8時間も寝たのに……体のダルさが抜けないor眠いってどういうこと?
しっかり睡眠時間をとっているのに、なぜか疲れが取れない。
そんなプチ不調に悩ませることってありますようね。特に寒い冬はどれだけ寝ても寝ても眠気が取れない……なんてことが起こりがち。睡眠時間は一般的に「7〜8時間」とることがベストだと言われていますが、しっかりと時間を確保しているのに関わらず、ダルさが抜けない・眠気が取れないのはどうしてなのでしょうか?
睡眠の「質」を見直すべし
ズバリ、答えをいうと睡眠時間より大切なのは深さ。
つまりは量より質なのです。どれだけ睡眠時間を確保していても、睡眠の質がよくなければ翌朝の倦怠感や眠気に勝てることがありません。NHKが2015年に発表した国民生活時間調査によると、国民の1日の睡眠時間(全員平均時間)は、平日7時間15分。1960年代は、平日平均が8時間13分だったことに比べると、睡眠時間も少しずつ短くなっていることがわかっています。平均睡眠時間が短くなった上に、睡眠の質が落ちて、寝ても寝てもプチ不調が続いてしまうと、日中の運動量や仕事にも悪影響を及ぼすことは容易に想像できるはずです。
また、土日は平日に比べて睡眠時間が長くなるという方もたくさん居ることでしょう。土日の方が平日に比べて眠る時間が長い、ということがそもそも平日は常に睡眠不足状態であることの証拠なのです。
そんな現状から、より睡眠の「質」にこだわることが大切になってきました。では、実際に睡眠の質を上げるためにはどんなことに気をつければ良いのでしょうか?
睡眠の「質」を上げるために知っておきたい知識
お酒は睡眠を浅くする
お酒を飲むと寝つきがよくなると考えている方もいるかもしれません。確かに、眠りに入るというまでは正解。けれど、なぜか不思議と目が覚めてしまった、なんて経験はありませんか? お酒を飲みすぎると睡眠の質を下げ眠りを浅くしてしまうのです。コーヒーや紅茶などのカフェインが「眠りを悪くする」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。それも同じことです。お酒(ニコチン)、タバコ、カフェインなどは、就寝前の2時間は避けるのが賢明です。
利尿作用もあるため、せっかく睡眠についたとしても途中で覚醒してしまうことだってあります。トイレに行くために起きなければならない。こんな状況はなるべくつくらないように工夫していきましょう。
睡眠の質を上げるのは「朝の過ごし方」
良い睡眠をとるためには、毎朝の過ごし方に注目することも大切です。夜から朝のモードへと体のスイッチを入れ替えるための時間を作ることで、寝るための準備ができるようになるのです。
朝の活動をスイッチを入れるために、注意するべきことは
①毎朝決まった時間に起きること
②朝日を浴びること
③朝食を食べることです。
起きる時間を決めておくことで、自然と体内時計のリズムが整ってきます。スマートフォンなどに搭載されている「スヌーズ機能」の設定はあまりオススメできません。自分の体内リズムを把握して、無理なく起きられる睡眠時間というものを把握することからスタートしていきましょう。
そして、太陽を浴びることによって自然と眠気が覚めていきます。アラームが鳴ったらまず窓をあけることだけ頑張ってみる。これを1日のはじめに必ず実行して。そうすればもう一度ベッドに横になってしまったとしても自然と意識もしっかりしていくはずです。
朝食は、メニューにこだわるより、食べる時間を決めておくことです。まずは寝ている間に失われた水分を補給するように、コップ一杯分の水を飲んでおいて。時間がない時も野菜ジュースや味噌汁などは摂る努力をしましょう。油がぎっしりなハイカロリーな食べ物は避けるのが無難です。
湯船にしっかりと使って体温を上げること
忙しいからとついシャワーで済ませてしまう方もいらっしゃるかもしれません。けれど、しっかりと湯船に浸かることも大切です。「リラックス効果あるから」という理由ももちろんですが、お風呂に浸かってポカポカ温まると、体は逆の動きを取ろうとします。体が温まると、次は中心部分である「深部体温」が下がります。この深部体温を下げることがスムーズな睡眠に入るためのコツ。
なので、素早く眠りにつきたい方はお風呂に入って体温を上げることが大切なのです。熱すぎるお風呂に浸かるのではなく、体がじっくりとあたたまるようなぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。
寝るためのルーティンを作る
スムーズな睡眠に入るための事前準備をルーティン化していきましょう。
例えば、歯磨きをする、パジャマに着替える、アロマを炊く、明日の準備をするなどです。自分なりの「リラックスタイム」をしっかりとつくりましょう。
ここで注意すべきなのは、寝る前にスマホを見たり、テレビなどの強い光を浴びないことです。人間の体が朝日を浴びると自然と目が覚めるようになっているのと同様に、強い光は覚醒を促してしまいます。体内時間が崩れる原因になるので、スマホなどは早めに置いて触らないように注意しましょう。
睡眠の質が良いか悪いか、目安にしておきたいのは「寝つき」
睡眠時間としてみなさんが数えている時間には「寝落ちるまでの時間」もカウントとして入っているはずです。この、ベッドに入ってから、眠りに落ちる時間に注目することによって、睡眠の質を見極めることができます。例えば、横になったのが夜23時であっても、実際に寝落ちた時間が25時であればそれは良い睡眠とは言えないのです。その場合は、眠る前に自分がしっかりと睡眠に向かう体制を取れているのか、しっかりと見直してみてください。
そして、上記のことを実行しながら、自分がスッキリと起きられる時間は何時間睡眠なのかを把握していきましょう。人によって、ベストな睡眠時間は違っています。もし、睡眠導入はすんなりとできているし、ぐっすり眠っているはずなのに疲れが取れない……という人がいたら、睡眠時無呼吸症も疑ってみましょう。
自分の体内時計のリズムをしっかり理解して、健やかな生活を。