カウンセラーが使う!人間関係を深める、天皇陛下も使う会話法



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即位30年天皇陛下がお手本 コミュニケーション最高のスキルとは?

新元号「令和」の発表に沸いた日本列島ですが、次は、今上天皇陛下と皇后陛下のご退位が待っています。陛下は私たちの心に癒しと感動を与えてくれました。そこには、天皇や皇后という立場だけではなく、そのコミュニケーション法が大きく影響しています。
会話上手と言えば、雄弁だと考えるものですが、両陛下は被災者等に対して多くを語りません。このことが、コミュニケーションが苦手、人前に出るとあがる、という人のスキルアップのヒントになるはずです。そこで、口下手な人ほど会話上手になれるスキルを紹介します。

参考になる天皇陛下・皇后陛下の会話の仕方

天皇陛下・皇后陛下は多くの人に慕われて、多くの感動を全国に届けてこられました。それは人との接し方にあります。皆さんも、天皇陛下・皇后陛下が被災地を訪問して被災者をねぎらう姿をご覧になっていることでしょう。この姿を思い浮かべれば、よい接し方がわかります。陛下は膝をついて被災者の目線で会話をされています。また、相手に話をさせ陛下は聞き役になって、相手の話を受け入れ、「それは、大変でしたね」と被災者に共感しています。陛下の姿が良いお手本になります。

カウンセリングにおけるコミュニケーションスキル

それでは、陛下のコミュニケーション法を心理学で分析していきましょう。
カウンセリングで最も重要なのが患者との人間関係の構築です。人間関係がなければ、相手(患者)は心にあるものを話してくれません。そうなれば、治療もできません。カウンセラーは雄弁とは限りません。ですから患者の心を掴むスキルが求められるのです。

相手の話をしっかり聴く「傾聴」

昔から「雄弁は銀、沈黙は金」と言われており、沈黙している方が会話上手だと言われてきました。カウンセリングやコーチングでも中心になるのが「傾聴」のスキルです。クライエント(患者)の話に耳をすませ、耳を傾け、しっかり聴くことを傾聴といいます。陛下も被災者たちの言葉に耳を傾けています。

例えば、ガールズトーク、アフターファイブ、雑談など、コミュニケーションをしたあとはスッキリとしているはずです。これにはカタルシス(心の浄化作用)という心理効果があるから。心の中に溜まったストレスや落ち込んだ気分が言葉と一緒に吐き出されることで、スッキリとした感覚になるのです。また、発言することは、心の中を相手にさらけ出すことなので、発言者は心を開くことになり、信頼関係を深めることができるのです。

これに加え、人間には「自分の存在を評価して欲しい」という欲求があります。じっくりと話を聴くと、相手は自分の意見や存在自体を評価してくれていると受け取ります。しっかり聴いてくれることは「自分の発言が支持されている」と感じられ、自信を持った発言が活発になります。

しかし、ただ単に相手の発言に耳を傾けているだけでは、相手の発言はすぐにストップしてしまいます。これでは、傾聴はできません。発言を促進するために首を縦に振る頷きや「はい」「それから」というように“あいの手”を入れることが効果的です。「自分の話を聞いてくれて、共感している」と感じて、自信を持った会話に拍車がかかることになるのです。

ありのままに受け入れる「受容」

天皇陛下・皇后陛下は被災者の発言をありのままに受け入れています。被災者は喜び感動しています。これも自分の意見に同意され、自分が評価されたと感じるからです。このように、相手の発言や気持ちを、ありのまま受け入れることをカウンセリングでは「受容」と呼んでいます。
私たちには、「自分の発言や考え方を他人に受け入てほしい」という欲求があります。「なるほど」「私もそう思う」「その通り」など、受け入れるという返事をすると欲求が満足して嬉しくなります。

すると、優しさには優しさをもって返すという心理が働き、相手もやさしい気持ちで接してくれ、受け入れられるようになるというようになります。天皇陛下の優しさに触れた人たちは自分も優しくなれるのです。このように、好意には好意で返す心理を“返報性の原理”といいます。

感情を共有する「共感」

「共感」というのは相手の感情に寄り添って理解することです。共感は相手の気持ちを認めることです。自分の気持ちが認められて、カウンセラーを理解者だと考えて心を開くのです。
相手の感情を理解して、その気持ちをフィードバックすることで共感していることを伝えます。共感することは、無意識レベルで行われるため簡単ではありませんが、心がつながる感覚になるため、影響力は大きくなります。天皇陛下・皇后陛下も被災者に「それは大変でしたね」と共感しています。それに被災者は感動しました。

私たちは、自分の努力を認めて欲しいものです。相手が落ち込んでいる時には、天皇陛下・皇后陛下のように「それは大変でしたね」と声かけをしてください。また、良いことがあったら「よかった」「いいね」と声掛けをしましょう。このように、相手の気持ちを読み取って、相手の気持ち応じた声をかけるようにします。こうすると、あなたが共感していることを相手は理解します。

カウンセリングスキルで会話上手に

コミュニケーションが不得意の方には、少しの工夫でコミュニケーション上手になるので、このカウンセリングスキルを使用することがおすすめです。そして、天皇陛下・皇后陛下が被災地を訪れて被災者と会話している優しい姿を思い出してください。そうすれば会話上手になることでしょう。