地方に居ても、仕事はできたけれど……。
あれは、大学卒業後の話。実家からは電車で約20分の、いつでも両親に会おうと思えば会える距離でしたが、初めての一人暮らしをスタートさせました。実家暮らしでは分からなかった「生活する大変さ」を経験するようになり、仕事に対しての意識も高まったことを今でも覚えています。
しかし、県の中では一番栄えているところに一人暮らしをしたものの、全国的にみたら地方。実家にいるより新しい情報をキャッチしやすいけれど、やはり地方には変わりありません。その頃、執筆業に足を踏み込み始めたばかりだった私は、もっと活動の場を広げるには、やはり都心に上京することが正解なのかなってふと頭に芽生えたのです。
とは言っても、執筆業は基本的にノマドワーク。クライアントが都心でも、連絡のやり取りと記事納品まで地方にいてもパソコンで仕事をする事が可能でした。家賃は、地方に住むより圧倒的に高い……。迷いはありましたが、条件に合う物件が見つかったことを機に上京。今となっては、その決断に後悔はありません。実際に、上京して良かったと思うことを、ご紹介します。
良かったこと① 情報が一次である
まず一番大きい変化は、情報の発信場所は首都に集まるということです。これは、業種によって捉え方が異なる点ではありますが、ファッションや美容、デザインなどトレンド力が必要とされる仕事の場合は顕著に現れるのではないでしょうか。
人は、普段何気なく歩いている中で目に入る看板、お店、広告なども影響を受けますし、お店で売られているアイテムも同様。都心では、期間限定のショップが出現したり、新しい商品が出た時もいち早く情報解禁されたりします。別の表現で例えるならば、スーパーに売られている果物を思い浮かべてみると分かりやすいかもしれません。輸入品であれば、出荷後にあらゆる経路を辿って、果物売り場に並べられ、消費者が手にするのは一番最後です。鮮度は、距離が遠いほど保てなくなりますよね。
仕事で新しい情報を獲得するのは、大事な要素の一つです。地方にいるより、都心にいるほうがGETしやすいと思います。
良かったこと② アクティブな人が多い
人間関係で変化したことは、前向きな人や新しいことへ挑戦したい気持ちが強い人が都心には集まっていると思います。個人で活動している人も、地方に比べると圧倒的に多いです。そのため、「こんなことをしてみたい」と企画をした場合、否定的な意見から入るのではなく肯定的な意見から進めることができます。
実際に、自分から持ち込んだアイディアや企画が、形になったことも多々あります。距離が遠ければできなかったことも、顔を見合わせてやる気を見せることで、「一緒にやりましょう」と変化していくのです。
良かったこと③ 移動時間が大幅に削減
最後は、移動の距離。私は地方にいる時から、都心にクライアントができた場合は新幹線でご挨拶に伺っていました。特に、オンラインで仕事を進めていく執筆業としては、顔を見合わせて初めに人間関係を作ることは、相手に安心感を与えるため非常に大切だと感じていたからです。
上記の2点からも予測できるように、情報が多くてアクティブな人が多ければ、新しい仕事が生まれるのも都心が多いです。つまり、仕事の発生場所に近ければ近いほど、移動距離が減るので不要な時間が大幅に削減できるようになります。
もし、あのまま地方で仕事をしていたら、きっと同じままの自分でいたのかな?と思いを巡らせている私です。環境の変化は少し勇気は必要かもしれませんが、仕事のために上京するという選択は、後々大きなメリットに繋がると思います。