転職活動前に知っておきたい! 人材紹介会社の種類と基礎知識



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人材紹介会社を利用するための基礎知識

今年はカレンダーの並びが良く、長めの冬休みでリフレッシュできた! という方も多いのではないでしょうか。地元の友人と近況報告をし合って、「これからも今の仕事を続けるべきか」もう一度考えてみようと思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
前回は年齢による市場価値の違いについて、人材業界のウラ側と共にご紹介しましたが、その他の記事も含めてどちらかというと「人材ビジネスに利用されないで!」という警告の色合いが濃く、必要以上に皆さまに警戒させてしまっている感がありました。

もちろん、「何の用意もしないまま、丸腰で情報の波に飲まれに行くのは危険」というスタンスは今後も変えるつもりはありませんが、「知らない」まま人材紹介会社を避けるのではなく、一歩踏み込んで「人材紹介会社を利用するための基礎」についてお伝えすることによって、ご自身にとって最適な紹介会社を選択し、転職活動をより効率的に成功させる手助けにしていただきたいと思います。

人材紹介会社の種類って?

電車やWebサイトで転職エージェントの広告を見ない日はありませんね。新宿駅や渋谷駅などの大きな駅をジャックして広告を打てるような大きな人材紹介会社もあれば、1人のコンサルタントが運営している会社もありますが、人材紹介のサービスのレベル感は、会社の規模だけでは決して示すことができません。
また、似ている「人材派遣業界」と比較しても、事業参入するための産業障壁の低い業界であるため、参入している会社が乱立しているのが実態です。

人材紹介会社を選ぶのに、どんな視点で選べばよいでしょうか。
人材紹介会社にはどんな種類があるのかを簡単にご紹介しましょう。

・「総合百貨店タイプ」か「ブティックタイプ」か
・「RA/CA分担タイプ」か「一気通貫タイプ」か

「総合百貨店タイプ」の紹介会社とは

その名の通り多種多様な業界・業種の求人案件を取り扱っていることです。
デパートに行けば品ぞろえも豊富で、大抵の買い物ができるように、百貨店型エージェントは、取り扱っている企業・求人の種類・数ともに豊富です。幅広い業界や業種の求人を検討したいあなたは、総合型エージェントを選択しましょう。

「ブティックタイプ」の紹介会社とは

業界や業種に特化している転職エージェントのことです。
IT業界、医療業界、介護業界、金融業界、製造業界といった業界であったり、営業、販売、経理、人事といった職種で絞っていたりします。また、「キャリアコンサルタントが全員銀行出身者」「ITエンジニア経験者」と謳っているところもあります。
特徴は、特化した分野での専門性が高く、業界の動向や企業ごとの実際の働き方などをよく知っていること。どのポジションがどういう人に合っているか、見極める目を持っている可能性が高いです。どの業界でスキルを磨きたいと目標が明確なタイプはこちらを選択したほうがよさそうです。

「CHANELのスーツを買う」と決めているのだったら、CHANELの店舗に直接買い物に行けば、どの店員も商品知識が豊富ですし、最新作の情報もいち早く教えてもらえます。体型カバーのための着こなしの提案もしてもらえるでしょう。
一方、「スーツを買う」ことだけが決まっているのであれば、いろいろなブランドを比較検討できる百貨店に足を運べば、最小限の移動で様々な商品を手にすることができます。

どちらが良い・悪いではなく、用途によって使い分けるイメージです。

「RA/CA分業タイプ」のエージェントとは

企業訪問してニーズを引き出す営業(RA)と転職者と対峙するキャリアコンサルタント(CA)分けて、おのおのの業務に集中させている人材紹介会社のことです。社員数を多く抱えており、どのコンサルタントに担当されたとしても一定のサービスレベルが担保できるように社員教育に力を入れているところが多いです。具体的には、面談の進め方のマニュアルが確立されていたり、効率的に書類推薦を行うためのシステム作りに力を入れていたりしており、週単位・月単位でKPI管理する部門が別に組織されている場合もあります。
分業型にされている分、どうしても機械的な対応が多かったり、組織の規模が大きすぎて営業とキャリアコンサルタントの間で情報共有がスムーズに行われない場合もあったりしますが、社員教育が一定レベルで為されているためサービスの再現性が高いことや、なんといっても得られる情報が豊富なことが最大メリットだといえると思います。

「一気通貫タイプ」のエージェントとは

企業訪問も、転職者に対応する面談も1人のコンサルタントが両方行っている会社です。前述した分業タイプの転職エージェントからスピンアウトして立ち上げた会社も多いです。
前述した分業型エージェントが抱える問題点を解決するために、営業と分業せずキャリアコンサルタントが企業を訪問して生の情報を人事からヒアリングし、転職者に直接情報を届けたりと、多くの紹介会社は効率をある程度犠牲にしても個々の転職者へのサポートを高める工夫をしています。
一方、どうしても求人数は分業型には及びませんし、サポート力もコンサルタント個人の力量や経験値に依存する傾向が強いのが特徴です。

結局、どういうエージェントを利用すれば良いの?

どういう転職エージェントを何社利用すればよいかについては、人ごとに事情が異なるため、「ひとつだけの答え」は存在しません。

あなたがもし、情報収集力や判断力などに自信を持っており、求人情報が豊富にあれば転職することができる方であれば、求人情報を豊富に持つ大規模型の転職エージェントに1社登録すれば十分だと思います。

反対に、はじめての転職活動で不安を持っていて、手厚い支援を希望する方は、一気通貫型の人材紹介会社で自分と相性が合いそうなコンサルタントを探したほうが良いと思います。

たちの悪い人材紹介会社もあるので、要注意!

そして、このコラムでも何度か警鐘を鳴らしていますが、自社の短期的な利益を優先する人材紹介会社はある一定数存在します。自社に入る報酬額が多い企業に入社するように誘導したり、うすうすブラック企業だとわかっていても、その転職者の知識不足を見抜いて強く入社を勧めたり、「どこでもいいので早く決めたい」と思っている心理に付け込んで、たとえ離職率が高くても手数料目当てで入社させたりという紹介会社も、残念ながら存在します。

たちが悪いことに、こういった種類のエージェントは「わかりやすく悪いことをしようとしている風体」ではありません。最初から転職者に不利益を被らせて儲けようと立ち上がった組織など存在しないように、彼らも最初の事業立ち上げの理念は「転職者や採用企業の問題解決のため」だったはずなのです。それが何故変質していくかというと、やはり人材紹介業が【産業障壁が低いビジネス】であり、【完全成功報酬型ビジネス=どんなに心を込めて転職者に尽くしても、入社してもらえなければ企業からの報酬はゼロ円である】からということに尽きると思います。

現状、こういった会社があるということは頭の片隅に置いて人材紹介会社とお付き合いしてほしいと思います。

それでは、またお会いしましょう!
キャリアアドバイザーA