キャリアコンサルタントが考える、女性のキャリア形成とは?【ポジウィル株式会社代表 金井 芽衣】



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前回のインタビューでは「戦略的キャリアを積んでいく」必要があると話してくれたポジウィル株式会社 金井 芽衣さん。これまで、キャリアコンサルタントとしてさまざまな人の悩みに向き合ってきた彼女に、女性とキャリアについて伺いました。

精神のバランスを保つために大事にするもの

日本では、キャリア=仕事と捉えられている方が多いのですが、広義の意味では「人生そのもの(経歴)」を指します。仕事とプライベートの二軸を大切にしなければ意味がない、という考えがあるんです。

L・サニー・ハンセンによる統合的人生設計(ILP)では、4つの「L」のバランスが大事だと言われています。それが、労働(Labor)、学習(Learning)、余暇(Leisure)、愛(Love)。

精神のバランスを保つためにも、この4つのフレームワークを大切にしていかなければならないと言われています。特に女性は、ホルモンバランスの変化や、精神的な依存によって揺らぎを感じやすい生き物。抱えられる量に限りがあるので、今の状況を可視化して捨てる作業を定期的にやっていく必要があります。情報を取り入れる余白さえあれば、自然と新しいものが入ってくる。モチベーションを上げるためには、という考えも持つ必要も無くなります。

可視化することでアクションに繋げる

私が200人以上のカウンセリングを続けていて気づいたのは、悩みを解決するまでには、4つのフェーズがあるということでした。

一つ目は、とにかく辛い、なんか嫌だ、と自暴自棄になっている段階です。その時にはまず、悩みの原因を箇条書きにして書き出していきます。

そして、二つ目が、問題が顕在化できるようになった時。悩みの原因を書き出していくと、ニキビができたとか、むくみが気になる、写真映りが悪い、前髪のうねりが気になる……というような小さいストレスの集合体であることに気づくことも多いです。そうなると、次のステップ。解決するためのソリューションが見えてきます。そこまで来ると、戦略的に目標に向かうべきアクションがわかるようになります。

それを実際にアクションに移すことが、最後の4つ目です。この順序を踏まえていくことで、悩みの原因から自分が取るべきアクションまでが明確になって、モヤモヤしていた「悩み」を顕在化できるようになります。

「自分が何をしたいのかがわからない」と答えが明確になっていない人も同じです。自分が好きなもの、好きな理由を分解して落としたところに、答えが見つかるはずです。

過去の失敗をネガティブなままで腐らせない

挫折や失敗は誰にでもあるものです。だけど、女性の場合はとくに、嫌な思い出をそのまま蓋をして消化出来ずに抱えてしまっていることが多いような気がします。けれど、苦しい・辛い思い出を、腐らせたまま放置するか、それをエネルギーに変えるかは自分次第です。

捉え方を変えれば、挫折、失敗、遠回りも全て自分を作る材料だと思うことができるようになります。発展期と過渡期を繰り返すことで、次のステージに上がることができると思っていれば、不安や心配な気持ちも、前向きに捉えることができるようになります。

パートナーとの関係性は何よりも重要

パートナーとの関係性は大切だなぁ、ということは相談を受けていて感じる事が多いですね。

例えば、「バリバリ仕事をしたいけれど、旦那に止められる」というケースも多々聞きますが、パートナーと話しましたか? と聞くと友人同士では話してるけど、当人とは話していないケースが多いなと。人との生活をしていく上で、価値観の相違をなくすことはとても大事なこと。そこにズレがあると、いずれ歪みが生じてしまいます。言われた事は受け止めるけど、察することは出来ないというのが大半だと思うのでアイメッセージで(主語を相手ではなく、自分として)伝える習慣をつける事が大切かな、と。

欲張るならば、覚悟を決めること

女性が働きやすい環境、というのはもちろんですが、本来であれば男女関係なく尊重される社会であって欲しい、とも思っています。決まらない求人にありがちなのが、自分の現状を理解せずに理想だけが先行してしまいズレを認識しないことです。自分の理想や目標がある程度明確になっているのであれば、まずは自分の現状を確かめてから、バリューを発揮できることに移すといった過程を理解しておかなければなりません。挫折・失敗・コンプレックスにとらわれず、全ての経験を強みに、自分の力に変えて進んでいって欲しいです。