「結婚と転職時期が重なった」「同一労働同一賃金の影響は?」20・30代の質問に答える



不要不急の採用活動はストップ…?!

Cinq読者の皆さま、おはようございます。キャリアアドバイザーAです。
あれほど国が推奨し、法整備をしてもなかなか進まなかった「働き方改革」ですが、今回のコロナ禍であっさり進んだように見えます。特に政府の「緊急事態宣言」が決め手となったようですが、このコラムをお読みになっている読者の皆様の中にも、リモートワークに移行した方も多いのではないでしょうか。
最初は「満員電車に乗らずに済む」「ちょっと煩わしい人間関係から離れられてラッキー」と受け止めていた方の中にも、期間が延長されて「いったいいつまでこの状況が続くのだろう」と不安に思い始めている方もいらっしゃると思います。
この先どうなるのかという「不安感」は、確実に転職市場に出始めています。

転職活動中だったり、これから始めようと思っていた、という方たちにとって最も気になるのは【企業の中途採用はどうなるのか】という事だと思います。
2020年5月時点では、企業の採用活動も縮小傾向と言えるでしょう。中にはすべてのポジションを一旦クローズした企業もあります。

全職種・全業種に共通して言えることは、
1.「即戦力性」を求める傾向がよりいっそう強まるということ。
2.しばらくは「教育・育成枠」での採用はストップするということ。

だと思います。
2.は、中途採用だけでなく新卒採用にも関わってくる経営判断ですね。
ようは【不要不急の採用活動はストップする傾向にある】ということです。

「さすがに医療の現場は人手不足なんじゃないの?」
「スーパーの店員とかは?バイトの貼り紙出てるけど」
「物流も人が足りないって話だけど…」というお声が聞こえてきそうですが、どんなに人手が足りない現場であっても、状況が逼迫しているからこそ【未経験の社員に教育している余裕はない】のです。異業種からの転職活動は、今・この状況下では残念な結論に結び付くと考えたほうが良いと思います。この傾向はしばらく続きそうです。

さて、先週に引き続き、20代30代のご質問にお答えしていきたいと思います。

結婚と転職時期が重なった場合

「転職活動中なのですが、先日お付き合いしている彼からプロポーズされました。
結婚と転職、人生の節目が重なってしまうかもしれませんが、何かアドバイスがあったらお願いします!(S美:27歳)」

S美さん、ご結婚おめでとうございます!
結婚生活は最初が肝心だと思います。あまり頑張りすぎず、頼るところはパートナーや優秀な家電製品に頼ることをお勧めします(笑)どうか末永くお幸せに!
S美さんが何故転職活動をしているのか理由がわからないので、下記は一般論になってしまいます。ご了承ください。
転職活動中とのことで、もうすでにお感じになっているかもしれませんが、20代後半で転職活動をする際、現在の給与、仕事内容を維持しつつ、家庭と両立できる仕事はあまり多くありません。
採用側からすると、それなりの責任ある仕事をお任せするつもりで採用する人材に、「これまでのキャリアを生かして給与も得たいが、家庭があるので残業は多くできない」と言われてしまうと、「それならば当面仕事に集中できる新卒に力を入れようか」という判断になってしまうからです。

「今後の“妊活“も視野に入れて、給与やキャリアをダウンさせても構わないから、もう少し勤務時間を短縮し、家庭と両立したい」という場合には、パートや派遣も含めて検討してみるのも良いでしょう。
ただ、一度キャリアダウンをすると再び以前のように正社員としてバリバリ働きたいとなってもそれは簡単ではない。ということは覚えておきましょう。

私自身の経験ですが、10年正社員で働いた後、結婚するタイミングでいったん派遣社員として1年間働いてみました。ですが、『指示通りの仕事を指示の範疇で担当する』という働き方があまり自分には向いていないことがわかり、転職活動をしました。が、結果は思うようなものにはなりませんでした。今から考えると理由は明白で、「正社員になること」が目的になってしまった転職活動だったから。
そして、やはり「既婚(新婚)女性=出産での休暇も近い」という見方を残念ながら避けられないからです。結婚・出産といった人生の転機を控えた転職は、それらのプライベートの変化が転職にとってはネックになることもあります。
まずは、何を優先するのかを決め、行動に落とし込んでいきましょう。
もし、S美さんが今後も正社員でバリバリ仕事をしたいと考えているのであれば、独身のうちに転職し、職場に馴染むことが大事です。そして、もしも現職が続けられる環境ならば、敢えて転職を選択せず、今の職場に留まるという選択肢も再考してみることをお勧めします。もしかしたら、転職のタイミングは『今』ではないのかもしれませんよ。

「同一労働同一賃金」は派遣社員にはどう影響する?

「新卒で入社した会社を半年で辞め、今までずっと派遣で働いています。“同一労働同一賃金”という言葉をよく目にするようになりましたが、私たち派遣にはどのように影響するのでしょうか? 派遣にも賞与が出たりするようになるのですか?(K子31歳)」

K子さんがお勤めの派遣会社を通じて、4月に契約内容の見直し等の通知があったのではないかと思いますがいかがでしょうか?
「働き方改革」の柱のひとつとされる、「同一労働同一賃金」。大企業は2020年4月から、中小企業は2021年から適用されることになっています。
「正社員と非正社員の不合理な待遇差を禁止する」というものです。

「同じ業務をしていたら、正社員の派遣社員の賃金がイコールになるということ?」と解釈している方もおられると思いますが、内実は少し違うよう。
2018年12月に、同一労働同一賃金の指針が公表されていますが、これに記載されているのは「正社員と非正社員の不合理な待遇差を禁止する法律において、問題となる、あるいは問題とならない待遇の相違を具体的に示すもの」です。
つまり、合理的な待遇差であることの説明義務を果たせれば、待遇差は残るわけなのです。

K子さんが気になっている「賞与」についての考え方ですが、「日本郵便事件(一次訴訟)」の最高裁判所による判決が、今夏までに出ることになっています。東京・大阪・福岡の高等裁判所での判決は、待遇差を「不合理ではない(適法)」としています。現状、「賞与の差はあっても問題ない」と判断されているということですね。
最高裁がどんな判決を出すかによって、各企業の問題の捉え方もガラっと変わってくる可能性があると思います。注目しておきましょう。

※日本郵便事件(一次訴訟)とは…正社員と同じ仕事をしているのに「正社員と同じ手当が出ないのはおかしい」とし、日本郵便の非正社員たちが会社泡に損害賠償を請求した訴訟のこと

それでは、またお会いしましょう。ごきげんよう!

キャリアアドバイザーA