会社の業績は? 転職に迷った時の判断材料にもなる「決算書」の読み方



[記事内に広告が含まれています]

みなさんは、今の会社でずっとこの先も働きたいですか?
「仕事にも慣れて、ストレスのない職場だけど、お給料が低くて、昇給も見込めない今の会社。人間関係など悩みもないけど、いつまでも同じ仕事でいいのかな?」
もっと成長したい、自分の力をつけてもっと稼ぎたい、そう感じたことのある人は多いのではないでしょうか。
スキルアップを目指して、やりたい仕事にチャレンジする。そのために勇気をもって転職するのに、その会社は大丈夫でしょうか? 転職先がすぐに倒産してしまう会社では元も子もありません。
今回は、決算書から会社を判断してみる、ことについて簡単に説明いたします。

転職先はどうやって選ぶ?

働くということに対してはいろいろな条件が取り巻いています。
大きくは「人」「時間」「お金」の3つです。
どんなにやりたい仕事でもパワハラが横行している、人間関係がギスギスしているようでは力も発揮できないし、心が消耗して疲れてしまいます。
また、時間においては、ハードワークで長時間勤務となる職場もまだまだあります。
そしてお金です。私たち個人にとっては給与額、昇給の度合いや人事制度が重要ですが、そもそも会社の経営は大丈夫なのか、会社の土台はどうかが大事になってきます。
本当に良い会社とは、控えめに言っても儲けのある会社であることが前提です。どれだけやりがいがある仕事でも、会社が経営難で倒産の危機にあるようではいけません。

そこで、転職先の会社については、事前に会社の経営状態をチェックしておく必要があります。そのために、決算書を見るのです。

決算書ってなに?会社の成績表です

決算書は会社のいわゆる成績表です。
会社の役員たちや銀行の人、税理士、投資家などが使うもの、という印象があるかもしれませんね。決算書にはいろいろな側面の情報が詰まっていて、聞きなれない項目の実績が載っています。だから決算書を見てもわからないし難しいと感じてしまいますが、その中で、まずはここだけは確認したいところを挙げました。

決算書はここを確認しておこう!

会社の見るべき指標は以下の3つです。
①売上
②営業利益
③売上と営業利益の成長率

売上とは、商品(モノやサービス)を販売して得た収入。八百屋さんでいえば大根やニンジンを売った金額です。
営業利益は、売るための経費(仕入れや人件費、家賃、光熱費など)を売上から差し引いたもの。八百屋さんの野菜の仕入れや働く人への給料、店舗の家賃などを引いて残った利益のことです。営業利益が赤字であれば、そもそも転職先に選ぶこと自体を見直すと必要があるかもしれません。

具体的に、売上、営業利益、成長率について見ていきます。同業他社のAとBの2つの企業を比べてみてみます。数値は簡単に円単位とします。

まず、当期の売上をみてみましょう。A社、B社ともに10,000円です。同じ規模の事業を行っています。営業利益はどうでしょう。A社は4,000円、B社は3,500円ですので、A社が500円多いですね。ここまで見るとA社が良い内容であると言えます。
しかし、前年と今年の実績を比較してみると、A社は売上が15,000円から10,000円になっており、マイナス33%と落ちています。営業利益もマイナス20%の下落です。
一方、B社は売上が8000円から10,000円へと25%の上昇、営業利益は2,500円から3,500円へと40%アップしています。単純に当期の売上や営業利益だけでは、良し悪しが判断しにくいのですが、前期に比べてどう推移しているのかを見ることで、会社の経営状況がわかります。A社とB社では、A社は営業利益でB社に勝っていますが、前期に対して大きく割り込んでいます。B社は売上、営業利益ともにアップしていて、理想的な経営状態であると言えます。

成長率とは、前年との比較です。前年に比べて売上、営業利益ともに成長しているならば、会社の経営はうまくいっている、と言えます。「新しい商品ができた」「大口の販路ができた」など伸びている要因も探ってみるといいでしょう。
また、成長率においては、会社の職場の状況を想像することができます。
成長度合いが大きな企業は、拡大戦略をとっていて、どんどんと新しい案件が増えているため、スピード感のある職場であることが予想されます。意欲的にチャレンジして、スキルアップを目指したいと思う方にとってはチャンスが多いのではないかと思います。
一方、成長率が安定している企業は、変化や新しいチャレンジの場はもしかして少ないのかもしれません。落ち着いてじっくりと業務をこなしていきたいという方には、向いているかもしれません。

決算書はどこで手に入れる?

決算書は、上場企業であれば、簡単に調べることができます。まずは、その会社のHPに
「株主のみなさまへ」や「IR」「決算短信」などのページを開いてみましょう。最新の情報が掲載されています。
株式情報サイト(株探、ヤフーファイナンスなど)であれば、会社の名前や証券コードを入力すると決算書のリンクが貼ってあるので、複数の企業の決算書を確認したいときには便利です。
上場していない会社や中小企業の決算書ですが、株式会社は決算公告を出すことが会社法で決まっていて、官報で確認できます。いまは官報データベースなどネット上でも無料で確認することができます。

終わりに

いかがでしょうか。決算書のすべてを理解しようとすると、難しいかもしれません。その中で、注目ポイントを絞って、まずはその会社の売上規模と伸び率(成長率)を確認すること、余裕があれば同業他社と比較してみることは、大切です。
転職に限らず、就職活動をする学生にも役立ちますし、住宅購入を考えているけれど、この販売会社は大丈夫かな?というときも同様です。なにか決断をするときには、イメージだけではなく、数字で確認することも大事です。会社の成績表である決算書をチェックしてみることをお勧めします。
数字で確認しておくことで、安心して決断することができ、前に進めるでしょう。