休日に上司からLINEが送られてきた
LINEを使って気軽に連絡ができるようになったことで、社内の人とのコミュニケーションだけではなく、社外の人ともビジネスの話を進めることも増えてきた昨今。昔よりも、業務時間外でのやり取りが増えてきたと感じませんか?
いつでも簡単に用件を伝えることができる気軽さゆえ、夜遅い時間や休日にも連絡がきて悩むこともしばしば。さらに既読機能があるので、ふいに見てしまうと「しまった……!」と後悔することもありますよね。今回は、業務時間外のメールやLINEについて考えてきましょう。
業務時間外・休日は返さなくてOK
結論から言うと、業務時間外や休日は緊急な場合以外は返さなくてOK。メールはスルーしておきましょう。仕事は業務時間内で対応すべきことで、休みは休みとメリハリをつけることが大切です。
しかし、“緊急な場合”に関しては非常に厄介なもの。上司と部下で緊急の度合いに相違があるときはとくに頭を悩ませます。「出社してからでも問題ない」内容だと感じる部下と、それを早めに連絡したい上司。LINEの場合は既読機能が付いていることもあって、用件を送ったもの勝ちになってしまう傾向があります。
「返信をすべきか?」という判断するのは受け取った側だという認識を持っていたいもの。業務時間外であれば尚更です。これは、クライアントから連絡がきた場合も同じです。請け負った仕事での急なトラブルなど、緊急性のある例外はのぞいて、オフモード中に必ずしも返信をしなければいけない義務はありません。
メールは“業務”なのか?
法律では、時間外のやり取りはどのようにみなされるのでしょうか?
海外では、業務時間外の仕事メールを禁止している国もあるほどです。フランスでは「オフラインになる権利」があり、従業員50人超の企業では“従業員が業務メールを送受信してはならない時間帯を明記する義務”もあります。ドイツでも「反ストレス法」という、勤務時間外の労働者に仕事関連の電話やメールで連絡することを禁じる呼びかけがあります。
実は、日本でも業務時間外の業務は違法に当たります。
本来であれば、会社から業務時間外の対応を命じられた場合、メールや電話、LINEであっても賃金の対象に当たります。もちろん、夜10時~朝5時までに働かせた場合は、深夜手当を支給しなければなりません。
けれど多くの人は業務時間外のメールやLINEを「業務」ではなく「協力」という認識でいるのが問題です。強制されてしまえば違法にはなりますが、協力であれば拒否する・しないは自由。これが業務時間外の連絡がなくならない理由でもあります。
頻繁に送られないようにする方法を考えておいて
LINEが送られるのが日常化している上司やクライアント。どう対応するのが正解なのでしょうか? 「休日の連絡は対応できないことがあります」と遠回しに言ったとしても、「空いてる時間に対応してもらえれば大丈夫だよ」なんて返されてしまうと元も子もありません。けれど、「休日の連絡は控えて欲しい」とストレートに伝えるのはなかなか難しいですよね。
さりげなく連絡頻度を減らせるようにしていきたいもの。適度な距離をつくれるよう、対応することが大切です。
返信で一言添える
これまで対応していた返信を急に無くしてしまうと、上司やクライアントも急な変化に驚いてしまいます。たとえお休み中、特に予定がなく自宅に居たとしても「お返事が遅くなります」や「確認しました。休み明けに対応いたします」などと、今すぐには対応ができないことを伝えましょう。
自分の状況を相手に知ってもらうことが大切です。休日は、友達や恋人と一緒にいたり、家にいて一人の時間を楽しむのも自由。楽しんでいる間に連絡を取らなければいけない決まりはありません。「休みでもこの人は予定がないから連絡が来る」という相手の認識を覆していくことです。
通知をオフにする
仕事のメールやLINEの通知を見るだけで、一気に仕事モードに意識が戻ってしまい気持ちが下がってしまうことがあります。そんな人は、お休みの間は、通知をオフにしておきましょう。無意識に「仕事の連絡が来たら嫌だな」とストレスを抱えて、せっかくの休暇を心の底から楽しめていないこともあります。通知音やバイブ機能などをオフにしておけば、心への負担が軽くなりますよ。「本当に緊急の際は電話がかかってくるから」と割り切ることです。偶然気がついた時にだけチェックする、という感覚で問題ないのです。
またLINEの既読が付くのが遅い場合は、先ほど述べた連絡以上に、相手に「忙しいのかな?」と想像させることができます。休日が明けたら通知をオンにするのを忘れずに。
仕事LINE(ライン)も業務であることを認識していこう
返信するのも個人の自由です。ですが、大切なプライベートの時間を守るべくマイルールを設けておくことも必要です。プライベートでの業務はストレスの原因になりかねません。些細なことですが、上司も部下も、クライアントも。業務時間の連絡は業務であるということを認識していくことがお互いのためになります。
手軽になったがゆえ問題点について、私たちは自分を守る術を学んでいく必要があるでしょう。