自分にあった職業を見つけるには? 適職診断ができる「ホランド理論」を紹介



Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。

このコラムを書いている時点(3月初め)新型コロナウィルスが猛威をふるっています。
リモートワークに切り替えた企業にお勤めの読者の方もいらっしゃるのでは?東京オリンピックが切り替えの契機になると言われてきましたが、今回の新型コロナウィルスの流行のようなことがきっかけで、日本人の働き方がまた変化するタイミングを迎えるのかもしれませんね。

主に「転職」を考えている読者の方々にむけて、人材紹介業のウラ側のお話を交えつつ有用な情報をお伝えできれば、という趣旨でお送りしているこのコラムですが、今回は「就活を始めようとする学生さんたち」や、「就職はしたけれど今の仕事がどうもしっくりこない」と悩んでいる20代前半の皆様に向けて、「自分に合った就職先の探し方がわからない…その時思い出してみてほしい【ホランド理論】について」というテーマでお伝えしてみたいと思います。
「自分を活かせる仕事に就きたいけれど、求人広告をみてもたくさんありすぎて絞り切れない」と困っている方のヒントになればと思います。

適職を測る「ホランドの六角形」

【ホランド理論】とは、有名なキャリア理論のひとつで、アメリカの心理学者であるジョン・L・ホランド教授が提唱した職業選択理論です。個人のパーソナリティ(性格)や興味関心と、職業(働く環境) の特徴を6つのタイプに分類し、両者のマッチングをはかります。
現在でも職業興味検査(VPI)や大学生向けの進路選択支援ツールに利用されているので、もしかしたら名前くらいは見覚えのある方がいらっしゃるかもしれません。

「個人と職場のマッチングをはかる六角形モデル」だと理解していただければと思います。

6つのパーソナリティについて

まずは、学生時代を思い出してください。
あなたは高校生。文化祭で、模擬店を出すことになりました。売り上げ一位のクラスには表彰状と金一封がでます。

Q.さて、あなたは以下のどの役割をやりたいですか?

1.模擬店の看板づくりや調理担当。
2.他のクラスがどんな出し物をするか調査し、どんな商品を販売すれば他のクラスよりも集客が見込めるか考える。
3.校内外に貼りだす宣伝ポスターを描く。
4.接客担当。来客者が楽しんでくれる雰囲気づくり。呼び込みも行う。
5.クラスみんなの役割分担を決める。どんな商品を販売するか決定する。
6.当日の売り上げを集計。全体の収支を計算する。

1~6の役割の中で、やりたいこと・得意なことはどれだったでしょうか?

自分がどのタイプかわかる、簡易的なチェックリストをつくってみました。

適職診断ができる簡易チェックリスト

以下の項目をぜひチェックしてみてください。

Rタイプ

・機械や工具、道具を使って作業すること
・動物の世話をすること
・手芸をすること
・ジムに通って体を鍛えること
・ガーデニングをして植物を育てたり収穫したりすること

Iタイプ

・クロスワードパズルやジグソーパズルを解くこと
・ある事象について研究し、傾向を探ること
・物事の歴史的背景について考えること
・答えのない課題や困難に直面したとき、解決策を考えること
・物事が起きた原因や仕組みが何故なのかを知ること

Aタイプ

・オリジナルな物語やユニークな考えを創りだすこと
・映画のシーンの続きを想像すること
・読み終わった小説について、実際に映像化するとしたら誰を配役するか考えること
・美術鑑賞や映画鑑賞のあと、感想を述べあうこと
・ポスターのデザインを考えること

Sタイプ

・社会のために役立つこと
・異業種の仲間を増やしたり、交流をはかったりすること
・子供に遊びや勉強を教えること
・チームや仲間と良い関係を築いたり、支えたりすること
・相談に乗ったり助言をしたりすること

Eタイプ

・自分の意見を他人に伝え、影響を与えること
・チームのメンバーの役割を決めること
・目標に向けた意思決定を行うこと
・政治や経済の仕組み、動向に注目すること
・著名人と知り合いになること

Cタイプ

・マニュアルや規則に従って物事を進めること
・正確さや精密さを求められる作業を行うこと
・何をどのようにやればいいのかが明確な作業をすること
・内容や手順のほとんど変化のない作業を行うこと
・データを集計すること

タイプ別に合計点を記入しましょう。点数が高いタイプが、あなたの適職タイプになります。

それぞれのパーソナリティ

パーソナリティと関連キーワードは以下の通りです。

1.現実的タイプ(Realistic)

物や道具を扱うことが好きで、秩序や組織的な活動を好むタイプ。唯物論、目立たない、自然、純粋、確固としたもの、非社会的。ひとりで黙々とする仕事が好き。

【適職例】機械やものを扱う仕事、動物にふれる仕事、ものづくりの仕事、職人の仕事

2. 研究的タイプ(Investigative) 

数学、物理、生物などに興味があり、好奇心が強く冷静で学者肌なタイプ。物事の分析、意見が明確。分析的、自立的、合理的、知的、注意深く内気、批判的。

【適職例】研究する仕事、調査する仕事、考える仕事

3.芸術的タイプ(Artistic)

慣習にとらわれることが苦手で創造的。繊細で感受性が強く、独創的なタイプ。反抗的、理想的、開放的、複雑な感じ、非現実的、気まぐれ、創造的

【適職例】クリエイティブな仕事、想像力、感性を使う仕事、執筆の仕事、美術やデザインの仕事

4.社会的タイプ(Social)

対人関係を大切にし、協調性がある。教育や、人の援助に興味をもつタイプ。ボランティア等にも興味を示す。忍耐強い、優越感、機転が利く、洞察力、責任感、友好的、人に対して説得的、人と関わる。

【適職例】人前に出る仕事、人と接する仕事、人に教える仕事、人に奉仕・援助する仕事

5.企業的タイプ(Enterprising)

リーダーシップを取り、目標達成を好む。説得を得意とし、野心的なタイプ。貪欲、精力的、話術、愉快、野心、自信家、外交的

【適職例】企画する仕事、組織運営する仕事、計画する仕事、人や社会を動かす仕事、リーダーシップを発揮する仕事

6.慣習タイプ(Conventional)

データ・情報を体系的にまとめるのが得意。責任感があり、緻密な活動が得意。用心深い、固い、粘り強い、防衛的、規則正しい、想像力に欠ける、帰属意識

【適職例】事務的な仕事、規則的な仕事、マニュアルがしっかりしている仕事、練習すると上達する仕事、コンピュータ入力の仕事

6つのパーソナリティタイプが表す相互の関係

6つのパーソナリティタイプの相互の関係が、ホランドの六角形で表されます。隣り合わせのタイプは近い関係にあり、対向するタイプは真逆のタイプだと言われています。
自分の興味の方向性が定まっている人は、例えば「芸術的(A)」や「研究的(I)」の点数が高くて、「慣習的(C)」や「企業的(E)」が低い、のように偏ったグラフになります。

これを【分化】といいます。逆にすべての項目で高得点もしくは低得点で差がつかない場合もあり、これを【未分化】といいます。

【未分化】にはすべての項目で点数が高い【ハイ・フラット】というケースと、すべてに点数が低い【ロー・フラット】というケースがあります。ハイ・フラットの場合は、「あれもこれも面白そう!」と興味の幅が広いとも言えますが、絞り込みをしていく考え方も必要です。逆に、ロー・フラットの場合は、職業理解そのものがあまり進んでいない傾向があります。「食わず嫌い」の可能性もあるのでもう一段踏み込んで情報収集していきましょう。

得点の高い3項目を並べたものを「スリー・レター・コード」と呼びます。アメリカでは、12,860の職業に分類コード(スリー・レター・コード)をつけてDOT(Dictionary of Occupancy Title=職業辞典)にまとめています。興味をお持ちになった方は、調べてみるのも良いかもしれませんね。

こちらは自分の傾向が「対・人」なのか「対・モノ」なのか、「アイディア」寄りなのか「データ寄り」なのかによっても、適した環境は変わってきます。
ちなみに、以前検査を受けた際、筆者である私のスリー・レター・コードは「SAE」でした。SAEのコードは、DOTではキャリアカウンセラー職も含まれており、いわゆる「適職」に関わることができている現状には概ね満足しています。

今回ご紹介したこの「ホランド理論」、自己分析のきっかけとしてはわかりやすく取り組みやすい理論だと思います。あくまでも目安として参考にしていただき、役立てていただけたら嬉しいです。