「ビジョンと現状のギャップを埋めていく」株式会社インタースペース #オフィス改革



[記事内に広告が含まれています]

みなさんは自分が働いている環境について、どのように感じていますか?

毎日オフィスに居ると、「会議室が少ない」「殺風景で暗い」など、なにかと不便なことが目についたり、不満が生まれてしまうこともありますよね。居心地の良くないオフィスに、モチベーションも下がってしまい「早く帰りたいなぁ…」なんてつい憂鬱になってしまうことも。

他にも、「子育てしながらも働きたいけど今の制度では厳しいかも……」と女性にとってはキャリアへの不安を持つこともあります。

生産性の向上を促すためにも、オフィス環境や制度の見直しをする企業が増えている今ですが、成果を上げやすい環境とはどのようにして作られるのでしょうか。働く場所に工夫を凝らし、さらには様々な制度を作って、実践している企業にCinq取材班はお邪魔してきました!

社員とも「Win-Win」な関係にする。株式会社インタースペース

今回お邪魔したのは、インターネット広告・メディア運営事業を展開している株式会社インタースペース。国内にとどまらず、海外にも事業を広げている会社です。

「Win-Winをつくり、未来をつくる。」 をミッションに掲げ、東証マザーズに上場以降さらに加速が進んでいますが、このミッションは取引先の企業やパートナー、エンドユーザーだけではなく社員との「Win-Win」も大切にしているそう。その秘密に迫っていきます。

開放的なミーティングスペース

エントランスを抜けると、たくさんの会議室を見渡すことが出来ます。清潔感のあるガラス張りと白を基調とした会議室は外からの光をたっぷり取り込みとても明るい雰囲気。実は真っ白なキャンバスを意識しているそうで、キャンバスに色を塗って絵を仕上げる。同じように社員にも自由な発想で色々なアイデアを出して仕事を楽しんでもらいたいという想いが詰まっています。

開放的な会議室からは社員ひとりひとりが活き活きとミーティングをしている様子を見られるのが印象的で、風通しの良さを感じます。

カフェスペースが2つも! 目的に合わせて活用できる社員交流の場

雰囲気の違うカフェスペースがなんと贅沢に2つも用意されているのは大きな魅力の1つとも言えます。

1つは、落ち着きのあるシックなデザインのスペース。コンセプトは「Be innovative」で、よりイノベイティブな観点とクリエイティブな仕事を目指すように作ったそう。より革新的な未来を目指して、社員同士の意見交換や新たなアイデアを生み出す場所として使われています。

もう1つは、ガラリと雰囲気を変えてカラフルな色合いのイスがなんとも楽しそうな雰囲気を作っています。ランチや休憩をしたいときに、社員同士がコミュニケーションを取れる場として作られたカフェスペースです。また、セミナーなどを行う際にもこのスペースを利用しているそう。

目的に合わせて、社員同士が交流できるスペースがあるので、メリハリを持ってコミュニケーションを取ることができますね。

働きやすい制度作りのヒミツ

社員とも「Win-Win」にするため、快適なオフィス空間だけではなく、新しい企画やサービスをどんどん生み出していける、働きがいのある制度作りにも力を入れているというインタースペース。
具体的にどんな制度があるのでしょう? 人事総務部の片山 奈穂さんにお話を伺いました。

人事制度の大きな特徴を教えてください

「ワーク」と「ライフ」それぞれを重視した、2つの観点から制度を作っています。

ワーク重視の制度では、キャリアアップとスキルアップができるように、様々な観点で制度を導入してきました。例えば、希望を募って、プログラミング講座を受講する制度。これは知識の習得だけではなく、エンジニアとのコミュニケーションがより活発になるように作りました。

他にも、働いていく過程で「キャリアを変えたい・領域を広げたい」という意欲を持つ人が、社内で人材を募集している部門への異動に手を挙げることが出来る社内公募制度。社員の「やってみたい」を無駄にせず、会社が応援する姿勢をとっています。

ライフ重視の制度では、経営陣と社員を繋ぐ「コミュニケーション」をコンセプトに昨年の9月から導入したのは「ISsai Gassai(いっさいがっさい)」という制度で、1人あたり年に1回、経営陣と16時から18時半までの2時間半交流する場を設けています。それ以外の月は16時半で帰宅ができるという仕組みを作りました。

「ISsai Gassai(いっさいがっさい)」には、経営陣との距離を縮めて聞きたいことや伝えたい事を「一切合財、なんでも聞いてしまおう!」という意味が含まれています。上下関係をとっぱらって話すことのできるよう、運営側は法被の着用や、ケータリング、豪華なスイーツも用意してお祭りのような雰囲気で盛り上げています。もちろん、イベント参加者以外の方は早く帰れるので、その時間を有効活用して同僚と週末のプチ旅行や社内の部活動、セミナーに参加している社員もいれば、家族サービスの時間に充てている社員もいます。


設立15周年を記念して作られたギャザリングアート。


社内イベントや社員の夢などたくさんの社員の笑顔が映っていました。

「ワーク」と「ライフ」2つの方向で制度を作るのは大変だと思いますが、やはりどちらも捨てがたいのでしょうか?

幅広い年齢層の社員や多様な価値観の社員が働いているので、1つの施策だけでは全員のニーズをカバーすることが難しいと感じています。コミュニケーションを取りたい人もたくさんいますが、学ぶ場が欲しいと思う人もいます。また、会社の成長フェーズに応じた施策を取り入れていく必要性もあります。

色々な視点で新しい仕組みを作り、総合的に社員の活躍を支援するためには、ワークとライフ、どちらも譲れない条件になっていきます。

女性に向けた制度があれば教えてください

子育てをしながらも働ける環境をつくるため、ママさん各々に合わせて出勤時間が調整できるようにしています。もちろんママさんの日頃の努力や各事業部門の協力があってですが、産育休を終えた女性の職場復帰率が92.9%(2017年時点)になりました。

今後も子育てをしながら働く女性が増えていくと予想されることから、各事業部門・各職種から選出して「女性活躍推進プロジェクト “WISH”」を立ち上げました。“WISH”は、WomenがInterSpaceでHappyになる。という意味です。

産育休で長い期間、職場から離れていると復帰時に不安を持つ方も多いと思います。それだけではなく、ライフイベントを迎える女性がキャリアを積む上で、「働き方」を意識することは少なからずあると感じています。男女比もほぼ半々になり女性の活躍も増え、女性社員が「今何の問題を抱えているのか」、「どんなことに悩んでいるのか」をヒアリングし、会社全体のプロジェクトとして解決に向かう取り組みです。

直近の活動では、「生理休暇の取りづらさ」が議題にありました。仕組みはあっても、やはり取得のしやすい部門としづらい部門、それぞれに偏りがあったので、部門に関係なく取得ができるようルールの変更をしました。また、職場復帰の際に安心して働けるよう、ガイドブックも作成中です。

素敵なプロジェクトですね。女性は特に仕事と生活のバランスに悩むことも多いと思います。会社から見た、今後の課題点はありますか?

基本的には、復帰後も産休に入る前と同じ職種で仕事をしてもらいますが、営業職の場合は営業サポート職として戻ることが多いです。

望んで営業サポート職として復職をする人もいれば、中には「営業が好きだから、できれば営業を続けたい」と思っている人も少なからずいるだろうと思っている人もいます。ですが、営業職となると時間の自由度がどうしても狭まってしまいます。女性が職場復帰しても、無理なく営業が続けられるようにするにはどうすれば良いかを現在模索中です。これまではその方法がありませんでしたが、ないから現状維持とするのではなく、働き続けたいと思う女性が活躍できる仕組みを作ってしまえば良いだけだと思っています。

また「社内にロールモデルが居ない」といった意見があるのですが、それはロールモデルとなる女性が少ないのではなく、知らないからなのではないか? と感じることもあり、今後は女性社員向けの勉強会も実施したいです。

悩みを抱える女性の選択肢を広げるためにも、どんな制度があればいいのかを考えて続けていきたいです。

社員の様々な声を形にして、働きがいのある会社を目指す

会社が成長すればするほどに社員数は増え、年代の幅も広がり、様々な意見が生まれます。そのため、経営陣の考えと社員の認識に差が生まれないよう、中立の立場でそれぞれの課題にどういった切り口でアプローチしていけば良いのかを、日々考えているという片山さん。

どんな会社も今後は、オフィス・人事制度の見直しは必要不可欠になっていきます。会社と社員のどちらもが満足のいく仕組みづくりに向き合うべきなのです。ぜひ皆さんもインタースペースの「ビジョンと現状のギャップを埋めていく」取り組みを参考にしてみてはいかがでしょうか?

取材協力:株式会社インタースペース