緒に寝ています。1~2時間執筆をして、朝食とお弁当を作って、子どもを幼稚園に送りだします。

スケジュール管理が重要です

渡辺:執筆をしていて、スランプを感じる時はありますか?

根本:もちろんあります。スランプはみんなに必ずあるものだと思っています。私はスランプになったときに備えて、締め切りの1週間前に提出できるようにスケジュールを組んでいます。そうしておけば、もしスランプがきても1週間はゆとりがあるので、締め切りを守ることができます。

渡辺:依頼がたくさん来たときはどうしていますか?

根本:家事や子育てと両立しているので、執筆本数は自分で決めています。あらかじめ契約するときにその旨も伝えるようにしています。

渡辺:最初から自分の状況やスタンスを編集部に伝えておくことが大切ですよね。

根本:そうするとお互いストレスにならないし、効率的だと思います。

明確な目標があるのなら、誰が記事を執筆してもいいと思います

渡辺:現在はライターを副業にされている方が増えていますが、それについてはどう思いますか? 大学生や会社員の方も時間を見つけて記事を書いていることが多いですよね。

根本:個人的には、明確な目標があれば、誰が書いてもいいと思います。ただ、自分の道徳心に反するような記事の依頼を受けた場合は、一度立ち止まって考えてほしい。2016年に薬事法などを無視して炎上したキュレーションメディアがありましたが、たとえ大きな会社でも間違ったことをやっていれば、トラブルが起きたときにサイトごとサービスを終了してしまうこともあります。記名記事を執筆しているライターにとって、過去記事が消えてしまうことは致命傷ですよね。

渡辺:手軽にライターの仕事ができる時代になりましたが、執筆する媒体の見極めがやはり重要ですね!

童心に返ることでストレスを解消!

渡辺:一凛さんが行き詰った時にストレスを解消する方法はありますか?

根本:子どもの頃にやっていた自分が大好きだったことをする! たとえば、干したばっかりの太陽の匂いがするふかふかの布団にダイブするとか(笑) 

渡辺:私も割と子どもっぽいので、そういうことをします。 職場の人にもよくイタズラをして怒られていますよ(笑)

根本:あとは、子どもの頃に好きだったドキドキわくわくするようなものを見ること。ハッピーエンドの映画を見返すとか。子どもの頃とはまた違う視点で見れるので、泣けてくるんですよ。心が折れたときにあえて涙を流してデトックスすることが大事。

渡辺:それ! すごく共感します。最近、私は出勤前によく『トムとジェリー』を見て癒されています。ちなみに一凛さんのお気に入りの作品は?

根本:特に好きなのは『グーニーズ』『ネバーエンディング・ストーリー』『スタンド・バイ・ミー』です。レトロな作品ですが、大好きで何回も繰り返し見ています。

今後、女性に関する記事を書いていきたい

渡辺:一凛さんの今後の目標を教えてください。

根本:女性に関する記事を書いていきたいです。女性特有の悩みや希望ってあるじゃないですか? 生きていくうえで誰かの役に立つような情報をWEBサイトにアップしていければと思います。

 幼い頃は少女ですが、結婚して妻になり、出産して母親になり……現在の日本の社会のシステムでは、女性がそのような道を歩くのがスタンダードとされていますが、女性が苦しんでいるような社会構造になっていると感じます。Twitterでも『嫁アカ』を持って意見をツイートされている方も多いですよね。そういった生き辛い部分を解消できればいいなと思っています。

 みなさんが一息つけるようなコラムを執筆して、悩んでいてもその声を届けられない人の代わりができればいいなと。そういった活動をしていきたいです。

根本一凛さんが手掛けていらっしゃるメディア【HER CLOSET】

インタビューを終えて…

フリーライターの根本一凛さんと対談させていただきました。在宅ワークの方と直接会って話す機会は貴重なので、今回連載の取材に来てくださったことを大変嬉しく思います。普段はなかなか聞くことができない仕事に関する考えを赤裸々に語ってくださったので、ぜひみなさんにも参考にしていただきたいです! 特に「執筆する媒体選びのポイント」や「子育てと仕事を両立させる秘訣」など、実体験を元にしたリアルな見解をシェアしてくださったので、みなさんの今後のヒントになったのではないでしょうか?

「進むべき道を進めば、賢くなるわ」

米国の女優、ミア・ファローの名言です。

職業や働き方を自由に選択できる今、自分に合ったスタイルを取り入れることが可能です。一凛さんのように妻であり、母であり、仕事人でもいたいという願望を叶えることもできます。

たまに童心に返りながら、自分の人生を素敵にデザインしている一凛さん。大人だけど、笑顔から垣間見れる“ガール”な一面がとても素敵でした。