Q:都会に引っ越すと、何がいいの?
私は地方で生まれた人間なのですが、高校生の頃に両親の都合で東京へ引っ越してきました。今も、地元の友達と連絡をとる機会は結構あるのですが、連絡をとった時には必ずといっていいほど「東京はどう?」という質問が飛んできます。
最初は、その質問がくるたびに「どう?って何が?」と不思議に思っていたのですが、その質問の中には“本当に引っ越すほどではないけど、住んでみたいという興味はある”という気持ちが含まれていることがわかってきました。
私も今でこそ、東京という地に慣れや窮屈さまでもを偉そうに感じるようになりましたが、地方にいた頃はまさに都会に憧れる人間の一人でした。小さい頃から「大人になったら絶対に東京に行きたい」と強く思っていて、両親から本当に引っ越しの話が出た時には「早く行こう!」とすごく喜んだのを覚えています。
逆に「地元に帰りたいと思うことはないの?」と質問をもらうこともあるのですが、私はいつも「今はここ(東京)がいい、将来はもっと別のところがいい」と答えています。それは、単純に私がここ、東京という地に憧れていたからといった感情の部分だけではなく、この地を選ぶべきだと思っている理由があるからです。
A:理想を実現する可能性が他と比べて高い
私が今はここ(東京)を選ぶ理由は、とっても簡単なのものです。
田舎に比べて、都会には人とお金が多い。つまり、経済が回る仕組みができているからです。
私たちが何かを始めたいと理想を掲げた時に、多かれ少なかれ協力者と資金は必ず必要になるものではないでしょうか。人が多い都会には、協力者になってくれる人との出会いのきっかけや、資金を調達するための材料が溢れているように感じるのです。言い方が悪いかもしれませんが、仕事を頑張りたい、何か成果を残したいという目標を持つ私たちにとっては、都合が良いのがこの東京という地だと感じています。
もちろん、毎日めまぐるく起こる変化や人付き合いに戸惑うことや疲れを感じることもあります。だけど、行動さえ起こしていれば、テレビという四角い箱の中に居た人物にさえ実際に会うことだって、できなくはないのです。これを目標にしていたわけではありませんが、毎日田畑の周りを自転車で移動し、近所のおじいちゃんおばあちゃんと挨拶をして、友達を遊んでから家に帰る、といった変哲のない毎日を過ごしていた少女にとっては、すごく衝撃的な事実でした。
引っ越してきたばかりの頃は、最低賃金の高さに驚いたのと同時に、家賃や物価の高さにも痛感させられました。給与がいい=出費が多いは当たり前ともいえることですが「都会ってお金がかかりすぎる…」と嘆いたこともあります。
だけど、視野を広げてみると、給与を上げるためのチャンスもあちらこちらに転がっていることに気づきます。それは、田舎と違って都会には会社が多いからです。働き手以上に、働き口がたくさんあります。「就職先がない」と嘆いていた過去は、ここにはありません。目の前に広がるのは選択肢でした。
自分で何かを選択することができるということ。理想を実現する可能性が、田舎に居るよりは高いということ。これが私が今、ここ(東京)に居ることを選ぶ理由です。
納得するまでは、理想の実現に向けて行動し続けていたいし、心揺さぶられるような感動にも、これからもたくさん出会いたい。そして満足するところまでやりきれた時には、都会の騒音から離れ、また違った空気を味わいたい。
「今はここ(東京)がいい、将来はもっと別のところがいい」。
これが私の考える『都会との接し方』です。
もし、仲の良い友人から「これを叶えたい」と夢を語られたのならば、私はまず拠点を都会に移すことをオススメします。全ての人がこれを実行する必要はないし、もっともっと他に良い方法もあるかもしれません。だけど、平凡だった私が、今ここで自分なりの考えを持って、割と満足度の高い毎日を過ごせていることがその証だと思っています。この文章が、誰かの支えになり、何かのきっかけになればとても嬉しく思います。