不安になりやすいアナタに 「オキシトシン」によるストレス解消法



[記事内に広告が含まれています]

愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」

オキシトシンは、脳内で作られ、放出されるホルモン様の物質で、放出されると、闘争心や逃走心、恐怖心を和らげ、信頼を構築します。また、オキシトシンは、ストレスを緩和し、幸せな気分をもたらします。これは、特に女性に効果的なストレス解消法です。

オキシトシンとは

神経は電気信号で刺激を伝えますが、神経と神経の間には隙間があり、そのままでは、神経から神経への信号が伝わりません。そこで、一方の神経から、ホルモン様の物質を分泌してもう一方の神経に信号を伝えます。これを神経伝達物質(脳内ホルモン、脳内物質と呼ぶこともあります)と言います。

オキシトシンは神経伝達物質の一つです。オキシトシンは、出産の時に子宮の筋肉の収縮を促し、授乳時には、乳児による乳房への刺激によってオキシトシンが放出されて射乳を起こします。赤ちゃんが母乳を欲しがると、その刺激が脳に伝わり、脳から、「母乳を出せ」という指示が出て、神経を経由して乳房の組織が収縮して母乳が出るのです。
また、これが脳内に作用すると、「愛情ホルモン」として、相手を抱きしめたくなるという効果があります。

オキシトシンによるストレス緩和効果

女性にとって不可欠なホルモンであることから、オキシトシンは「女性ホルモン」と分類されていたこともありましたが、男性でも分泌され、相手を愛おしく思い、優しくなる効果があります。
「愛のホルモン」として知られているオキシトシンは、信頼と寛大さを生み出すことが実験で明らかになっています。

以前、セロトニンを脳内に分泌させれば、幸福感が得られ、ストレスが軽減されると説明しましたが、このセロトニンを受け取る神経をセロトニン神経というのですが、セロトニン神経はオキシトシンにも反応します。つまり、オキシトシンを分泌させることでストレスを軽減できるのです。

また、オキシトシンは、自閉症者の不安を軽減するのに有益であることが示されています。摂食障害やうつ病、社会不安障害等の他の精神障害に対する治療にも役立つのではないかと期待されています。

オキシトシンを放出させてストレスを解消する方法

オキシトシンを放出させる方法についての論文や専門家(有田秀穂・東邦大学医学部名誉教授、ウィキペディア)の意見を集めてみました。オキシトシンを放出させる方法にはスキンシップがあり、直接的なスキンシップの他に、会話や利他的行為などの精神的なスキンシップも含まれます。

スキンシップ、マッサージ

類人猿に見られる行動に「グルーミング」があります。グルーミングをすると、オキシトシンが放出され不安が取り除かれます。また、ハグをしたり握手をしたりなどスキンシップや触ったほうも触られたほうも同じようにオキシトシンが出るのです。マッサージでも分泌されます。

赤ちゃんを抱っこする

赤ちゃんを見ると、可愛くて抱っこしたくなりませんか?
女性の場合、赤ちゃんを抱っこすると、オキシトシンを放出して、乳腺を刺激して母乳を出す仕組みを持ってます。この仕組みをオキシトシン反射と言います。


ペットを可愛がる

「飼い主とイヌが触れ合うことで互いにオキシトシンが分泌される」という筑波大学の研究チームによる論文が、アメリカ『サイエンス』誌に掲載されました。

おしゃべりでもオキシトシンを放出

雑談をした後はスッキリしますが、ガールズ・トークやアフター・ファイブの上司の悪口でもオキシトシンを放出させるということがわかってきました。

イタリアのパヴィア大学の研究者は、22人の女性に対するゴシップ話の影響を調べました。
研究者であるDr. Natascia Brondinoは、女性の同僚がゴシップ話をすると親しくなることを感じたので、脳に対するゴシップの効果を研究したのでした。
その結果、天気についてのありきたりの会話をするのと比較して、女性の脳がゴシップの後により多くのオキシトシンを放出することを発見しました。


共感・利他行動

共感や利他行動でもオキシトシンは放出されます。共感というのは相手と感情を共有することです。利他行動というのは相手のために行動することです。ボランティアに参加したり、お年寄りに席を譲ったり相手を思いやることです。

香り

「ローズ、オレンジフラワー、バイオレットなどの天然精油を含む香りを女性にかいでもらい、効果を検討しました。その結果、脳からオキシトシンが分泌されることを発見しました。」

メナード 「香りで幹細胞が元気になる」より引用https://corp.menard.co.jp/research/tech/tech_05_01.html

まとめ

以上のように、オキシトシンによるストレス軽減は、女性にとって強い味方になります。
雑談をして「スッキリする」と感じた人も多いのではないでしょうか?
それもオキシトシンの効果だったのです。
ポイントは“思いやり”の気持ちです。誰にでもできることですから、ぜひ試してみてくださいね。