一日の疲れを癒し、翌日の仕事に向け体を整える。ビジネスパーソンにとって欠かせないのが「睡眠」です。ですが、よく寝たのになんだかすっきりしない……。そんな経験はありませんか? 体に溜まった疲れをなかなかうまく解消できておらず、翌朝も疲れを持ち越してしまう。そんな時は、日中の業務をいつもと同じようにこなそうとしても、眠気によりパフォーマンスを発揮することができません。
では、どのように睡眠と向き合えばいいのでしょう? 睡眠の知識を共有していきましょう。
お昼過ぎの眠気は誰にでもおこる! スケジュールの入れ方に工夫をしよう
仕事をしていて、もっとも眠くなる時間がお昼過ぎです。
この時間は、たとえ睡眠が足りていたとしても眠気が襲ってくるケースもあります。なぜ眠くなるのか? そう考えた時によく挙げられる意見が「お昼ご飯を食べたから」というものです。
しかし実はこれは違っていて、お昼休憩をとり終わった14時ごろ眠気が強くなるのは「アフタヌーンディップ」と呼ばれるヒト固有の生理機能によるものなのです。お昼ご飯を食べても、食べなくても、そして睡眠をしっかり確保したとしても眠くなりやすい時間帯であるということなのです。
午後の眠気はどうしても避けられないものなので、素直に受け入れることが大切です。お昼を食べたあとだからと、午後早めの時間帯に大事な予定をあげるのは実はオススメしません。
パフォーマンスを向上させたいのなら、「お昼を過ぎた時間帯には注意力を必要とする業務を入れない」のが得策でしょう。逆に、大事な仕事を入れるなら集中力が高まりやすく比較的静かな午前中を使うと良いでしょう。
年齢が上がるにつれ睡眠時間の確保が必要
お昼眠くなるのはわかったけど、「そもそも眠りの質が悪いのかも……」と思っている人もいるかもしれません。
実は年齢を重ねていくと、体力と同じように「眠る力」も低下していく傾向にあります。眠りが浅くなったり、寝ている途中に目を覚ましたりと、今までとは違う変化が出てきます。誰でも歳を重ねるとともに睡眠のパターンが変化するのにも関わらず、変わらない睡眠を続けてしまうことによって、結果、知らず知らずのうちに睡眠不足に陥ってしまうのです。
睡眠不足は、集中力や思考力、記憶力の低下を招くだけではなく、免疫力も下がってしまうので長く続くことによって体調を崩しやすくなってしまいます。
それを防ぐためには、積極的に睡眠時間の確保をしなければなりません。ここで重要なのが、2種類の眠りです。
精神と神経の乱れを整える「レム睡眠」、疲労を取り除く「ノンレム睡眠」と呼びます。この2つは90分おきに交互に訪れ、寝入ったばかりはノンレム睡眠から入ります。しかし、年齢が上がるにつれ、このノンレム睡眠の時間が減り、レム睡眠が多くなるのです。つまり、寝ても疲れが取れない現象はノンレム睡眠の短さが要因にあるのです。
積極的に睡眠を取らなければいけないのに、長い時間眠れなくなってしまう……。これはかなり困った状況です。ここで大事なのが「眠活」です。香りの力に頼るのもよし、日中の行動量を増やすのもよし、眠くなるまで寝ないのも得策です。ひとそれぞれ心地の良い眠り方があるので、色々試してみると良いでしょう。
人それぞれ違う、「適切な睡眠時間」
睡眠の質は、体質と環境を掛け合わせて決まるので、人それぞれに質が違います。
よく「8時間睡眠がベスト」という耳にしますが、ショートスリーパーと言われるように短い睡眠時間の方が自分に合っている、という方もいます。今の自分は一体どれくらいの睡眠がちょうど良いのか、を知っておく必要があります。
そこでおすすめなのが、睡眠を記録すること。入眠時間・起床時間から算出した睡眠時間と目覚めたときの感覚、日中のパフォーマンスを数日間記録すると、自分に合った睡眠時間が見えてきます。また、寝る前にスマホを触ったなど、外的要因も合わせて記録することで、眠りの妨げになっているものも見えてきます。
自分の眠りと向き合おう
千差万別である「眠り」。何よりも自分の体は自分にしかわからないものです。どんな睡眠をすれば日中のパフォーマンスが上がるのか、自分とよく向き合う必要があります。
質の良い眠りはビジネススキルの一つと考え、自分の眠りと向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか?