「転職してキャリアアップしたい」という理由は人材担当者にはどう映る?



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Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
仕事中にお腹が空いたり口さみしかったりするとき、どんなおやつを食べていますか?
私は少し前まで、チョコレートをひとかけ食べて「足りない…余計おなかすいた」と感じ、グミを食べ糖分を気にしつつ、「これは肌のためにコラーゲンを採っているんだ…」とか「ビタミンがレモン●個分採れるから体に良いんだ…」と自分に言い聞かせたりしていました。ナッツが良いらしいと、無塩タイプのナッツを食べ、うっかり食べ過ぎてカロリーが気になったり。それに意外にナッツ類は高いんですよね。
そんな私に上司が教えてくれたのが、ヤクルトレディが販売しにくる【北海道のおいしい昆布だよ!】です。「おやつ昆布って、強い味付けで酸っぱくて苦手…」と尻込みしていた私に、「だまされたと思って食べてみて」と一袋お裾分けしてもらいました。
うすいフィルム状の昆布で、舌にのせているとじんわり旨味が出てきます。すっかりはまってしまいました。1袋約300円と、お財布にあまり優しくないのが難点ですが、なんと上司はこの昆布を食べ始めてから、高めだった血圧が正常値内に戻ったとか! 低カロリーで食物繊維も豊富です。ヤクルトレディが訪問してくるオフィスにお勤めの皆さま、一度試してみてはいかがでしょうか?

「キャリアアップしたいから転職」で考えておきたいことは?

さて、今回のこのコラムのテーマは、「キャリアアップするって、いったい何だろう?」です。

初回面談時、「今回、どうして転職したいと思われたのですか?」という質問に、8割以上の方がこう仰います。

キャリアアップしたいと思い転職を希望しました

キャリアアップしたい。きれいで耳障りの良い言葉です。自らの向上心をアピールしているようにも聞こえますし、この転職は後ろ向きな転職ではないよ、と言っているようにも聞こえます。
しかし、「では、キャリアアップしたいとは、具体的にはどういうことですか?」と踏み込んで伺うと、その答えの輪郭は途端にぼやけるような気がします。

「今より高度なスキルを身に着けたいと思ったからです」
「マネージメントにチャレンジしたいのです」
「年収が上がらないので、年収を上げたいです」

「それらは、現職を続けているのでは実現できないのですか?」と伺うと、転職者の表情は大きく3種類に分かれます。

1.「ウザい。早く転職先を紹介してほしいだけなのに」と不満げなタイプ。
2.「理由が整理できてない…これじゃあ転職できない」と反省の色を浮かべるタイプ。
3.「他の転職理由があることを見透かされた。正直に言うべきなのかな」と目が泳ぐタイプ。

同じ質問をしても、反応がこれだけ変わるというのはなぜなのかとずっと疑問でしたが、【キャリアアップ】という言葉自体が皆さまの認識にばらつきがある、ということと、昨今の「キャリアアップ転職で年収が●万円アップ!」等の人材ビジネス広告の煽り方・在り方に問題があるからではないか?と思うようになりました。

「キャリアアップする」ってどういうこと?

そこで、今回は「キャリアアップ」という言葉の本質と、その方法についてじっくり考えていきたいと思います。三省堂大辞林では、キャリアアップを3つの意味で定義しています。

「キャリアアップ」の意味

1.業務遂行能力の向上
2.経歴の向上
3.高い地位や高給職への転職

たいていの転職希望者がおっしゃる「転職してキャリアアップしたい」の意図は、3.に集約されそうですが、いかがでしょうか。

<1.業務遂行能力の向上>は、社会人として成長したいとか、たとえば営業職として成果を出したい。ということ。現職に留まってもできることなのでは?と突っ込まれないような理由が欲しいところです。
<2.経歴の向上>は、1.が実現することによって評価されて実現するもの。また、業務によって蓄積した知識を整理し、外部でも通用する証明として資格取得をすることもこれに該当します。職務経歴書に書いて「評価されること」と考えるとピンとくるでしょうか。

こうやってみていくと、<3.高い地位や高給職への転職>は、1.と2.が揃ってはじめて実現することだとお気づきになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いわゆるヘッドハンティング等の、これまでの実績を高く評価されての転職もありますが、その割合は1割程度。たとえば外資系企業への転職や管理職や明確なポジションが決まっているヘッドハンティングであれば、高い地位や高給職への転職になり得ます。

何度かこのコラム内でも書いていることですが、年収は「あなたが所属している会社の業界や職種・給与規定」で決定されるものです。
3.を実現したければ、まず社内で「担当している業務で成果を出し認めて貰うこと」が重要になります。その成果が外部でも評価され得るものになった時に、より好条件の業界にチャレンジすることにより、たとえば「年収150万円アップで転職できる」ストーリーが成立するようになるのです。

「業務遂行能力の向上」と「経歴の向上」を叶えるためには?

ここから、<1.業務遂行能力の向上><2.経歴の向上>のための具体的な提案です。

目の前の業務で評価されるようになる

業務遂行能力を向上させるために、今日からできることは、今取り組んでいる業務で評価される自分になるということです。
どのようなことをしたら評価されるのか? 業績評価のしっかりした企業にお勤めであれば、業務上どんなポイントを向上させれば評価されるかきちんと定義されていると思います。
もし、スタートアップ企業にお勤めで評価ポイントが曖昧な組織に属しているのなら、どんな業績を上司が評価するのか、相談してみることもおすすめです。
よく「自分は●●で貢献しているのに、上はちっともそれを見てくれない」と不満を抱える方がいますが、それは本当に上司があなたに求めている成果でしょうか?今一度確認してみてくださいね。

可能であれば、業績を数値化してみることもおすすめです。
営業職であれば、「顧客との情報交換をより密度の濃いものにする」という抽象的な表現でなく、「顧客への提案パターンを常に3種類準備する」「新規開拓のための架電件数を毎週20件実施する」等、数値で定義すること。さらに2か月毎に「その施策で本当に成果が出ているか見直す」など、どんな小さな目標でもPDCAサイクルをきちんと回せると良いですね。
事務職だと、数値化が難しいですが、「●日掛かっていた処理を●時間に短縮」するために、Excelのマクロの資格取得の勉強を毎週2時間行った。等など、少しでも実績を「数値化する」意識をつけるようにすると、同じ事務職の方と少しずつ差が出てきます。

お気づきになった方もいらっしゃると思いますが、こういった癖をつけておくと、いざ職務経歴書を作成するときにもラクですよ!

社内異動制度を利用する

人生100年時代、Cinq読者の皆さまは【70歳まで現役で働く必要が出てくる】世代だと認識しておいたほうが良いと思います。「一億総活躍大臣」なるポストが置かれている時代ですし。あとから「しまった!」と後悔しないためにも、20代のうちに自分自身の「仕事の基礎体力」は身につけておきましょう。
70歳まで現役で働くためには、「専門領域を持つこと」それも「複数の専門領域を持つこと」が大切だともいわれています。

複数の仕事を経験する方法で最も身近なものは「社内異動」です。いきなり転職に挑むよりも変化が少ないですし、人間関係を大きく変えることなく、情報収集や準備ができます。
社内異動で担当領域や職種を変えて、守備範囲を増やすのも立派なキャリアアップです。異業種への転職のハードルは意外と高く、20代中盤以降はほとんど難しいとされていますが、社内異動であれば転職ほど難易度は高くありません。

営業職から採用担当になったり、一般事務から経理財務担当になったりと、転職ではなかなか実現できない職種の変更が社内異動であれば実現できることもあります。もし、社内でこういった動きがあったら、臆さずチャレンジしていくことをおすすめします。

「仕組みを作る側にまわること」を意識する

「もっと手っ取り早く、年収を上げたいんだけどどうしたらいいのか教えてほしい」という方にも遭遇しました。
20代の私が知っていたら、教えたかったこと。それは、「仕組みを作る側のほうが年収が高いことに気づきなさい」ということ。
たとえば、クラウドソーシングサービスなどを運営する側のほうが、それを選んで使うフリーランスより収入が良い。たくさんのフリーランスに選ばれれば、取引額が増えて手数料がたくさんもらえる。Googleなどのポータルを作れば、広告収入が得られるのもまったく同じことです。
「仕組みの中で動くひと」の年収と「仕組みを作る側のひと」の年収差は圧倒的です。

双方にメリット・デメリットがあり、個々の性格によってどちらを選択するのが居心地がよいかは様々です。「手っ取り早く稼ぐ」などという甘い世界ではありませんが、「年収を圧倒的上げる」ことだけにフォーカスするのであれば、「仕組みを作る側」という生き方を選択する・できる自分になっていくことも考えてみてもよいのではないでしょうか。

では、またお目にかかりましょう!
キャリアアドバイザーA

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